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正直、自殺行為だぞ、ソレ。

ディーンは、手に入れたオモチャ「も」大切にします。

「あんたみたいな悪党貴族の息子なんかに言われたくないわ!」


 ……おいおい。


 一応、俺の家は「筆頭侯爵家」なんだがな。

 伯爵家(・・・)の三女のファナさん、そこら辺を分かって言っているのか?

 正直、自殺行為だぞ、ソレ。


 事の発端は、何時もの俺からの「正論」の小言が切っ掛けだった。

 俺は「貴族の令嬢としての作法を守れ。」的な事を言っていたのだが、恋愛ヘタレを自覚をしていたファナは、未だに浮かれていた。


 その結果は……



 1時間後の学園内の闘技場で、肩で息をして倒れているファナを見下ろす俺が居た。


 我が侯爵家にまで罵詈雑言を言われて仕方なく模擬戦をした結果が、この有り様だ。


 ……正直に言えば、俺は怒って無いんだよな。

 何か、血統書付きの子猫が「シャー!」と可愛く威嚇しているみたいでな。

 かと言って、「家」までバカにされた以上は何らかの具体的な罰を与えないといけないしなぁ。


 とりあえず、「学園内のまだ子供のした事ですから。」を前面に出して、罰則は貴族としての礼儀作法等のレポート提出(通常の5倍)と神殿での奉仕活動2週間となった。

 はっきり言ってかなり破格の軽い罰だが、最悪にした場合だと、本人は絞首刑か斬首刑で、家族も爵位剥奪した上で大人の男は鉱山へ、大人の女は娼館行きになり、子供は男女共に奴隷だからな。


 ……感謝しろよ、ファナ。


 さて、あれから数日が経ち、ファナには神殿からの悪い虫が付いたのを定期的に監視していたら気付いた。

 どうしようかと悩んでいると、予約無しの来客が俺に訪れた様だ。


 とりあえず、応接室に案内をして、隣の覗き穴から見たけど何も漏らさない為、仕方なく俺が応対する事にした。

 まあ、今、俺より上位の(かぞく)が居ないから必然的に俺が対応するしかないが。


「待たせて済まないな。」

「いえ、私の方が無礼無作法な振る舞いをして、押し掛けたのが悪いのです。」


 一応は自覚は有るのか。


「さて、貴女は()かな?」

「……はい。私は、サクリファス子爵家三女のオフィーリナと申します。実は、私の婚約者が事故に遭い、左目と右足を失い下半身不随になりました。

 そんな悲しみの日々を過ごす中、知り合いからリーガル侯爵家には、どんな病や怪我をも治す薬が有ると聞いたのです。」

「……そうですか。」

「お願いします! 私が出来る事なら何でもします。だから、その薬を私にください!」


 何処から、その情報が漏れたんだ?

 確かに、我が家は「筆頭侯爵家」だが、だからと言って他の貴族家を無能扱いするつもりは無い。

 何故なら、裏では誰が誰と繋がっているか分からないからだ。


 ……場合に因っては、「筆頭侯爵家」の権力を使う必要があるかもな。


「何でも、だな?」

「はい!」

「その彼と婚約解消になっても?」

「……それは……」

「お帰りは、扉を出て右だ。」

「待ってください!」

「どうしますか?」

「……でも……」

「お客様はお帰りだ。」

「待ってください! 分かりました。」

「改めて言うが、この家は『筆頭侯爵家』で、俺は三男だが、リーガル侯爵家の一員だ。分かるな?」

「……はい。」


 その後は、オフィーリナ自身の未来と、情報提供者の未来を俺に売る事で、彼女はエリクサーを手に入れた。

 彼女と婚約者の家に一応傷が付かない様にリーガル侯爵家の紋章付きの手紙を用意して、彼女からは、情報提供者が誰かを吐かした。

 どうやら、彼女の侍女と、ルーギンス公爵家のリエスリーラの侍女の親友のメイドが繋がっていたみたいだ。


 先ずは、ルーギンス公爵に手紙を送り、この情報漏洩を理由に、そのメイドを俺に売る様に伝えた。

 次の日には、そのメイドが青い顔をしてリーガル侯爵家に現れた。

 早速、魔法誓約書で縛り、俺専属のメイドにして、ルーギンス公爵家の知っている範囲内の秘密を吐かした。

 まあ、利息分っヤツだな。


 そして、オフィーリナには……



 オフィーリナside


「ハムレイト様!」

「どうしたの、オフィーリナ?」

「これを飲んでください。」

「……これは?」

「お身体が良くなる薬です。」

「……ありがとう。でも、もう良いんだ。無理に気休めの薬を用意しなくても良いんだ、オフィーリナ。」

「大丈夫です。この薬は本物です。」

「……分かった。」


 婚約者は、オフィーリナの出した薬を飲んだ。


「眩し……、え!?」

「……ぐ、がぁ……」

「ハムレイト様! 左目と右足が!」


 エリクサーを飲んだハムレイトは、失っていた左目と右足が再生していた。


「ありがとう、オフィーリナ!」

「良かった。本当に良かったです。」

「……君は何処で、こんな薬を手に入れたんだ。」

「……ハムレイト様。この書類にお名前の記入をお願いします。」

「これは?」

「先程飲んだ薬に対して、一切、外に漏らさない為の魔法誓約書です。既に、ご両親には先に同様の魔法誓約書にサインを頂きました。」

「……済まない、オフィーリナ。」

「良いのです。ハムレイト様が生きて頂ければ。」


 そして、記入された魔法誓約書を受け取る。


「ありがとうございます、デレマイク様。」

「オフィーリナ?」

「デレマイク様、早く私の事は忘れて、素敵な女性(ひと)に出逢える事を願っています。幸せになってください。」

「待て、どういう事なんだ?」

「デレマイク様。今まで、幸せな思い出をありがとうございます。……さようなら、……ハムレイト様。」

「待ってくれ、オフィーリナ!」


 オフィーリナが屋敷から出た後、両親が部屋に入ると、ハムレイトは呆然としていた。


「レイト……」

「父上、母上、どういう事ですか?」

「オフィーリナ、いや、サクリファス嬢は、レイトを救う代償として、レイトとの婚約を解消して、とある貴族家へのメイドとして奉公する事になったのだ。」

「そんな……」

「私達とて、耐え難い苦渋の選択だ。だが、その代償として、レイトの未来が助かったのだ。」

「……ふざけるな! 僕は、自身の未来をオフィーリナの未来とを天秤に掛けるつもりは無い! それなら、オフィーリナの婚約者のままで死を選ぶ!」

「レイト、サクリファス嬢の愛と最後の献身を無駄にする気か?」

「……それは……」

「既に、正式にレイトとサクリファス嬢との婚約は解消されている。」

「……オフィーリナ……」

「レイトの未来は、サクリファス嬢の未来を代償にしたのだから、大切にしなさい。」

「……分かりました。」



 ディーンside


 その夜、俺のベッドには美女と美少女が合わせて5人が自身の芸術品を満開の状態で晒して横になっていた。



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