……やらないとダメ?
小さなネタばれが……
あの文化祭での騒動から、数週間が経ち、俺は表裏で色々と動いた。
表では、「ルミナスシルク」の次なる商品を発売した。
まあ、美容ポーションの主原料となる薬草の発表で、勿論、我がダンジョンから採れる薬草だ。
当然、ルミナスシルクと同じ階層で同じ条件(条件外だと枯れる)という鬼畜仕様にしてあり、発表と言っても何処で入手出来るかは、また秘匿している。
そして、既に美容ポーションを送っていた所には、無料で必要数を届けている。
他の連中は高額な代金が必要だ。
それと、以前、俺やクリスの悪口を言った奴らには売らんし、その事を、その奴らの夫人や娘にはバラしている。
勿論、学園の中にも居たから、その母親や姉妹にもバラしている。
……ざまぁ!
裏では、都市リーガルや王都の冒険者ギルドにスパイ、つまりは、ダンジョンモンスター「サキュバス」を潜入させた。
これで、物理的な利用が出来る。
重要文章の改竄とかだな。
後、クリスの実家の領地もダンジョンの支配領域になったから、安全になった。
直ぐに、領主の館、要するにクリスの実家は「要警戒区域」に指定した。
当然、王都のクリスが住む屋敷同様に、レイス系が警備をしている。
……と、個人的にはこんな所だ。
さて、時期的には「秋」なのだが、我が王国はお祭り騒ぎになっている。
実は、帝国の次代の聖女こと、第3皇女「フェリシア=テリア=エルドーリア」殿下が我が王国に来る、と言うのだ。
まあ、戦争になれば、国王が知っている軍事力だけだと帝国に負けるからな。
既に、次期聖女として大陸に名を轟かせている皇女様が何故、来るのかは分からないが、来る以上は対応しないといけないのが現実な訳だ。
……やらないとダメ?
……はい、やります。
決定しました!
来るべき日の皇女殿下のホスト兼護衛、つまり、直接に対応する役目を俺が背負う事になりましたよ。
……チクショウ!
この訪問は、ゲームでは時期は違うがイベントとして存在している。
この時に、フェリシアは奴隷であるセレナ達と出会い、購入するのだろう。
まあ、俺が既に買ったがな!
それから、手持ちのダンジョンの全てのDPを使って、国境までの帝国に繋がる街道と泊まる予定の都市や街の領主館を支配領域にした。
そして、俺は帝国側の国境の関所で帝国側の使者と挨拶をして、帝国の馬車の中で皇女殿下の相手をしている。
「クリス様は可愛らしい方ですね。」
そうなんだよな。
幾ら何でも、お互いにガキとはいえ、相手は皇「女」だから、俺だけでは対応出来ない状況も有り得る為に、俺の婚約者クリスに白羽の矢が当たった訳だ。
花摘みや浴場とか、な。
「そんな、可愛らしいなんて。」
皇女フェリシアの営業トークに赤面して恥じらうクリスは、真実可愛らしいが、皇女にとってはリップサービスだからな、クリス。
まあ、本当にリップサービスなら、まだガキとはいえ、油断出来ない策士とも言えるな。
訪問の真の目的を多重のオブラートに包んで聞いているが、流石は帝国の皇女で、今の所は躱されている。
そして、到着した都市の領主館で会食兼昼食が始まった。
因みに、皇女殿下は、俺の肩に当たる程近い位置に座っている中で、和やかな場での会話に、皇女殿下がどさくさ紛れに俺の手を両手で包む様に握った。
すると、紙の感触がある。
「やっぱり、そう思いますよね、ディーン様。」
「……少々お待ちを。フェリシア皇女殿下、今、何かを持たせませんでしたか?」
「……え!?」
完璧に出来ていたと思っていたみたいだが、帝国側の護衛騎士で最高責任者のゴメスが「待った!」を掛けた。
「フェリシア皇女殿下、大変申し訳ありませんが、そのまま動かないで頂きたい。」
「あ、あの、……その、……えっと……」
皇女殿下の「何か有ります」をバラしている状態の中、最高責任者のゴメスの指示に従い帝国側の侍女が「失礼いたします。」と言って、皇女殿下と俺の手を改めた。
「「え!?」」
疑問の声は、皇女殿下と侍女が同時に上げた。
「何もございませんでした。」
「……分かった。フェリシア皇女殿下、不躾な不敬をお許しください。」
「不問にします。」
「寛大な御慈悲、ありがとうございます。」
当然、手の内だから、異空間収納に仕舞いましたが何か?
途中から、疑問符で頭が一杯の皇女殿下を置いて会食兼昼食は終了した。
その夜、俺は皇女殿下の部屋に忍び込んだ。
「来て頂けたのですね。」
「……」
「あの手紙が手の中から消えたのは驚きましたが、こうして来てくださったという事は、手紙を読んで頂いたと思って良いのですよね?」
「……はぁ。内容が『死にたくない。助けて!』じゃなければ来なかったんですがね。」
「信頼を得る為に申しますが、私には制御が出来ませんが、予知能力を持っています。」
「!?」
「その予知の結果、ディーン様が居ないと、私は亡くなると出たのです。話せる部分だけになりますが、私が死ぬ時に、ディーン様が助けに入ると助かるみたいなのです。」
……マジか!
そう言えば、確か~……!?
思い出した!
前世で、近々、大型アップデートすると告知していた!
俺、その前に死んだみたいなんだよな。
そんで、内容が、主人公の行動次第で、ヒロインの1人の運命が決まるとなっていたな。
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