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……命拾いしたな、サイラス。

あ、疲労回復のポーションが出ますが、不味くないです。

 俺は、この6人を俺専用の諜報員や暗殺者として育てる事を決めたが、表向きは俺専属の侍女やメイド候補だ。

 だから、昼間はメイド長に任せて、午前中は最初は読み書き計算を学び、午後からは掃除や洗濯に、礼儀作法を身に付ける毎日を送って貰う。

 そして、夜明け前の2時間前から、戦闘訓練を6人を転移してダンジョンで鍛えた。

 俺は、DP(ダンジョンポイント)を使って、疲労「だけ」は、取れるポーションをリン達に訓練後に飲ませたし、年は小学生の高学年なんだから、数時間もあれば回復するだろう。

 因みに、リン以外の名前は、セレナ、ミア、レイに、マコ、ミナだ。

 まあ、日本人なら「ん?」と思う名前が混じっているが、本当に偶然なのだから仕方ないだろう。

 それと、この名前は俺が付けた訳じゃないし、ゲーム中や公式資料にも、この5人は名前が出ていなかった。


「早朝訓練は終了だ。」

「「「「「「ありがとうございました。」」」」」」

「いつものポーションだ。それときちんと風呂に入って綺麗にするんだぞ。」

「「「「「「はい。」」」」」」


 まあ、ゲームでの本番は王立学園を卒業してからだ。

 今は、しっかりと基礎を身に付ける事が重要だな。

 俺がそんな事を考えている時、リン達はこんな事を話しているとは知らなかった。




 奴隷side


「ねえ、リン。」

「何、セレナ。」

「私達は奴隷として、買われたのよね?」

「そうよ。」

「確かに、毎日の勉強や習い事に、この早朝訓練はキツいけど、普通、こんな事を奴隷にさせないわよね。」

「確かにそうよね。」

「私達のご主人様は、何を考えているのかしら?」

「私にも分からないわ、ミア。」

「それにしても、ご主人様は何者なのかしら?」

「そうよね。知識の浅い私でも、この洞窟と屋敷を転移する事が出来るのと、四肢欠損の再生復元が異常だと分かるわ。」

「マコもそう思うよね。」

「ええ、ミナ。それに四肢欠損の再生復元は、世界でも3人しか出来ない筈だし、その3人の中にご主人様の名前は無いわ。」

「それでも、毎日3食昼寝に、お菓子とお風呂付きなんだから文句は言えないわよ、皆。」

「それは分かっているわ、セレナ。」

「そうよ。私達は奴隷よ。それを忘れてはいけないわ。」

「分かっているわ、リン。」




 ディーンside


 俺は、転移でリン達専用の部屋に送った後、シルヴィアに紅茶を淹れて貰い今後の事を考えていた。

 先ず、最初に脳筋サイラスだが、顔を付き合わすのは後1年間だけだ。

 卒業したら、騎士団入りと入寮が決まっているからな。

 それと、サイラスと遠距離恋愛中の婚約者は、1度しか会っていないが優しかったから、基本的には俺からは不幸にさせない様にしよう。


 ……命拾いしたな、サイラス。


 まあ、それでも近い日にサイラスをボコッて過去の憂さ晴らしはするけどな。


 次に、ゲーム内での(ディーン)のパシリであり、(のち)の勇者パーティーに入る「ダリス」は、どうしようか。

 ゲームではなく、リアルの俺にはリンも居るから必要は無いが、ゲーム的なストーリーが進まないかもしれないから、まあ「使う」か。


 それでリンだが、このまま俺の専属侍女候補として学園に連れて行こう。

 普通の異世界ラノベなら、ここでリンが奴隷で獣人族である事が原因で苛められる可能性が有るが、このゲームというか、この世界では、そんな心配はあまり無い。

 何故なら、連れて来る侍女や侍女候補の着る学園指定の服には、家の家紋を刺繍した紋章を縫い付けている。

 そんな侍女や侍女候補に何かすれば、その侍女や侍女候補を雇っている家に対して喧嘩を売っているのと同義だからだ。

 だから、最低限(・・・)だが、無差別は無い。


 それに、(うち)は侯爵家だが、裏側込みなら権力は公爵と同等だから、各家では、「リーガル家には手を出すな!」的な事を言われている筈だ。


 他にも考えていると、シルヴィアが朝食の時間を報せに来たから移動する事にした。


 食堂には、親父にお袋、可愛い妹シャルルに、脳筋サイラスが既に居た。

 俺は家族(1人除外)に挨拶を済ませ、食べ始め、残りはデザートの時に脳筋サイラスがニヤニヤしながら言った。


「ディーン。最近、奴隷ばかりを6人も買ったそうだな。」

「はい、サイラスお兄様。」

「全く、汚ない奴隷を近くに置くなんて信じられないな。

 しかも6人全てに、教育をしている上に、毎日3食も餌を与えるなんてな。」

「サイラス。」

「失礼しました、父上。」


 ……脳筋サイラス、今夜、拷問決定だな。


 朝食が終わった後は、それなりにバタバタしていた。

 何故なら、今日は中立派のトップが、「半年後に王立学園に入学するにあたり、同年代同士で親交を深めよう。」と言い出したからだ。

 本来なら、行く義理は無いが中立派のトップは、この国の宰相だから、無視するのはデメリットとリスクしか無い。

 そうなると、該当する家は対象の子供を出席させるだろうから、俺が出ない訳にはいかない。

 まあ、宰相も裏側では何かしらの思惑はあるだろうがな。


 ……それにクリスのドレスアップした姿も見たいしな。


 そんな訳で準備も終わり、時間が来たから宰相の屋敷に向かって出発した。



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