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……弱者は、それすら出来ない事が多いのだから。

ターニングポイントは、いつも何気ない日常に潜んでいます。




「それで、Eランク冒険者の俺にギルドマスターがわざわざ呼び出して何の用だ?」

「それなんだが、そのEランク冒険者が、どうやってモンスターの討伐をしている? 高ランクのモンスターばかりを。しかも、まだ若いガキが、な。」

「答える必要があるのか?」

「無いが、答えて欲しい所だな。」

「そういう事なら断る。」

「しかしだなぁ。場合に因っては、領主様に報告しなければならない。」


 はあ!?

 たかだか、冒険者ギルドで少し目立っている程度の冒険者のガキの事をギルドマスターが領主に報告する?


「馬鹿馬鹿しい脅しだな。」

「バレたか。」

「まあ、仮に報告した所で大した事じゃないがな。」


 此処で、割りと本気の殺気と威圧を放つ。


「……大したモンだな。」


 幾ら強くても、まだガキの俺だとこんなモンか。

 それなりにギルドマスターに届いているが、あくまで「それなり」止まりみたいだな。


「ギルドマスター、以上か?」

「ああ、以上だ。出ても良いぞ。」

「それじゃあ、失礼する。」




 ギルドマスターside


 ……あのガキは何者だ?

 あいつはEランク冒険者で、ランク以上のモンスターを討伐する奴はそれなりに居るが、顔は分からないが、まだガキが出す討伐内容じゃない!

 軽い冗談を言ったが、ガキには笑えない筈の「領主」の存在も軽く返しやがった。

 しかも、「あの」リーガル家だぞ!

 それに、あの殺気と威圧を、あの年で放てるなんて!

 本当に何者だ、あのガキ。



 ディーンside


「エドガー様、よろしかったのですか?」

「何が?」

「領主様に楯突く様な発言をされて。」

「ああ、問題無い。今、領主館に居る領主代行なら、尚更気を使う必要は無い。」

「……エドガー様は、何者ですか?」

「まあ、その辺りは帰ってからだな。」

「畏まりました。」

「とりあえずは、レイラの復帰を兼ねて周辺の森に行ってみようかと思うが良いか?」

「はい。異存はありません。」


 そして、俺達は東側の森に行ってみる事にした。


「意外と身体は覚えているものですね。」

「それは良かったな。」

「はい。」


 薬草採取をしながら、たまに襲い掛かってくるゴブリン等を討伐を繰り返していると、此方に向かってくる気配がして身構えていると、ソレは現れた。


「はあはあ……! 助けてください!」


 現れたのは、洗っているのだろうが、至る所が傷んでいる服を着た少女だった。

 その後からウルフ3匹が追い掛けて来たからとりあえず処理した。


「何が有った?」

「皆と薬草採取をしていたら、ウルフに囲まれて、私は助けを呼ぶ為に……」

「分かった。案内しろ。」

「……でも……」

「早く案内しろ!」

「はい!」



 ???side


「……上手く逃げれたかなぁ?」

「大丈夫だよ。」

「そうだよ。お姉ちゃんは足が速いから逃げ切れるよ。」

「それなら良かった。」

「そうだよ。これでお姉ちゃんに恩返しが出来たね。」

「お姉ちゃん、いつも僕達の為に無理していたもんな。」

「……もう直ぐ壁が壊れる!」

「「「「「……!」」」」」

「お姉ちゃんには幸せになって欲しいな。」

「僕達の分まで幸せになって貰わないといけないよな。」

「お姉ちゃん、ありがとう。」

「……あれ?」

「どうしたの……って、静かになった。」

「ウルフが壁を破壊する音や、ウルフの唸る声も聞こえなくなったわ。」

「皆、大丈夫?」




 ディーンside


 助ける理由?

 そんなもん、俺を真っ直ぐ見て、助けを求める言葉1つで充分だ!

 ……弱者は、それすら出来ない事が多いのだから。


 案内させて開けた所に出ると、13匹のウルフと洞窟らしき場所には、子供が自作した様な(いびつ)な盾が洞窟の入り口を塞いでいた。

 そして、ウルフがその盾を破壊しようとしてた。


 ウルフが此方に気付いた!


「Garrru……」

「レイラ、行けるな?」

「はい。」

「Gaaaー!」


 俺とレイラは、襲い掛かるウルフを首切りの一撃で全て討伐した後、ウルフは全てマジックバッグに仕舞う。

 そして……


「皆、大丈夫?」


 助けを求めた少女が声を掛けると、入り口を塞いでいた盾を退かして洞窟の中から5人の少年少女が出て来た。


「「「「「お姉ちゃん!」」」」」

「良かった。皆が無事で本当に良かった。」


 その後は、助けを求めた少女「カナン」と洞窟に籠っていた少年少女は、同じ孤児院で少しでも生活を良くする為に、危険を承知で森に薬草採取に来ていた様だ。


 まあ、「助けて頂いてありがとうございます!」というお礼を貰った。

 悪くない気分だ。


 ……さて、此処で問題が発生した。

 我が都市の孤児院には、それなりの生活資金を送っている筈なのだが……


 確か、孤児院の運営費は、補助のルーフ名誉男爵に委任していた筈。


 ……はあ。


 多分、アレだろうな。

 都市に帰った俺達は、とりあえずはカナン達と別れた後、ちょっと路地裏に入ると、レイラに見張りを任せて、念話でブラグにルーフ名誉男爵を調べる様に命令した後、少し雑用を済ました。

 勿論、証拠も集める様に伝え、集めたらアーロンが居ない隙を狙って執務室に置く様に命令した。

 これで3日と掛からず証拠が手に入り、ルーフ名誉男爵を首に出来るだろう。


 2日後には、言い逃れ出来ない証拠を集め、アーロンの執務室に置き、そこから3日後にはルーフ名誉男爵は投獄され、本人は処刑され、家族は法に則り、各方面に移送される……予定だったのだが、夫人と娘が「白」で全く悪事に関わる事もなく、母娘共にまともだった為に、何故か俺の屋敷で働く事になった。

 まあ、都市リーガルでは風当たりがキツいし、王都のリーガル家の屋敷で働く訳にはいかない為に、俺の屋敷で監視込みで働かせる事になった。




暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

爵位に「名誉」が付いていたら、その貴族は領地を持っていません。




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