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ようこそ、私達の班へ。

校外学習は、イベント発生のテンプレですよね。

 まあ、オフィーリナは、子爵家とはいえ三女だから、男爵家嫡男以上の嫁ぎ先なら問題無いし、メイドとはいえ、筆頭侯爵家だから、向こうも貴族的には文句は無いだろう。

 勿論、オフィーリナとセットで来た侍女も、な。

 奉公先が子爵家から筆頭侯爵家になったんだ、こっちも文句は無いだろう。

 そして、情報を漏らしたルーギンス公爵家のメイドも、普通なら、家族と一緒に命を失う事故が確定していたんだから文句言うなと言いたい。


 ……しかし、Nから始まる3文字は癖になりそうで、危険である自覚はあるから自重しよう。

 まあ、オフィーリナは、ある意味では被害者だからそれなりに大切に扱おうかな。

 だが、メイドの2人は別だ!

 仕える家の情報を漏らした罪は重い。

 連帯責任で、頑張って貰う。



 ……さて、ファナはどうしようか。


 晴れて自由の身になったが、「洗脳」という単語が使える程には染まっていた。

 一応、身体は清いままだがな。

 まあ、スキルや魔法の(たぐ)いじゃないから、接触しなければ次第に解けるだろう。

 この際だから、神殿とは多少は「仲良く」なっておこうかな。


 とりあえず、ファナに纏わり付いている悪い虫を、ダンジョンの牢屋に送り拷問の毎日を送らせ、同類も1日に1人ずつダンジョン送りの拷問漬けにして、上位の同類に警戒心と恐怖を持たせた。

 そして、最上位の同類である神殿長である枢機卿に差出人不明の自重を促す手紙を送り、軽く寝ている間に顔に軽い毒を塗った短剣でかすり傷を負わせた。

 そして、次の日に枢機卿が溺愛する女顔の若い神官が、顔以外が(むご)たらしい状態の死体で発見された。


 ……これで、手紙の内容に真実味が出るだろうから、神殿の奴らも自重するだろう。


 神殿では、若い神官の遺体が発見されてから、1週間後にはファナは復活していた。

 一応は、貴族令嬢の嗜みが出来ているみたいだ。

 俺は別に「仲良くするな。」とは言っていないし、節度を持って接するなら文句を言うつもりは無い。

 そもそも、平民であるセリオと伯爵家のファナだと、色々と頭が固い老害が五月蝿いんだよ。


 ……俺だって、学園内でのクリスとの甘々なイチャラブを我慢しているんだからな!


 そんな日々の中で、園外学習の日が近付いている。

 簡単に言えば、夜営等を経験したり、モンスターを殺せる様になりましょう、という内容だ。

 これはゲームのイベントの1つとしてあった。

 因みに、(あらかじ)め、このイベント「園外学習」を知っていたから、その森を中心にダンジョンの支配領域にしてある。

 全く、国が優秀な騎士や魔術師を抱えているお陰でDP(ダンジョンポイント)が潤滑に使える。


 さて、実際に始まった時に、クラス単位で集団行動をする訳にもいかないし、各家毎に護衛を連れて来る訳にはいかない為に、先ずは6名ずつの「班」を決め、学園が用意した冒険者チームを護衛にするか、自力で冒険者チームを探す事になる。


 まあ、こういうイベントが起きると、信頼出来る冒険者チームと出会うのが主人公の運命力なのだが、生憎、俺は悪役(ヒール)だ。

 だから、既に息の掛かった冒険者チームを用意しているから問題無い。


「クリス、冒険者チームなら俺が用意するから心配無いよ。」

「それなら、後は、私達の班を集めるだけね。」

「……そうだね。」


 はあ……。

 この世界がゲームに酷似している。

 つまり、イベントを起こさせる要因を持つキャラクターが居るという事だ。


 実は、同じクラスに影の薄い女子生徒が居るのだが、恐らくは売れ残るだろう。

 周りとの交流をしていないからな。

 そして、優しいクリスが天上の笑顔で誘うのだ。


 因みに、その時のクリスの笑顔を前世ではスマホの待ち受けにしていた。


 ……まあ、今では「あの笑顔」を超える笑顔を見放題だからわざわざクリスの顔が見える位置に移動する必要は無い。

 やはり、他人に見せる笑顔と、好意を寄せる相手への笑顔は違うからな。


 そして、予定通り、周りに全く声を掛けられない彼女にクリスが手を差し伸べた。


「もし、よかったら、私達の班に入らない?」

「……」

「勿論、無理強いする気は無いわ。」

「……私で良いの?」

「勿論よ。」

「……」


 葛藤しているなぁ。

 まあ、自分の出生を考えたら、何処で今の王族にバレるか分からない以上は、クリスの誘いは断るべきだが、孤独に苦しんでいるのも事実だからな。


「……わ、私を貴女の班に入れてください!」


 孤独に耐えられなかったか。


「ようこそ、私達の班へ。」


 彼女の名前は「クラリス=リパン=アールセル」子爵令嬢だが、実は彼女は養女だ。

 その理由は、前国王の御落胤(ごらくいん)だからだ。

 つまり、血の半分は国王からで、母親はアールセル子爵の姉からだ。

 前国王が政務と国王としての重圧に心身共に疲れ切った時に出会い恋に堕ちた。

 そして、秘密裏に生まれたのがクラリス、という訳なのだが、クラリス自身は、自分の出生の秘密を知っている。

 だから、今の王族にバレるとどんな目に遭うか分からない為に、「ぼっち」になった。

 勿論、表沙汰になれば、王位継承権の順位は決して低くない事が問題だけどな。


 何故、そんな事を知っているかというと、夜にこっそり王宮に忍び込んで調べていたから。


 ……忍び込んだ証拠?


 残っている訳無いじゃん。


 既に、この王都はダンジョンマスターである俺の支配下に入っているのだからな。

 そんな訳で、王位継承権を持つ者で、現国王が許可した者だけが閲覧出来る重要記録を調べ尽くした。

 その中に、彼女クラリスの情報が入っていたのだ。

 この事から、現国王は、彼女クラリスが問題を起こさなければ静観するつもりなのだろう。


 ゲームでの彼女の活躍は、この園外学習に未来の勇者セリオに誘われ班に入り、信頼し合う仲間になり、勇者としてのセリオを支援する様になり、最終的にはセリオのハーレムに入る事になる。

 そして、結婚式の当日に彼女はセリオに自身の出生をバラし、セリオは改めて彼女を幸せにすると誓いキスをする、というのが、ゲーム内の彼女のストーリーだ。


 後、ゲームでは(ディーン)との信頼関係とかが、クリスとは無かった場合は、セリオの班に入るストーリーも存在していた。


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


前国王は良い年だったので、子が出来るとは思っていませんでした。

そして、引退のどさくさ紛れに必要な処理を済ませた、という訳です。

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