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セレス達、全員を向かわせた。

ちょっと過保護な主人公。

「……う、ぅん。……っは! 此処は?」

「リーナの部屋(仮)だよ。」

「その、かっこかりって、どういう意味よ?」

「一応、この部屋をリーナの部屋と決めたけど、リーナが拒絶すれば選び直しだからな。」

「……分かったわ。この部屋にするわ。」

「良いのか?」

「私は、奴隷の待遇を学んだわ。それから見たら、破格の待遇だもの。私からの拒絶は有り得ないわ。」

「良かった。後、リーナは俺達と一緒に冒険の旅をして貰うから、そのつもりで。

 この部屋の右隣がダークエルフのネイの部屋で、ネイの右隣の部屋が猫人族のリンの部屋だよ。何か聞きたい時は、リンに聞いてくれ。」

「分かったわ。それで、私の服を変えたのは誰?」


 そう言って、此方側が用意した服を見て、俺を睨んだ。


「……メイドだよ。」

「分かったわ。」


 本当は、冗談で「俺が着替えさせた。」と言いたいが、クリスとリンが見ているから言えない。


「紹介するよ。俺の第1婚約者、つまり未来の正妻のクリスと、リーナの冒険者仲間で、俺の専属侍女のリンだ。」

「初めまして。私が、ディーン様の第1婚約者で未来の正妻の、クリスティーナ=ヴァル=キュリアスよ。」

「初めまして。冒険の時は仲間となるディーン様の専属侍女のリンです。」

「初めまして。リーナよ。よろしくね。」

「ディーン様、クリスティーナ様。先ずは、リーナの言葉使いを調きょ、いえ、指導したいと思います。」

「今、調教と言ったでしょう!」

「いいえ。」

「リン、後は頼む。」

「はい、お任せください。」

「ちょっと待ちなさいよ!」


 俺は、一旦自分の部屋に戻った。


 因みに、数日後のリンの報告では、リーナは思っていた以上に頑固で、何とか公式の場では改めさせる事が出来た、と聞いている。

 そして、後追いでリーナも、午前中はメイドとしての教育を、午後からは我がダンジョンで戦闘訓練を始めた。


 さて、俺は一応、勇者セリオが主人公の場合の時間軸で考えている。

 まあ、俺が主人公のルートかもしれないが、現実(リアル)だから分からんからな。

 それで勇者セリオルートで考えて動こうと思う訳だ。

 何故、こんなネタ振りをしたかと言うと、時期的にはそろそろ騒動が起きる筈なんだよな。

 魔王の部下で、プライドが無駄に高いだけの小悪党が、人族の心の邪悪な部分だけを増幅させる魔道具を王都に放つのが。

 それに因って、先ずは王都のチンピラが凶暴化し、次に闇ギルドとかが暴走を始め、最終的には国王が暴君となり、他国を制圧する為の戦争を始める。

 ……って訳だ。


 《報告。要警戒区域に指定された場所に、闇属性の魔道具が運び込まれました。》


 ……へ!?


 報告に誤りは無いか?


 《ありません。》


 ダンジョンマスターから、王都の我がダンジョンモンスターで名前付きに命令。

 屋敷に居る者以外は、全て周りに混乱を発生しないように注意しながら、要警戒区域を包囲せよ。

 更に、闇属性の魔道具を持って来た者を監視せよ!

 そして、セレス、アリア、リリス、クラマ、ヒオウ、ブラグ、エルザ、ティエラ、ルクス、シモン、……来い!


「召喚に応じて参上したであります。」


 セレスが代表して挨拶した。


「お前達を呼んだのは他でもない。要警戒区域に不審者が現れ闇属性の魔道具が発動される可能性が出た。因って、要警戒区域には一切の物理的、魔法的な被害を出さずに処理する。」

「何が有ったんだ、旦那様。」

「アリア、問答する時間も惜しい。俺も直ぐに行くからお前達は先に行け!」

「「「「「「「「「「は!」」」」」」」」」」


 俺は怒りと焦りに心がいっぱいになりながらも、適当な理由を考え、手紙を書き先触れを出して、俺自身とクリスの準備を整え出発した。


「ねえ、ディーン様。」

「何、クリス。」

「どうして、急に私の屋敷に行くの。」

「いや、以外とクリスの屋敷に行っていないなぁ、と思ったんだ。それに、やっぱり都市リーガルに居るとクリスもクリスの両親に会い(にく)くなるだろう。」

「……ディーン様。」

「何、クリス。」

「何を隠しておられます?」

「クリス?」

「私は、ディーン様の幼馴染みであり、将来のディーン様の『正妻』です。」

「……やっぱり、クリスは俺の『最推し』だ。」


 ヤバ、つい口が滑った!


「最推し?」


 誤魔化さないと……


「クリス。」

「はい、ディーン様。」

「俺がダンジョンマスターなのは知っているね。」

「はい。」

「そのダンジョンの能力を使って、クリスの王都での屋敷を重要区域に指定していたんだ。」

「重要区域に指定?」

「ああ。クリスの両親は、俺にとっても両親だからね。」

「……ディーン様。」

「だから、今回、その指定する事で、屋敷に危険性のある『何』が運び込まれたんだ。」

「……そんな!」

「大丈夫だよ、クリス。規模的には国王暗殺未遂並みの配備をしているから。」

「……どういう事ですか?」

「セレス達、全員を向かわせた。」

「……」

「だから、今頃は、不審者を拘束していると思うよ。」


 まあ、クリス達には、セレス達の実力を教えているから、信頼しているが、不安になっているだろう。

 セレス達の誰か1人だけでも、破壊のみを目指した場合は、遅くとも3時間後には王都が荒野と化す。

 王族を守る騎士とか関係無く、な。


 《報告。ブラグを先頭にセレスとシモンが要警戒区域に入り、指定された存在「魔族」を拘束し、闇属性の魔道具はシモンが押収しました。及び、要警戒区域周辺に居た魔族は、アリア達に因って拘束しました。要警戒区域の住民全てに対して負傷等は負った者はおりません。》


 ……良し!


「クリス、報告が上がったよ。」

「それで、両親は?」

「大丈夫だよ。誰も怪我をしていないって。」

「……良かった。」

「着いたみたいだ。」


 俺とクリス、リンとネイが馬車から降りる。



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