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単なる善意だ。

増える嫁……

しかし、恋愛感情付きは、ただ1人。

他の婚約者にも愛情は有るけど……

 こうして、お金の為に我が身を売り出した令嬢と婚約した俺は、契約に従いユーリの家が抱えるお金関係は全て精算した。

 (つい)でに、ユーリの弟妹(ていまい)の王立学園に支払うお金も先払いした。

 これには、契約書には無かった事だから、ユーリもかなり驚いていた。


「ありがとうございます、ディーン様。」

「気にするな。」

「しかし……」

「この王国の筆頭侯爵家と婚約した事で親類となったのだから、その家に問題が有るのは良くないからな。」


 そう言うと、ユーリの表情は暗くなった。


「……そうですよね。」

「……と、いう事にしておけ。単なる善意だ。」


 パッと明るい笑顔を向けるユーリは悪くないな。


「……ありがとうございます!」


 因みに、ユーリはまだ学園に通う年なのだが、必要な単位は全て習得している為に、学園に許可を貰い領地で借金返済に頑張っていた。

 更に言えば、ユーリには友人は多いが、その友人が出来る範囲の「善意」は既に受けている為に、もう最後の「家(爵位)が無くなったら泊めてあげるし雇ってあげる。」しか残ってなかったりする。

 だから、俺もそんなユーリの友人達にルミナスクラウドのハンカチを贈った。

 序でに、親父には「次代の優良株」としてユーリの友人達をリスト化して送った。


 ……そして、ユーリの友人達はパニックになった。


 何故なら、ユーリからの手紙には「良縁に恵まれ私は婚約しました。」という簡単な内容しか書かれていないのに、後日には「ルミナスクラウドのハンカチ」という貴族でも「超高級品」が届いたのだから。


 ユーリは王都の我が屋敷に居るのだが、ルミナスクラウドのハンカチが届いた当日中に全ての友人達からの返信が届き、内容は「どういう事か説明しろ、ごらぁー!」みたいになっていた。


 結果は……


「まさか、ユーリが、あのリーガル家のディーン様と婚約するなんて、ね。」

「……そうね。」

「あのユーリが……」


 手紙でお互いの都合を合わせ、我が屋敷に友人達が来たのだが、屋敷を見て1ダウンとなり、先に出迎えたのが我が王国の王女ディアで2ダウンとなり、そうなると、で俺とユーリ登場とユーリの着ているルミナスクラウドのフルオーダーメイドのドレスを見て3ダウンでノックアウトとなり、真っ白になる程に燃え尽きた友人達が居た。


 白状すれば、王女ディアを出したのは俺とディアの悪戯(いたずら)だったりする。


 今は、復活した友人達と楽しく会話をしている。


 そして、充分な会話と時間が過ぎた為に友人達は帰ったが、今度はユーリが俺に怒っていた。


「私には、『良いハンカチを贈った。』としか聞いていませんけど、ディーン様!」

「だから、『良いハンカチ』だろう。」

「ディーン様!」

「あははは。」

「笑い事ではありません!」


 うん。

 ユーリに友人が多いのも分かるな。



 数日後、親父の使いで懇意にしている貴族邸からの帰り道に王都一の奴隷館が見えたから、気まぐれで寄ってみた。

 そして、とある女奴隷の所で足が止まった。

 因みに、その女奴隷は、俺を見て固まっていた。


 何か、この「終わった……」って、表情を見た事が有るな。


 すると、館長が言った。


「この奴隷は、とある伯爵家の嫡男の専属侍女だったのですが、仕えていた家が伯爵から男爵に降爵した為に、解雇され巡りに巡る中、その間に貯まった借金返済の為に奴隷となった者です。」

「……思い出したぞ。」

「ディーン様?」

「良し! この奴隷を買おう。そして、奴隷環から奴隷紋の変更と服等も合わせて身嗜みを整えてくれ。」

「畏まりました。」


 そして、勉強不足なバカの所為(せい)で奴隷となった元専属侍女を衝動買いした。


 移動中の馬車の中では……


「どうして、伯爵家嫡男の専属侍女だったのが、奴隷になる程の借金が出来たんだ?」

「タート様を止めれなかったお前が悪いと言われて、私の給金だけではなく、実家からも搾取されたみたいで……」

「……そうか。」


 ……あの家の当主は潰そう。


「実家の方は大丈夫なのか?」

「はい。私が奴隷になる事で手に入ったお金で借金が返済出来ましたし、多少は残りましたので。」

「……借金苦で身体は売らなかったのだな。」

「はい。それだけは私の誇りが許さなかったのです。」

「そうか。」

「ただ……」

「ただ?」

「借金返済の為に、少し(くら)い所で働いていたのですが、何処かの伯爵家に仕える専属侍女が、華を売っているという噂を聞いた事があります。」

「大丈夫か、その伯爵家?」

「ただ、私も、立ち話の会話が耳に入っただけなので……」

「……気にするだけ時間の無駄か。」

「そうだと思います。」


 そして、馬車は我が屋敷に到着すると、何時ものようにメイド長に丸投げして、シルヴィアの入れた紅茶とお菓子でゆったりした。

 因みに、彼女の名前は「ナンジール=スハルジナ」から、「ジール」となった。




 ???side


「お待たせしました。準備が全て整いました。」

「うむ。」

「内容は?」

「四天王の頂点たるご主人様には足下にも及びませんが、屈強な魔族の戦士4と、その配下12と、雑兵が800でございます。」

「良く揃えた。」

「有り難き幸せでございます。それと……」

「それと?」

「やはり、ご主人様が出向くのはそれこそ言語道断です。

 そこで、ご主人様にとっては犬小屋の如く小さいですが、小国を支配下に置きました。」

「ほう。」

「適当に人族の首を送れば、己の不徳を恥じ、自ら首をご主人様に差し出す為にやって来るでしょう。」

「素晴らしい!」

「そして、獲物が自らの首を献上された後、帰られる時に獲物に餌を与えていた愚鈍な国を滅ぼすのです。」

「それでいこう!」

「はっ!」

「くくく……あーははははは……!」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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