勇者セリオside―後編
力が100の人が「100」出すと100%
でも、力が10000の人が「100」出すのは……
鍛練相手が、僕達を睨みながら言った。
「良く聞け。人質を取られても武器は捨てるな。それは敗北を意味する。そして、人質は生きてこそ、双方に価値がある。だから、人質に多少の傷を負わせようとも、有無を言わせず即座に救出しろ。例え、手足が捥がれようと、教皇や聖女が居る。だから、人質を取るような屑の言葉を信じるな! 従うな!」
「「「「「「はい!」」」」」」
そして、向こうの騎士を倒した鍛練相手2人が帰って来た。
リアナが、最底限の回復魔法を人質2人に掛けると、向こうの敵が我に帰ったみたいだ。
「ま、まさか、人質を無視して配下を屠るとはな。」
「後は、お前1人だ!」
「どうやらヤーレを含め、オレ様の配下は全滅したみたいだな。だが、隠している部下が居るかもしれんぞ?」
「王都周辺なら、対処済みだ。」
「……くくく。もう良いわ。遊びは終わりだ! 四天王のギナハだ! オレ様自らが、踏む潰してくれるわ!」
四天王ギナハが本性を現した。
「皆、行くよ!」
「皆の命、私が支えるわ!」
「敵の攻撃は、全て防いでやる!」
「私が、あいつにダメージを与えてやるわ!」
「ファナたんと一緒にダメージなら任せて!」
「指示は私が出すわ。だから、セリオも敵1人に集中して攻撃しなさい!」
「はい!」
「死ね、羽虫が!」
激闘と言える戦闘は一進一退の互角の勝負が続くかに見えたけど、少しずつ「手数の多さ」が、僕達に有利に進んでいった。
そして……
「ルシア!」
「散らせ、氷雪凍結槍!」
氷雪で視界を奪い、触れる者を凍結させる氷の槍が、敵に突き刺さる。
「がぁ……」
「ダリス!」
「シールドバッシュ!」
ダリスの強烈な大盾からの突進で、先に刺さったままの氷の槍を更に深く刺しながら吹き飛ばした。
「ぐはぁ……」
「ファナ!」
「はぁーーー、双剣裂風爪!」
ファナは、助走して大ジャンプして、そのまま風属性を付与した双剣で十字の一撃を加えた後、着地と同時に双剣で乱舞した。
「が、ぐぎゃあああーーー!」
「リアナ!」
「祈りなさい、大天聖槍!」
「ぎ……」
「勇者セリオ!」
「邪悪を滅ぼせ、雷光剛竜剣!」
僕は、雷属性と光属性を剣に複合に付与して、助走して、跳び上がり頭上から全身全霊の一撃を叩き付ける。
「ぎぃ、がぁあああぁーーー……」
僕は残心しながら四天王ギナハを灰になり散るまで見た後、宣言した。
「僕達の勝利だ!」
僕は勝鬨をあげた。
「やったわー、セリオ。」
「セリオ、勝ったー!」
「やった、セリオたん。」
「勝ったな、セリオ。」
「見事です、セリオ。」
四天王ギナハに勝利したその後は、城内にも魔王軍の残党が発見されなかった事から、事情を知る者達との間で安全宣言を国王が発した為、落ち着いた。
そして、王都には、第3王女が病に臥せていたと説明して誤魔化した。
その後は、魔王軍から救ってくれた勇者セリオを讃える宴会が開かれ、数々の「私の娘を嫁にどうですか?」を何とか躱しながら無事に宴会は終了した。
結局、王城から出られなかった僕には、ディーンとの連絡を取りたくても何処に居るかも分からない為に出来ずにインペリアル王国に帰る事になった。
後、何故か偽装の筈なのに、第3王女レーナリア=フルナ=レジャーナ殿下だけは、最後まで会えなかったのは残念だったな。
10日後に、インペリアル王国の王城に到着した僕達は、今回の報告書を纏めた。
ただ、レイラさんの指示でディーンの事は書いてないし、言わない事にしている。
今回、ディーンはその辺りは何も言って来なかったけど、貴族というのは、色々な付き合いがあるから、良い事をしても秘密にしないといけない場合が有るって言っていたから、皆も了承して貰った。
そして、国王陛下への報告も、ディーンを抜きで通した。
こうして、僕達は魔王軍四天王の1人を撃破するという自信を手に入れたけど、その『自信』は3日後の鍛練開始で直ぐにポッキリと折られた。
鍛練相手の一段上の鍛練内容に変わって……
「やっと、力が1割から2割にする事が出来るわ。」
「……え!?」
「そうよねぇ。」
「正直、動いたって実感すら無かったわ。」
「……あのぅ?」
「何?」
「今までが、い、『1割』ですか?」
「そうよ。」
「さあ。これからは、2割で行くわよ。」
「……ひ、ひぃいあああーーー!」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
今更ですが、「乱舞」の意味が分かりますでしょうか?
とりあえず、「竜虎」「格ゲー」「乱舞」でググってみてください。
初期の「乱舞」が分かります。




