事件が発生した!
ゲームだと、やっと本章が始まる所ですね。
あれから、ルミナスシルク騒動は鎮まり、次は、学園での所謂「文化祭」の時期になった。
そして、文化祭の内容だが、主に「騎士倶楽部」が模擬試合をしたり、「乗馬倶楽部」が障害物競走したり、「台上遊戯倶楽部」が、チェス等の大会を開いたり、「聖歌隊倶楽部」が、音楽室で合唱をしたりしている。
後、平民の方は、冒険者になった者が中心になって、オーク肉の料理を販売している。
去年は、生徒会会長のクイングラ公爵家の嫡男からの要請で、筆頭侯爵家の者としてクリスと一緒に治安維持の為に見廻りをしていた。
一番多かったのは、貴族と平民とのトラブルだ。
無理で横暴な要求を通そうとする貴族が多く居て、俺達は学園中を歩き廻った。
今年は、俺に要請出来る立場の学生が居ないからクリス達とゆっくりするつもりだ。
……にも、関わらず、変装したセレンディア王女殿下が来たり、皇太子と皇太子妃が来たりと大変な騒ぎになった。
俺達は駆り出され対応した。
変装したセレンディア王女殿下は、クリスとリーラが対応して、俺は、皇太子と皇太子妃の対応に回された。
……そして、来て欲しく無かったイベント、いや、事件が発生した!
なんと、騎士倶楽部の大会会場に「魔王」の部下を名乗る「魔族」が現れた!
「既に、偉大なる我らが魔王様の封印は解かれた。
因って命令を下す。
今直ぐに、偉大なる魔王様に隷属せよ。」
まあ、当然「ふざけるな!」となり、戦いが始まったのだが、未来の騎士候補や常駐している衛兵(騎士)も歯が立たないときている。
善戦しているのは、平民の冒険者ぐらいだ。
とりあえず、俺は騎士倶楽部の連中や衛兵達(騎士)が戦っている間に、皇太子と皇太子妃にいつか使おうと思って準備していた変装用の服を上から被せて避難させた。
大会会場に戻ると、回復担当が不在だが未来の勇者メンバーが揃っていて奮闘していた。
しかも、長期戦は不利と判断したのか、魔族相手にかなり強気で攻めている。
俺の真の実力を知られる訳にはいかないから、セリオ達からは死角の位置で観戦していると、致命傷に近い一撃をセリオは受けてしまった。
まあ、魔法誓約書に記入でよいかと思って、出ようとすると、ゲームでいう所の「勇者、覚醒!」のシーンがリアルで始まった。
ゲームだと、確かに、この場面で覚醒するが本当に、覚醒するとは正直、思っていなかった。
しかし、覚醒した。
セリオが覚醒した事で、セリオの強さは正に桁違いになる。
どれ位の桁違いかというと、界王○10倍と、金色ver1くらい違う。
それ程のインフレが発生した結果、セリオ達未来の勇者メンバーは魔族相手に勝利を納めた。
まあ、魔族の方も……
「喜ぶのはまだ早いぞ。オレなど、魔王様の下僕の中では『名』すら与えられていない存在なのだからな。」
……そうか。それでゲームでは、表示が「魔族」としか出ていなかったのか。
そう魔族が言うと、命の炎が消えて灰となり散った。
後の処理は、面倒臭い事は学園が担当して、俺も皇太子と皇太子妃を守り安全に避難させたという事で、表彰された。
そして、セリオ達未来の勇者メンバーは、魔族を討伐した事と、勇者の証明の「聖属性の魔法」を使える様になった為に、魔族討伐も含めて、国王から正式に「勇者」として認められ、会場に居なかったリアナを含めた他のメンバーにも勇者の仲間の証の「紋章」が右手の甲に現れた。
まあ、この辺はゲームらしい展開だよな。
更に、セリオ達は封印が解かれた魔王を討伐する為の鍛練をする為に、全員が王城で暮らす事になった。
そりゃあ、本当にゲームじゃあるまいに、13歳やそこらの「ガキ」に「魔王を討伐せよ!」と、送り出さないよな。
因みに、ゲームでは、聖属性の攻撃魔法か聖属性が付与された武器じゃないと、魔王は「封印」すら出来ない事になっているから誰かが考える「大陸全ての戦える者達の総力戦なら勝てるんじゃね?」は、通じない。
……多分。
最悪、封印すれば最低限の成果になるから、貴重な青春時代を潰す事になるけど頑張れ。
その後は、大陸を救った「勇者様」としてチヤホヤされるから、励んで欲しい。
俺達の2回目の文化祭は、これにて強制終了した。
それから、とても残念な事が発生した。
実は、平民が毎年出すオーク肉の料理を、今回も期待していたんだがなぁ。
意外と旨いんだよ、コレが!
あれ以降は平穏な日々が表側では、なっていた。
裏側では、魔王の封印が解かれた事に因る様々な対応に迫られ、我が国の国王を始めとした各国の責任者達が右往左往しながら動き、対処に四苦八苦している。
……魔王の封印が解かれたという事は、あの娘が動いて「運命の歯車」が回り出した事を意味する。
まあ、セリオとリアナには辛い未来が待っているが、それを乗り越えて頑張れ!
???side
全く、あの2人が居なくなると、家の仕事や、村の仕事ばかりで退屈だわ。
だから、あの2人も含めて全員が反対した「森」に行ってみましょう。
……あら、森に出現するモンスターに遭遇しないわ。
それに、何か声がするわ。
声のする方に行ってみようかな?
「あれ、此処は?」
気付けば、私は森の奥の知らない洞窟に居た。
そして、洞窟の奥に進むと、凄く安心する感じがする神殿みたいな物が作られた場所に到着した。
「これは何だろう?」
神殿みたいな物で作られた場所で、最も見栄えの良い場所に、綺麗な水晶の玉が置いてあったわ。
私は、思わず手に取ると、いきなり水晶はひび割れ霧散して、凄く安心する感じから、凄く嫌な感じがする場所に変わってしまったわ。
「何? 何がどうなったの!?」
私が混乱していると、何故か私の頭の中で知らない男性の声が聞こえたわ。
『よくぞ、我が封印を解いた。褒美に、これから世界の崩壊を特等席で見せてやろう。』
「私の頭の中で喋っているのは誰?」
『そうだな。最初の褒美として教えてやろう。我こそが、世界の真なる支配者の魔王なり!』
「……魔王!?」
『そうだ。お前が居た場所は我が封印されし場所。それをお前が我の封印を解いたのだ。』
「……そんな!」
『ふはははは! これから、世界の真なる支配者の我である魔王の時代が始まるのだ!』
……誰か助けて……
……セリ……兄ちゃん……
……リ……ナ姉ちゃん……
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
彼女だから、あっさり封印解除していますが、他の誰であっても洞窟を見つける事すら困難です。
現聖女で、やっと方角が朧気に分かる程度です。




