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この決闘は無効だ!

「俺様が正しい!」なキャラは、使い捨てとしては、実に良く働いて動いてくれます。

「何を騒いでいる?」


 俺は、教師に説明した。


「そういう事であれば、婚約者がするべきだ。」

「……分かりました。」


 そして、授業は「実践」に入ったのだが、俺に突っ掛かって来た自殺志願者が再び現れた。

 因みに、クリスは根が真面目だから、今、必死に頑張っていて、話を聞く余裕が無い。


「クリスさんを賭けて勝負だ!」


 ……ウザい上に、愛称呼び?

 コイツを消そう。


「良いだろう、受けてやる。貴様が勝ったら、キュリアス伯爵家に、婚約の打診を許可してやる。但し、俺が勝ったら、貴様は家族と共に消えて貰う。」

「……何を言っ……」

「言っておくが、これ以外は認めない。」

「……」

「どうする? 今なら、聞かなかった事にしてやるぞ。」

「分かった。条件を飲む!」


 これで、貴族籍を失う家族が1つ生まれたな。

 勿論、きちんと俺の家の爵位の事を把握している生徒は色々と言っている。


「あいつ、いや、血縁や親類一同、終わったな。」

「本当は良い奴なんだけどな、あいつ。」

「……寄りにも寄って、何故、リーガル家の……」


 そこに教師が現れたから説明した。


「……仕方ない。私が審判をしよう。」


 決闘のルールは、使う魔法は初級までで、お互いに距離を取って近付かない事と、時間制限有りだ。

 そして、お互いに距離を取って対峙した。


「準備は良いな? それでは……始め!」


 向こうは、詠唱時間が短い「風属性魔法」を選んだみたいで、俺が出遅れたと思って、笑っているな。

 周りを見ると、その他大勢はどうでも良いが、クリスが心配そうにしている。

 クリス、大丈夫だ。

 ……向こうの詠唱が終わるな。


「喰らえ! 『『風剃刃(ウィンドカッター)!』』」


 お互いの魔法名が重なり、向こうの詠唱後に放った魔法と俺の詠唱破棄で放った魔法が、中央より向こう寄りでぶつかり、向こうの服の小さな部分が切れた。


「まだだ!」


 次は、火属性魔法か。

 俺は最初と同じ様に返しながら、向こうの被害を先程よりも若干大きくしよう。


「「火弾(ファイア)!」」


 今度は、更に向こう寄りでぶつかり、向こうの左腕の服の一部分が焦げている。


 ……周りの中に鋭い奴も居るみたいだな。

 両者の圧倒的な実力差に気付く者が増えて来た。


「「水弾(ウォーター)!」」


 次は、水属性魔法だが、今度は左足全体が濡れた。

 向こうは、頭に血が登っているのか気付いていない。


 ……って、おいおい。

 その詠唱内容は、中級だぞ。

 その年で、中級魔法が放てるのは確かに凄いが馬鹿か?


「死ね! 炎槍(フレイムランス)!」

「バカ! それは中……」


 教師が中断させようとしたが、炎槍は俺に被弾した。


「やった!」

「ディーン様!」


 ……が、直ぐに俺の声が周りに響く。


氷塵結界(アイシクルサークル)。」


 俺に被弾した炎槍は、俺が発動した「氷塵結界(アイシクルサークル)」で消えて、残った氷塵結界の氷が俺の周りで光を乱反射して煌めいていた。


「……馬鹿、な!」

「ザーコイの反則負けにより、勝者ディーン。」 

「ディーン様!」


 俺の女神から、勝利の祝福である抱擁が俺に与えられた。


「クリス、俺は無事だ。」

「本当ですか、ディーン様?」

「ああ、本当だ。」


 だが、俺とクリスの大切な時間を邪魔する馬鹿が居た。


「この決闘は無効だ!」


 反則負けをした馬鹿なザーコイとやらが吠えた。


「何故、無効になる?」

「お前も、初級以外の魔法を使ったからだ!」

「……馬鹿か?」

「何!」

「中級魔法は、貴様が先に放った。その時点で貴様の反則負けが決定する。その後に、俺がどんな魔法を放とうと俺の自由だ。」

「……くっ!」

「それよりも、自分自身の命の心配をした方が良いぞ。」

「どういう意味だ?」

「貴様が中級魔法を使わなければ、まだ学生同士の少々行き過ぎた(いさか)いで終わらせる事が出来た可能性が僅かにあったが、貴様は一線を越えてしまった。

 俺は、筆頭侯爵家の者として、正式に貴様の家に厳重な抗議文を送る。覚悟するがいい。」

「……先生!」

「私からは何も言えないし、何も出来ない。ただ、最後ぐらいは、貴族の誇りを失わない様にな。」


 その後も、ごちゃごちゃと(わめ)いていたが、教師があの馬鹿を無理矢理に何処かに連れて行った。


 俺は、クリスが暗い表情をしていたから、根が真面目なのを活用して、授業で習う筈の内容を思い出させて集中して貰う事で、クリスの暗い表情を消し飛ばした。


 そして、今日の授業が終わる頃には、俺の丁寧な説明や助力もあって無邪気に喜ぶ程にクリスの魔法は成長した。


 帰りはいつも通りにクリスを送った後、帰宅して今日の事を親父に報告した。

 親父は、即座に書類を作成してその日の内に正式な抗議文を送った。

 これで向こうは、少なくとも侯爵家(おれ)への高額慰謝料で首が廻らなくなり、最後は爵位返上だな。


 そして、翌日である今日、あの馬鹿は学園に来ていない。


 さて、今日の授業だが、昨日に引き続き魔法の授業だ。

 ……と、言っても最初の頃の内容は、クリスみたいに苦手な者の為にやっていて、大抵の王立学園に通える貴族の子息令嬢は大丈夫だ。


 だから、今日の授業は途中から他のクラスとの共同で行うみたいだな。

 そういう訳で、必死に考えているからか、クリスの頭に白い煙を俺は幻視しながらクリスを助けた。


 昼休憩を挟み、他のクラスとの共同授業が始まった。

 予想通りと言って良いのか、勇者の少年が向こうのクラスに居た訳だ。


 授業を始めるにあたり、お互いの軽い自己紹介をした。

 どうやら、勇者の少年の名前は、ゲーム設定の「セリオ」のようだ。

 それと、ゲームでの(ディーン)の取り巻きのパシり「ダリス」は、違うクラスみたいだな。



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