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賢明な判断だ。

ガチな試合が……

「俺の話を聞いていなかったのか?」

「だから、白金貨20枚を用意出来たら買い取りに応じてくださるのですよね?」

「ソアラ。そして、ミュガリア子爵、大丈夫なのか?」

「申し訳ありません、ディーン様。」

「申し訳ない、ディーン殿。」

「ソアリーラお姉様? お父様?」

「お前は、ディーン殿の話を聞いていないのか!」

「ダグラス。ディーン様は、『自力(・・)』で稼いだお金、と言ったのです。誰かに借りたお金では意味がありません。」

「しかもだ! そのお金も交渉の席、つまりは『入場料』だと言う事だ。」

「……え!?」

「つまり、ダグラスが誰にも借りずに、自力で稼いだ白金貨20枚を入場料として払い。その上で、サレナ殿を買い取る為のお金を出せ、と言っているのだ!」

「……そんな!」

「売る気が無い奴隷を買いたいと言っている以上は、市場の適正価格等は関係が無い。そして、奴隷サレナのご主人である俺が値段を決めても、誰にも文句を言われる筋合いは無い。

 更に言えば、子爵家の次男以下のお前が、俺自身が伯爵位であり、この王国の筆頭侯爵家の連なる(おれ)から、奴隷という財産を欲している以上は、それ相応の代価を払うのは当たり前の事だろう。違うか?」

「……」


 最初は、喜び応援していた同腹の姉も、現実を理解して諦めている。


「ダグラス……」

「チュリアお姉様。」

「家族を悲しませない為にも、諦めなさい。」

「でも……」

「最悪、家族全員が奴隷になっても?」


 いや、そんな事はしないぞ。

 本人には、きちんと責任を取らせるがな。


「分かりました。……サレナさんの購入は諦めます。」

「賢明な判断だ。」

「……う」


 我慢出来ずにダグラスは退席した。


「何度も申し訳ありません、ディーン様。」

「ディーン殿、愚息の躾が出来てなく申し訳ない。」


 一応は、「気にしていない。」と言って夕食会は終了したのだが、同腹の姉と同腹の長男が改めて謝罪に来たが、これも「気にしていない。」と言った。

 俺が、そう言った以上は、渋々引き下がったよ。

 本当に気にしていないんだけどな。


 ……まあ、ソアラの家族じゃなかったら、それなりの対応となり、最悪、デュラハン候補が出来ていたな。



 翌日、街の散策をする事にした。

 最初は、ソアラの師匠への挨拶だ。


「此処が、私の拳法の師匠が居る家です。」

「道場とかは?」

「街の外で、理論と実戦をしていました。」

「……まあ、とりあえず挨拶だ。」

「はい。……師匠、ソアラです。」


 少し待っていると、扉が開いた。


「おお、ソアラか。で、どうじゃった?」

「本選の決勝まで行けたのですが、負けました。」

「……そうか。まあ、何か隠している様だが、それ以上の事が有ったみたいじゃな。」

「はい。」

「して、此方の方々は?」

「奴隷である私のご主人様のディーン様で、リン達は私の冒険者仲間です。」

「……奴隷か。どうせ、ソアラの事じゃ。油断して罠に嵌められたのじゃろうな。」

「……うう。正解です、師匠。」

「じゃが、その後は善き出会いが有ったみたいじゃな。」

「はい!」

「ディーン殿……じゃったな?」

「ああ。」

「ちと、手合せをせぬか?」

「別に構わない。」

「それは重畳(ちょうじょう)じゃ。なら、付いて来い。」


 ソアラの師匠に付いて行くと、ちょっと古いが広い平屋に到着した。


「儂じゃ。」


 そう言うと、3分後に、中の人が現れソアラの師匠に頭を下げながら言った。


「ウーティン師匠、今日はどうされましたか?」

「ちょっと、面白い御仁と出会えたのでな。」

「分かりました。直ぐに、道場を空けます。」

「すまんな。」

「いえ、拳聖に教えを頂いているのですから、これくらいは当たり前です。」

「師匠?」

「お前さんが、王都に行ってから程なくして、全ての流派の源流の基礎を、な。勿論、ソアラにも教えてある。」


 そして、10分後には、道場にはその道場の門下生が周りを囲み、リン達も上座に座っている。

 俺は、自作した何も付与していない普通の武闘着……まあ、若干戦闘民族の『彼』を意識した外見をしている道着を着て、ソアラの師匠ウーティンと対峙している。


「また、明るい色彩の道着じゃな。」

「まあな。だが、尊敬する武闘家の装束だ。無様な姿は見せられないな。」

「そうか。(いまし)めじゃが、魔法使用の一切の禁止。身体能力のみじゃ。良いな?」

「ああ。」

「……良い眼じゃ。審判。」

「準備は良いか? 試合……開始!」

「……はあ!」


 数秒の沈黙の後、俺から仕掛けた。

 向こうは、隠居したとはいえ、この世界の「拳聖」だ!


 俺が「挑戦者」だ!


「しゃあ!」


 あの作品は、ほぼ打撃と「気」だけだから、技術的な「力」も求めて、あの「修羅な最後の後継者」からもオマージュした。

 まあ、他にもちょこちょこと、な。


 その結果は……


「ディーン様、凄い!」

「あの者の動きは何だ?」

「初めて見るぞ!」

「何処の流派だ?」



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