ディーンに『掃除』をやって貰う。
主の為とか言って、独断で動く人って居ますよね?
「しかし、まさか、この私が『あの』リーガル家に連なる者にお世話になるとは思ってもいませんでしたわ。」
「ディア、『あの』とはどういう意味かな?」
「勿論、闇で蠢く王家の番犬ですわ。」
ディアが、そう言った瞬間、俺はディアの首に短剣を突き、ディアの首から赤い線が下に続いた。
「……痛。心配無用ですわ。既に、リーガル侯爵様と魔法誓約書を交わしております。」
「……失礼した、セレンディア王女殿下。」
俺は、詠唱破棄で首の傷を治し、身体と服に付いた赤い線を洗浄で消した。
因みに、想定内だったみたいで、専属侍女のレンナとアイナは、動いていない。
「それじゃあ、ディア。何か要望は有るか?」
「そうですわね……。キュリアス伯爵家のクリスティーナ様とルーギンス公爵家のリエスリーラ様と交流したいですわ。」
「分かった。日を決め、彼女達を招待しよう。」
「ありがとうございますわ、ディーン様。」
5日後、クリスとリーラを招待してディアとお茶会を開いたのだが、屋敷の主である俺は追い出された。
……まあ、ダンジョンマスターとしての力を使って聞いていたが、ディアは根掘り葉掘り俺について聞いていた。
その夜、招待状を送ってもいないのに、俺の寝室に侵入した者達がいた。
俺は魔石に魔力を流し照明を付ける。
「やっぱり、ディアの専属侍女のレンナとアイナか。」
「「……く。」」
「まあ、大方、今日のお茶会で何らかの危険性を感じたんだろうが……」
「……く、殺せ!」
「……ありがとう。」
「馬鹿にしているの!」
「その台詞を、いつかは、正統派の高潔な女騎士に誇りを持って言わせたいな。」
「……」
「あ、引いた? まあ、大丈夫だよ。きちんと君達にもお仕置きをするから。」
「「……も?」」
「当然だろ。君達は、セレンディア王女殿下の専属侍女だ。責任の所在はセレンディア王女殿下に有る。」
「「……そんな。」」
この後、2人を美味しく頂き、ディアには「大人」な悪夢を見て貰った。
淫魔であるリリスは、専門の仕事が出来て喜んでいたよ。
結果、ディアはよりお淑やかなになり、専属侍女のレンナとアイナは、俺に対して大人しくなった。
しかし、短絡的だよな。
クリス達の会話の、何処に恐怖を感じたんだ?
ちょっと、ダンジョンマスターの力を使って盗聴したら、どうやら、レンナとアイナの独断だった。
原因は、ディアの首に短剣を突いたからだ。
要するに、「よくも私達の姫様に!」という訳で、あの時は我慢していただけみたいだ。
とりあえず、ディアへのお仕置きは止めた。
その代わり、あの2人のお仕置きは増やして、毎回「最初」の痛みを与える事にした。
勿論、お仕置きについては魔法誓約書で秘密にしてあるから安心だ。
前菜の双子達やメイド達を軽く摘まんだ後に、シルヴィア達メインを食べる様になってから、ある日に親父に呼び出された。
最初は最近の生活とかの話をした後、本題に入った。
「ディーンに『掃除』をやって貰う。」
「何処ですか?」
「王都に居を構えるシェーラザリア商会だ。最近、違法の麻薬が出回り始めて捜査した所、この商会が原因だと判明した。」
「分かりました。暗部と共に片付けてきます。」
「待て。」
「何か、父上?」
「今回は、ディーン1人で行ってこい。商会の雇う護衛など、大した事はない。1人で出来るな?」
「勿論です、父上。」
「うむ。3日以内だ。」
「分かりました。」
その夜、俺はセレス、アリア、リリス、ブラグ、カレンを連れて、ターゲットの商会前に到着した。
当然、過保護な親父から命令された監視者が居ないのは確認済みだ。
久しぶりの外に喜んでいるセレス達を宥めて、指示を出す事にした。
「セレスとアリアは護衛を。リリスはそれ以外を。ブラグは必要書類を。カレンは脱走者が居ないかの確認を。」
「「「「「はい!」」」」」
「分かっていると思うが、殺すなよ。……やれ!」
玄関口の扉は、セレスの凍結で粉砕され、中に雪崩れ込み、皆が指示通りにしていく。
優秀な部下が居て、俺は幸せ者だな。
30分後には、関係者全員を捕縛して中庭に鎮座している。
そして、シェーラザリア商会会長のシェーラザリアが口を開いた。
「貴様は何者だ! こんな事を儂にして貴様ら無事でいられると思うな!」
「思わんな。」
「何ぃ!」
俺は、ブラグが持って来た裏の書類を見る。
「これだけの証拠か有れば、貴様に後ろ楯が居ようとも関係無い。」
「……それは!」
「全く、隠し場所に捻りが無いな。本棚の隠し部屋など、最初に調べたぞ。」
「……そんな。」
俺は書類を見ていると金の流れに違和感を感じると、カレンが近付き言った。
「ディーン様。地下に不自然な風の流れが有ります。」
「……分かった。セレスとアリア、来い。」
「「はい!」」
リリス達に監視を任せ、俺達は地下に向かった。
地下に入ると、セレスとアリアは直ぐに分かった様で、隠し通路をあっさり見つけた。
更に地下に降りると、監獄が存在していた。
「ガキ、貴様は誰だ!」
看守がキャンキャンと吠えた。
「地上は既に制圧した。痛い思いをしたくなけれは、降伏するんだな。」
「それなら、さっさと逃げさせて貰うぜ。1号から5号、奴らを殺せ!」
看守がそう言うと、牢屋に一番近い部屋から、異形の姿をした人型の「何か」が迫って来た。
「アリアは看守を捕縛しろ。セレスは奴らの動きだけを封じるんだ。」
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異形の姿をした人型は、最近のスマホのゾンビを連想してください。




