……涙が止まらねぇ。
久しぶりの登場だ。
悲恋の子爵令嬢。
クリス達に新婚約者の事を話した後は、5日程休暇と夜の勉強会を楽しみ、6日目にヴィクトリアが突然アポ無しで来て言った。
「名誉騎士団長を辞めて来た。今日からずっと一緒だ。」
「「「「「「はあ!?」」」」」」
「失礼します。ディーン=フォン=リーガル様、及び婚約者の方々、申し訳ありません。私、ヴィクトリア=スエナ=イセニリシルム様の専属侍女の『ラケール』です。ヴィクトリア様に代わりご説明させて頂きます。実は……」
まあ、結局はヴィクトリアの言う通りで、皇太后と母親から許可したという書類を貰い、それを総騎士団長に見せ、名誉騎士団長の退職許可を書類と一緒に貰い、その2種類の書類を宰相に見せて名誉騎士団長を正式に退職出来た事で荷物を纏め、我が屋敷に来たみたいだ。
……ヴィクトリアの部屋はディアの隣となったのだが、部屋の室内の景色が貴族令嬢から、他の誰の部屋よりもメルヘン乙女チックな部屋に変わってしまった。
まあ、良いけど。
さて。
折角の王都だから、どうしようか?
「ディーン様。」
「何、アナスタシア。」
「最近、王都では恋愛観劇が流行っております。婚約者の方々と行かれてみたは如何ですか?」
「良い提案だよ、アナスタシア。」
「ありがとうございます、ディーン様。」
「それなら、10人用の貴賓席を予約してくれないか?」
「ディーン様、流石に10人用は取り過ぎでは?」
「シルヴィアとアナスタシアの分だよ。」
「「え!?」」
「流石に貸し切りだと、その日にしか行けれない人が居たら悪いからな。」
「しかし……」
「命令だ。」
「……畏まりました。」
「ソアラ、リーナ。」
「「はい、ディーン様。」」
「悪いけど、アナスタシアの護衛よろしくな。」
「「はい、畏まりました。」」
1時間後に帰って来たけど、どうやら予約が取れたみたいで、日付けは3日後の午後6時となったようだ。
因みに、公演開始時間は午前9時と午後1時に、午後6時となっている。
一回の公演が約2時間だ。
俺達は、ルミナスシリーズ専用のドレスルームに移動する事にした。
さあて、観劇に合わせてルミナスクラウドの新作ストックからどれにしようか?
勿論、クリス達にも新作ストックは沢山有る。
シルヴィアとアナスタシアには、ルミナスシルクの子爵令嬢verにしよう。
さあ、シルヴィアとアナスタシアよ!
この中から好きなのを選べ!
「「いえ、私は……」」
「命令。」
「「……畏まりました、ディーン様。」」
「2人共、きちんと選ぶようにな。」
「……あの……」
「どうした、アナスタシア。」
「ディーン様にお願いがございます。」
「何だ、言ってみろ。」
「これ程の御寵愛をディーン様から頂きながら不敬ではありますが、是非もう1人加えてもよろしいでしょうか?」
「誰を?」
「……オフィーリナです。」
「どうしてだ?」
「オフィーリナは、実は観劇鑑賞が好きなのです。」
「そうなのか?」
「はい。」
「分かった。リン、オフィーリナを呼んでこい。」
「はい、ディーン様。」
5分後に来たオフィーリナに説明して、ルミナスシルクの子爵令嬢verから好きなのを選ばした。
勿論、アナスタシアに感謝していたし、観劇鑑賞に行ける事を喜んでいた。
それから前日まで、参加者全員の美貌に磨きを掛けた。
リン達冒険者組もな。
当日の午後6時の公演に合わせ、俺達は馬車3台で来た。
1台目は、俺、クリス、リーラ、ソフィア。
2台目は、ディア、フェリ、ヴィクトリア。
3台目は、シルヴィア、アナスタシア、オフィーリナだ。
リン達冒険者組は、各馬車に分けて御者席と後部座席に居る訳だが、服装は「男装の麗人」少女verだ。
勿論、ルミナスシルクを使っている。
リン達も一緒の場所で観るけど、護衛として来ているからドレスは無しとなった。
一応勧めたが、頑固に断れた。
まあ、日を改めてリン達と行く事にしよう。
その時は、白銀の光翼も喚ぶか。
分かっていたけど、目立つな。
まさに「何処の大貴族様だー?」みたいな感じだろうな。
実際に大貴族と言える筆頭侯爵家だし、王女も居るし、公爵令嬢に伯爵令嬢に子爵令嬢まで居るしな。
それにまだ、男が複数居れば良かったが、野郎は俺だけだから尚更目立つ結果になっている。
いつまでもクリス達を晒す気になれなかった俺は、さっさと会場入りをした。
その時には、忘れずに「言付け」、要するに寄付を渡している。
ちょっと見栄を張って15枚入れた袋を渡した。
……白い金貨を、な。
普通は、伯爵以上でも金貨10枚ぐらいだな。
公演が始まった。
前評判では、かなり涙を誘う名作らしい。
楽しみだな。
……涙が止まらねぇ。
クリス達は勿論、リン達ですら泣いている。
確かに、名作だ!
当然といえば当然だ。
しかし、だ!
関係者に必ず隠れ転生者な上にアニヲタが居る!
……だ、誰が、一体、誰がぁ……
CLAN○ADのafterストーリーまでの「貴族世界ver」を考えたーーー!!!
おい!
脚本家を呼べ!!!
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
あのアニメに泣かない人は居ないと想いたい!




