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ああ、出し惜しみ無しだ!

あくまで、リスペクトでありオマージュです。

 俺は、最初の顔面に向かっての右正拳を、拳聖は左に躱した所を一歩右足を摺り足で踏み込み右肘を曲げ肘撃に変更したが、拳聖はそれも躱そうとしたから、右拳を下に向けて肘撃を鎖骨の中央に変えると、拳聖は左手で俺の右腕を横に払い、がら空きになった俺の右脇腹に拳聖は左足の横蹴りを放った。

 俺は払われた勢いのまま反転して背中を見せたまま跳び、拳聖を下に居る状態で空中から両足の時間差攻撃をした。

 ……が、これも拳聖はバックステップでギリギリ避けた。


「……ほう。」

「流石は拳聖、と言った所だな。」

「しかし、躱せはしたが、何と言う連擊なのじゃ。」

「まだまだ、こんなもんじゃないぜ。」

「……来い!」

「行くぜ!」


 俺は、左回し蹴りを拳聖の頭部目掛けて放つ。


「……温い!」


 が、俺の左回し蹴りを受けた瞬間、俺の右回し蹴りが拳聖に炸裂した。


「がっ……」

「ウーティン師匠!」

「……」


 技名を言いたいが自重した。


「……まだまだじゃ!」

「そうこなくてはな、拳聖!」

「今度は、儂からじゃ!」


 拳聖の年を感じさせない程の速さで接近すると、重厚な右正拳が俺の顔面に向かって来たが、それに合わせて拳聖の右小指目掛けて俺は左拳を放つが、長年培った「経験」と「勘」から、踏み込んだ足を外側にズラす事で、俺の攻撃を躱す。

 しかし、完全には躱しきれず、拳聖の右腕には、横に赤い線が出来て、極少量の赤い滴が流れた。


「な!?」

「師匠!?」


 拳聖も多少は驚いたみたいだな。


「危うく、右拳を殺される所じゃったわ。」

「意外と無視出来ないんだよ、小指の負傷は、な。」

「……肝に銘じておこう。」

「まだ行けるよな?」

「当然じゃ!」

「疾!」


 俺は、左足を内側に捻りながら右足も捻り、その両足の捻りの流れのまま左前蹴りを放つが、拳聖は左に避けた。

 俺は、そのまま左足を軸にして右回し蹴りを放つが拳聖は更に左に避けた。

 今度は、その右足を軸にして左後ろ回し蹴りを放つが拳聖は受けた。

 俺は拳聖が止まった所を狙い、そのまま空中で右回し蹴りを放ち拳聖は再び受けた。


「……ぐぅ。」

「まだだ!」


 着地した瞬間に拳聖の顔面を右手で鷲掴みにし、後方に倒しながら右膝を拳聖の顔面に添える。


「師匠!」

「があぁ……」


 拳聖は吼えながら、俺の拘束から逃れ距離を取り対峙するが、拳聖には最初の頃の余裕が無い様に見える。


「……恐ろしい攻撃じゃな。」

「まあ、元が元だからな。」

「まだ有るのじゃな?」

「ああ。」

「ならば、見せて貰おうか!」

「ああ、出し惜しみ無しだ!」


 しかし、やはり年だろう。

 少しずつ動きが衰え始めているな。

 それなら……


 俺と拳聖の攻防は更に続く中で、拳聖が一撃を放つその一瞬に最初で最後の唯一の「隙」を見せた。


 此処だ!


「がはぁ……」

「ウーティン師匠!」


 拳聖は、折れた右肘を包む様に左手で抑えていた。


「上級ポーションだ。」

「済まぬ。」


 (つい)でに、万が一を無くす為に、再生復元の治癒魔法(パーフェクトヒール)を無詠唱で掛ける。


「今のは?」


 俺は顔を反らした。


「まあ、良いか。それで聞きたい。今のはどういう『技』なのじゃ?」

「今のは、拳聖の右拳の攻撃をギリギリに躱して、外側から左腕を叩き込みながら顔面に一撃を入れた。その時に同時に右肘を折った。」

「……なるほどの。この試合は儂の負けじゃ。」

「ありがとうございました!」

「うむ。礼を忘れぬか。」

「当然だ。礼を忘れたならば、試合ではなく私闘になり下がるからな。」

「勝者ディーン!」


 審判の宣言で試合が終わると、ソアラ達が飛び出し、そのままソアラに抱き付かれた。


「ディーン様、素晴らしい試合でした。」

「ありがとう、ソアラ。」

「ディーン様。」

「どうした、リン。」

「ディーン様の、幾つかの攻撃に隠された殺人、いえ、人を殺す為の技術には、私は恐怖から身震いしました。」

「流石はリンだな。良く分かったな。」

「恐縮です、ディーン様。……しかし、もしかして?」

「ああ。本当はまだまだ有る。」

「……やはり。」

「さあ、殺伐とした話は終わりだ。」

「ディーン殿。」


 拳聖が話し掛けて来た。


「素晴らしい試合じゃ。しかし、何度か肝が冷えたわ。」

「拳聖への尊敬からだ。」

「……そういう事にしてやるのじゃ。」

「そういう事にしておいてくれ。」

「それで、この後はどうするのじゃ?」

「まあ、普通に街の散策をする予定だ。」

「そうか。では、またの。」

「ああ、またな。」


 道場で着替え終わると、俺達は街の散策を再開した。

 因みに、内容が「七つの龍珠」ではなく、「修羅な最後の後継者」じゃんと思っただろうが、魔力無しじゃ、リスペクトからの再現(オマージュ)は難しいんだよ!


 軽く食事をする為に個室の有る店に入り、注文した料理が来ると、リンやソアラだけではなく、ネイやリーナにサレナも加わって先程の試合の話で盛り上がった。


 そして、軽く食事をした所で散策を始めたのだが、俺達を監視する複数の気配を感じるな。

 俺としては、ソアラを悲しませたくないが、最悪の可能性も有るから慎重に見極める必要があるな。


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


今回の試合には、参考にした作品が2種類あります。

2種類目は、何でしょうか?

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[一言] さすがに無空波は厳しいですか
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