ディーン様、大好きです。
実はまだ……
それと、政治的な思惑と、まだ子供な娘の交流、という事で、派閥の壁を越えて友達になっています。
「クリス、大丈夫か?」
「ディーン様。」
「クリス、大丈夫?」
「大丈夫よ、リーラ。」
一応は、クリスにも、社交界の「暗い部分」を自身で解決出来る様にと、思って見ていたが、我慢出来ずに乱入した。
「クリス、此方の方は?」
「リリナとは初対面だったわね。此方はルーギンス公爵家の令嬢リエスリーラで、私と同じくディーン=フォン=ルナフィリア様の婚約者よ。」
「初めまして。ワセルダ侯爵家が次女のリリナ=マリス=ワセルダです。」
「初めまして。ルーギンス公爵家が次女のリエスリーラ=デリス=ルーギンスです。」
因みに、クリスとリリナは学園では違うクラスだが、仲良くやっていると話を聞いた事がある。
そして、説明が終わると、リリナも青ざめた。
「……ルミナスシルクのフルオーダーメイド!?」
「……リリナ、ごめんなさい。」
「お姉様。私に謝れても……」
「そうだったわね。改めて謝罪するわ。クリスティーナ様、申し訳ありません。」
充分に心が籠った謝罪だった。
「……ディーン様。」
「とりあえず、別室に行きましょう。既に、ワセルダ侯爵家には使いを出していますから、直ぐに来られるでしょう。」
「……分かりました。」
会場の方は、後は時間まで楽しく過ごすだけだから、問題無い為に会場を後にした。
待つ事、30分後にワセルダ侯爵が別室に到着した。
「キャラリア!」
「お父様、申し訳ありません。」
「詳しい説明を。」
「……はい。」
ルミナスシルクの糸自体は、俺なら銅貨1枚で充分なのだが、製品となると、白金貨2桁オーバーだからなぁ。
預金通帳には「1500万」あったのに、弁償で「1499万」が支払わされる所をご想像ください。
「……何という事だ……」
「……ごめんなさい。」
「先ずは、謝罪だ。クリスティーナ嬢、申し訳ない。必ず弁償する事を約束する。しかし、近日中に支払いたいが、少し待ってて欲しい。」
「……ディーン様。」
「ワセルダ侯爵、少しよろしいですか?」
「何だ?」
「お父様! 此方の方はリーガル侯爵家の三男で、クリスティーナ様の婚約者のディーン様です!」
「……え!?」
ルミナスシルクのフルオーダーメイドの弁償で、俺の事が頭から消えていたな。
「初めまして……ではないですね。数年前に一度、父に付いて行った時にお会いしたと思います。」
「……そ、そうだったな。」
「……さて。本題に入ります。此方としては、幾つかの条件を飲んでくだされば、クリスのドレスを弁償しなくても良いと考えています。」
「ディーン君、本当かね!」
「はい。その条件とは……」
「……分かった。その条件を飲もう。」
条件を簡単に言えば、第2王子派閥の中で慎重派となり、最終的には中立派か、皇太子派になる事と、リリナの将来を大切にする事を約束させた。
「確認したいが、本当にそれで良いのか?」
「ええ。特に最後の条件が最重要です。」
「……そうか。ディーン君の婚約者クリスティーナ嬢への溺愛は有名だったな。」
「はい。リリナ嬢が不幸になれば、婚約者のクリスが哀しみますから。」
「……はは。分かった、約束しよう。」
ワセルダ侯爵家が退室した後、俺は洗浄を掛けて、クリスのドレスを綺麗にした。
まあ、口約束だけど大丈夫だろう。
もし破れば、その時に、我が家が筆頭侯爵家と呼ばれる意味を知る事になるからな。
「ディーン様、本当にあんな内容の約束で良かったのでしょうか?」
「勿論だよ、クリス。」
「それなら何故ですか、ディーン様。」
「クリスが前に、言っていただろ?」
「何を、ですか?」
「以前、『友人のリリナの家での扱いが、低くなっている。』って。」
「覚えていたのですか!」
「当たり前だろ。」
「……ありがとうございます、ディーン様!」
「全て、クリスの為だよ。」
「……ディーン様。」
そして、俺達も部屋から出て、ベランダに出ると、異空間収納から出した花束を渡しながら言った。
「クリスティーナ=ヴァル=キュリアス嬢。私ディーン=フォン=ルナフィリアと結婚してください。」
「……ディーン様?」
「クリスティーナ嬢、返答は?」
「……は、はい!」
そして、俺は初めてクリスとキスをした。
「ディーン様、大好きです。」
「俺もだ、クリス。」
……き、緊張したー!
前世も合わせて、初めて真剣にプロポーズした!
こうして、俺達のデビュタントデビューは終わったのだが、リーラを置き忘れそうになったのはご愛嬌だ。
「忘れられていたー!」
「ごめんなさい、リーラ。」
あの日から、クリスへのお願いが増えた。
勿論、ルミナスシルクについてのお願いだ。
俺がクリスを溺愛しているのは有名だからなぁ。
クリスからのお願いなら通ると思ったのだろう。
でも……
「ごめんなさい。ルミナスシルクの件については、ディーン様から断る様に言われているの。」
「そ、それじゃあ仕方ないわね。」
……と、こんな感じになっている。
まあ、強硬にお願いされても、クリスの後ろには俺で、更に俺の後ろには「筆頭侯爵リーガル家」が立っているのだからな。
……しかし、それでも「裏」で通そうとクリスを脅した馬鹿には、鉱山労働行きとなり、その家族の父親には「リーガル家」の紋章付きの「お手紙」を親父名義で送った。
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