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勿論です、ディーン様。

やっと、登場します。

 今日は、シルヴィアを始め全員が忙しく動いている。

 何故なら、今日は我が妹にして天使のシャルルが我が屋敷に来るからだ。


 そして、到着予定時間になった。


「ディーン様。シャルル様が来られました。」

「分かった。」


 正面玄関の広間に天使が降臨していた。

 そして、天使は俺の腹に勢いを付けたまま突撃した。


「ディーンお兄様!」

「……ぐ、久しぶりだね、シャルル。」

「はい!」

「ディーン、久しぶりね。」

「母上も、お久しぶりです。」

「あら、見ない顔があるわね。」

「はい。やはり、前の者が居るのは落ち着かなくて。」

「そうなの。」


 さて、天使な妹とお袋に挨拶をして歓迎会が始まった。


「まさか、ディーンが男爵になるなんてねえ。」

「僕としては、領地でアーロン兄さんの補助を、と考えていました。」

「そうなの。それにしても、何故、男爵位のディーンに侯爵級の屋敷を国王陛下は与えられたのかしら?」

「きっと、父上が関係しているんじゃないかな。」

「そう?」

「父上は国の為に一生懸命に頑張っていますから。」

「そうよね。」

「ディーンお兄様!」

「なんだい、シャルル。」

「シャルルは、ディーンお兄様と遊びたい。」

「母上。」

「行ってらっしゃい。」

「お母様、ありがとう。行こう、ディーンお兄様。」

「分かった。母上、失礼します。」

「シルヴィアは残ってね。お話がしたいの。」


 数年後に、何故この侯爵級の屋敷になったかが分かった。

 国王の嫌がらせと実利を見越しての事だった。





 母上side


「シルヴィア、前に座って。」

「はい。失礼いたします。」

「シルヴィア、何か知っている?」

「いいえ。報告書にも書いてある通りです。」

「そう。ディーンは、何処から見付けて来たのかしら? 

 (うち)に来た執事見習い達もそうだけど、シルヴィアが指導したメイド達も優秀だったのよね?」

「はい。教えた事は一度で覚え、上の者に従う姿勢も見事でした。」

「これが、アーロンならまだ分かるわ。領地の経営もきちんと出来ているから。その過程で見出だしたのなら納得出来るけど、ディーンはまだ学園すら卒業をしていない子供なのよ。」

「……はい。」

「しかも、1人や2人なら兎も角、これ程の人数を揃えるなんて。……ねえ、シルヴィア。」

「はい。」

「本当に、他の貴族の影が無いのよね。」

「はい。断言出来ます。ディーン様が外出される時は、必ず同行しておりますし、不要な接触をした者はおりません。」

「……分からないわね。シルヴィア、何か切っ掛けみたいなのは無いの?」

「……!」

「……有るのね?」

「はい。事故(・・)で階段から転落されて目が覚められた時、僅かな変化がございました。」

「それは何?」

「はい。ディーン様が自身の呼び方が『僕』から『俺』に変わっています。それと、あの日以降、ディーン様は私を含め周りの者達に対して子供としての甘えが無くなりました。」

「……そう。あの事故(・・)ね。ディーンの成長は、1人の母として、また、筆頭侯爵家の正室としては喜ばしい事だわ。」

「はい。」

「しかも、あの年で、国王陛下より男爵位を賜るのだから、誇らしい事よ。でも……」

「はい。だからと言って、あの者達を突然連れて来たのは『異常』です。」

「シルヴィア。ディーンを良く見てあげてね。」

「はい。」





 ディーンside


 流石はお袋だな。

 伊達に、筆頭侯爵家の正室はやっていないな。


「ディーンお兄様、このお菓子、美味しいね。」

「そうか、美味しいか?」

「うん。」

「良かったな、マオン。」

「はい。ディーン様。」

「今晩の夕食も期待している。」

「お任せください。」

「さあ、シャルル。お部屋に行こうか。」

「はい、ディーンお兄様。」


 天使なシャルルを先ずは、同じ階にある副厨房に連れて行き、料理長にお菓子を用意して貰い小腹が空いているかもしれない天使なシャルルに食べさせた。

 その(あいだ)は、俺はお袋とシルヴィアの会話をダンジョンマスターの能力で聞いていた。

 まあ、転生とゲームとダンジョンマスターとソフィアの事以外はバレても良いしな。


 俺とシャルルは移動してシャルルの宿泊用の部屋に到着したら、早速、シャルルの可愛い声が部屋に響く。


「ディーンお兄様。何で遊ぶの?」

「そうだな……」


 俺はかなり古風だが、「お手玉」や「あやとり」等で遊んだ後、本命の「魔法ショー」をした。

 何処ぞの駄女神の水芸や、熱くない花火等をシャルルに見せたら、「ふわあああー……」と口を可愛く開けたまま魅いっていた。

 最後は、幼女向けの「絵本」だ。


「すぅーすぅーすぴー。」


 計画通り、可愛くて天使な寝顔のシャルルが居た。

 俺は、ゆっくりとシャルルをベッドに運び、部屋を出ると、執事のクロンから報告が来た。


「ディーン様。屋敷の周りに羽虫が……」

「分かった。捕縛して背後を吐かせろ。」

「はっ!」


 クロンを見送ると、お袋とシルヴィアが現れた。


「ディーン、シャルルは?」

「シャルルなら、遊び疲れて寝ています。」

「そう。」


 何故か、お袋は俺をじっと見ていたが「私も休みます。」と言って、お袋用に準備したシャルルの隣の部屋に入っていった。


「シルヴィア。」

「はい。」

「母上と、どんな話をしたんだ?」

「ディーン様の最近の事をお話ししました。」

「変な事、言ってないよね?」

「勿論です、ディーン様。」



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