命令だ。正直に答えろ!
リアルでも、お手付きは有ったと思います。
クリスが加わった誕生日会は、凄く楽しくて温かい気持ちでいっぱいになったけど、ソレが奪われた時の恐怖もまた俺の心をいっぱいにした。
……だから、その「大切」な今と未来を守る為なら、過去の宝物さえ汚そう。
それから数日後の夜、俺は部屋にシルヴィアを呼び出して聞いてみた。
「シルヴィアは、異性として見ている男性は居る?」
「いいえ、居ません。それにディーン様の専属侍女としてお仕えしていますから個人の感情は控えています。」
「……そうか。それなら、俺の大人になる為の勉強に付き合ってくれないか?」
「……! 畏まりました。既にこの時間に呼ばれましたので覚悟は出来ております。」
「シルヴィアが拒絶しているのなら、別に相手をしなくても良いんだよ?」
「大丈夫です、ディーン様。」
本心を知りたい俺は、強く言った。
「命令だ。正直に答えろ!」
「はい、ディーン様。不肖シルヴィアが、ディーン様のお相手を心から務めさせて頂きます。」
「本当に良いんだな?」
「はい。」
俺は、外部に音が漏れない様に、部屋には遮音の魔法を掛け、シルヴィアを相手に大人の勉強を始めた。
……シルヴィアは「初めて」だった。
シルヴィアの「初めて」を貰えて嬉しかった俺は頑張った結果、シルヴィアは気絶した。
俺は洗浄を掛けてシルヴィアとベッドを綺麗にして、寝顔を見ていると、目が覚めたみたいだ。
そして、シルヴィアは何をしたかを思い出して頭から鎖骨辺りまで真っ赤になっていた。
そして、シルヴィアはやっと本心を話してくれた。
シルヴィアの初恋は、かなり遅くて相手は年下のいつも近くに居る少年だと言った。
……俺だよな。
だからシルヴィアは頬を赤く染めて言った。
「私は、初恋の人と結ばれて嬉しいのです。」
「そっか。それは俺も嬉しいよ。」
そして、俺は最後の1回戦は甘々な内容にした。
それと終わった後、避妊薬を渡した。
勿論、シルヴィアも理由を分かっているから、普通に受け取り避妊薬を飲んだ。
この後、シルヴィアに今後の金銭的な事も含めた待遇をきちんと話した。
例えば、避妊薬を飲んだが俺の子を宿した場合は、きちんと養育費を払うと伝えたし、日本で言う育休を認めると話した。
あれから数日後に、俺は考えていた。
この世界がゲームに酷似しているのなら、ゲームの主人公達が居る筈だと。
確か、主人公は希少な光属性の魔法が使える事で、特別に学費免除で王立学園に通う事が許され、俺と同じ年だった筈で「勇者パーティー」のメンバーが王立学園に通う中で揃う事になり、ゲーム内の最初から用意された主人公の名前は「セリオ」だったかな。
1人目のヒロインは、主人公と同じ村の幼馴染みで、最初はかすり傷程度しか治癒出来なかった為に、神殿の聖女候補には入らず主人公と共に過ごす中で力を上げていき、11歳を過ぎた頃には勇者パーティーの回復役になれるだけの実力を身に付けていた。
主人公が王立学園に通う事になり、両親の反対を押し切って付いて行き、王都で宿屋をやっている主人公の叔父のお世話になる。
勿論、主人公も叔父の宿屋で暮らす事になっている。
そして、主人公は毎日の生活費を冒険者となって、自力で稼ぐ事になるが、この毎日が主人公の強さに繋がっていて、当然、一緒に付いて行く第1ヒロインも成長する事になる。
そして、光属性以上に希少な聖属性魔法に目覚める。
因みに、第1ヒロインの名前は「リアナ」だ。
蛇足だが、リアナが宿屋で働いている間はスタイルは「ストロー」だったが、主人公が王立学園を卒業する辺りから胸部装甲が急成長を果たす。
とある学園都市の第5位みたいな胸部装甲になる。
2人目のヒロインは、王立学園に通うマレンハス伯爵家の三女で名前が「ファナ」で男勝りの脳筋だが、自身の恋愛はヘタレ。
そんなんだから、自分には剣しかないと思っていて、最初は主人公に絡むのだが、とあるイベントで主人公と決闘する事になり、これが切っ掛けで第2ヒロインになる。
スタイルは、ゲーム内通じてスレンダーのままだ。
因みに、速さ重視の双剣使いだ。
3人目のヒロインは、王立学園に通う主人公より学年が1つ上で名前が「ルシア」でロギンブ公爵家の次女だ。
その才能を認められ授業免除で特別に研究室を用意され魔法の研究に明け暮れている。
最初は、主人公の希少な光属性の魔法の興味だけで接していたが、次第に主人公に惹かれる様になり、第3ヒロインになる。
当然、パーティーでは後衛の魔法攻撃担当だ。
因みに、少し幼児思考でゲーム中に於いて、身長も合わせて身体の成長は見込めない。
オマケとして、後に主人公の親友でホーミヤ子爵家の次男で名前が「ダリス」で、パーティーではタンクを担当している。
最初は主人公に嫌がらせをしているのだが、河川敷で夕陽を背景に拳で語り合い、仲間になるというストーリーになっていて、ゲーム内の俺のパシリだったりする。
そして、ダリスが切っ掛けで、ゲームでの俺が表に出る原因になっている。
更に言うと、強くてニューゲーム5周目でダリスには遠距離恋愛中の美少女な婚約者が居る事が判明する。
5周目に辿り着いたユーザー全てが、お笑い担当のダリスの秘密に驚愕したな。
俺もその中の1人だった。
主人公達の事を考えていると、親父が呼んでいるとシルヴィアが伝えに来た。
親父が居る執務室に到着した俺はノックをする。
「入れ。」
「失礼します。」
「ディーンを呼んだのは他でもない。王立学園に通うにあたり、もう1人専属侍女候補を付ける事が出来るのは知っているな?」
「はい。男爵家と子爵家は専属侍女1人だけですが、伯爵家以上は従来の専属侍女の他に、専属侍女候補を、もう1人付ける事が許されているのですよね。」
「そうだ。そこで、ディーンには、専属侍女候補を自力で探して貰おうと思っている。」
「何故ですか?」
「それは……」
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