お前ら、何処で、そのテクを覚えた!?
実は、たまに、こっそり夜中に酒場に行っているセレス達。
さて、場所は学園の訓練用兼試合用の闘技場に来ているのだが、何故か観客席の見物人が多くないか?
「ディーン様、時間と場所の所為です。」
「あ、ああ。」
あの時、既に野次馬が出来ていた上に、「後は帰るだけ。」という状況だからか。
「それと、ディーン様だからかと思います。」
「……そうだな。」
良くも悪くも、「俺」が当事者の1人、というのも原因の1つか。
既に、お互いの準備やルール説明も終わり、後は開始の合図を待つだけになった。
因みに、お互いの勝敗に於いての対応等を話し合うべきだが断れた。
それというのも、向こうの「ボクが勝つから必要無い!」とか、ほざいたからだ。
まあ、仮に協議しても無駄だがな。
向こうはその他大勢の「伯爵」で、此方は「筆頭侯爵」だからだ。
前も言ったが、貴族の爵位の差は厳格だし、嫡男と三男でも扱いは変わるが、それ以前の問題で、最終的には家同士の、つまり、爵位を前面に出した脅迫と服従の話し合いになる。
だから、個人的意見が通らなくなる。
「試合……開始!」
「うおぉーーー!」
試合が開始されてから1分程経過したが、確かに年齢の割に強いが、俺から見れば雑魚だ。
親父の仕事が増えたから早めに終わらせるか。
「どうし……ぎぃあ、がっ!」
「試合終了! 勝者ディーン!」
俺は、下から小手を打ち左腕を骨折させ、その隙を突いて逆袈裟切りで終わらせた。
「俺の勝ちだ。さて、負けた場合の事を話そうか。先ずは、貴様には姉か妹が居るか?」
「なんで、そんな事を……」
「負けた以上は従え!」
「……姉と妹が1人ずつ居る。」
「なら、帰ったら、その2人に土下座して謝るんだな。」
「……どういう事だ?」
「俺の父親は『リーガル』だからだ。」
「……!? ……そんな……」
「さ、帰ろうか、クリス。」
「はい、ディーン様。」
何か、後ろで謝罪混じりの叫び声が聞こえるが、俺達は無視して馬車に乗った。
「クリス、良いのか?」
「何がですか、ディーン様。」
「クリスの性格だと、何らかの救済を俺に求めるかと思っていたんだが……」
「私も伯爵家の娘ですし、三男とはいえ、『リーガル家』に嫁ぐ以上は覚悟を決めていますから。」
「……そうか。」
「……と、言っても、覚悟が固まったのは最近です。」
「……ありがとう、クリス。」
「私は、ディーン様の婚約者ですから。」
クリスと馬車の中で肩を寄せる程度のスキンシップをしながら穏やかに過ごして送り届け、親父の屋敷に寄り、事情を説明した。
親父は、追加の仕事にも嫌な顔をせずに、正式な書類を作成して直ぐに使いを出した。
後の処理を親父に任せて俺は、我が屋敷に帰った。
勿論、翌日からは奴は学園に来なかったし、2週間後には奴の父親の爵位は男爵にまで降格し、奴の姉の婚約は破棄されて、妹の協議進行中だった婚約も破棄された。
これは、家族には責任は無いが、息子の教育が出来ていない為に責任を取る形で爵位が下がり、姉妹の婚約破棄に繋がった。
そして、奴の姉妹には、同じ男爵や子爵から幾つかの良縁を用意した。
当然、この処置はお袋の「ね、お願い。」からだ。
最後に奴の処遇だが、終生の鉱山労働送りだ。
あれから数ヶ月が経ち、去年は途中で中止になっていた園外実習が再開され無事に終了した。
当然だが、俺とクリスの班が学園1位を獲った。
それから、未来の勇者御一行も、裏で俺がダリスを通して強化したりした。
まあ、勇者側に付いたとはいえ、ダリスは家とは縁が切れた訳じゃないしな。
因みに、この王立学園は夏休みが無い。
理由は、俺みたいに何らかの理由で、学生でありながら爵位を持つ貴族になったり、社交界等で学業の時間が割かれるからだ。
その時間を埋める為に夏休みが無い訳だ。
……と、言っても日本で言う所の夏休みの時期は、結局は長期間の休みを誰もが取る。
そんな訳で、我が屋敷の人族組とクリス達婚約者とその侍女達や王女のディア達やソフィア達を俺の領地に招待した。
俺の領地には、それ程高く無いが横に広い山が有り、更に山頂には湖が有る。
そこに招待した訳だ。
……ハーレムなのは弁解する気は無い。
別に良いじゃん!
未来の奥さん達や気に入った女の子と楽しくキャッキャウフフしても!
勿論、自重する所は自重する。
……それは、夜の運動会はしない!
今回は、純粋に良い思い出を作る為に計画した。
だから、貴族的な予定ではなく、山の学校的な予定を組んでいる。
ソフィア達の道中の護衛は白銀の光翼とエドガー達(中身はブラグ)に任せ、俺の方はセレスとアリアにクラマとヒオウ、そして、リリスだ!
……リリスだが、かなりお高かったが、衣装替えが出来たから今回は呼べた。
今のリリスの外見は、肌色少なめの踊り子風で、これなら、クリス達の情操教育に影響は出ないだろう。
そして、セレス達からの「私達は?」という「涙目の上目遣い」に負けて、魔力回復ポーション13本開け、セレス達4人の衣装替えもした。
……お前ら、何処で、そのテクを覚えた!?
本当に高い!
仮にも王都を支配領域に出来る程のDPが全く足りないのだからな。
お陰で俺の魔力も代価にした。
さて、軽井沢的な避暑地にした山頂の湖畔とログハウスを視界に入れながら到着する。
「綺麗!」
「凄い……」
「素晴らしいわ!」
「ディーン君、ありがとう。」
順番に、クリス、リーラ、ディア、ソフィアの感想だ。
後、この山の位置だが、クリス側ではなく、反対側になるのだが、これ、フラグにならないよな?
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