証拠なら、有りますよ。
幾ら「有る」とはいえ、中世の人間に現代の定番の法的処置をするのは、チートかな?
証拠はもう充分……だよな?
うん。
充分な筈だ。
だから、周りの音声を録音する魔道具を止めた。
それじゃあ、くそ野郎共の制圧開始だ!
俺は、前世の日本の古流武術で言う所の「無刀取り」で素早く騎士から剣を奪い、そのまま騎士の右腕を切り落とし、返す刀で、使いの右腕も剣を投擲して切り落とす。
未だに状況把握していない、残った護衛との戦いは、サロンから出ても続き、一瞬の隙を突いて右膝を上から蹴り落とす事で逆向きになるまで蹴り抜き、無様にも持っていた剣を手離したから剣を奪い、他の者と同じ様に右腕を切り落とす。
その間、部屋に居た侍女がガタガタ震えながらも馬鹿の前に立ち肉壁になっていた。
……うん。この状況で、役目を果たすか。
「其所の侍女。」
「……は、はい。」
「心からの忠誠を誓うのなら、仕事を失った時はリーガル家に来い。正規の給金と正当な待遇で雇ってやる。」
「……」
「シルヴィア。」
「はい!」
「此処を退室して、学園長と学園専属の騎士に事情を説明して連れて来い。」
「畏まりました。」
「リンは、俺が処理を済んだ者から拘束しろ。」
「分かりました、ディーン様。」
俺は、血を流しながら激痛に苦しむ奴らから、切った切断面を魔法で焼いて止血していった。
最後に、放心状態の馬鹿を椅子に座らせた。
……ちっ!
この馬鹿が王族でさえなければ、全抜歯するまで顔を殴ってやるのに!
そして、外付けみたいになっている股関にぶら下がっている内臓を膝蹴りで2つ共に潰してやるのに!
更に、全ての指から、「爪」をゆっくり剥ぐ!
そんな死ぬ事は無いが、生き地獄な拷問方法を考えていると、シルヴィアが学園長と専属の騎士を呼んで来た。
「何があったのですか?」
「学園長。実は……」
それから3日後に、俺だけが王宮に喚ばれた。
まあ、国王も俺だけなら言い含められると考えているのだろうが、そうは問屋が卸すかよ!
「待たせたな。」
国王が、俺が待つ応接室に入って来た。
俺は、型通りの挨拶をする。
そして、定型文な世間話をして本題に入った。
「フールハングが、処刑にしろと言って来ているが、申し開きはあるか?」
「勿論です。」
俺は、サロンで何があったのかを説明した。
「しかし、話の内容がフールハングとは違うな?」
「はい。フールハング殿下が、国王陛下に虚偽の報告をしたからです。」
「しかし、証拠が無い以上は、儂は王子であるフールハングを立てねばならん。」
「証拠なら、有りますよ。」
「何!」
俺は、あの時に使った魔道具を起動して、録音した音声を流した。
……音声を聞いて顔色が青くなる国王だが、ざまぁだな。
「……確かに、フールハングの声だ。こんな音声を残されたら庇いようが無い。」
「さて、三男ではありますが、筆頭侯爵家の私ディーン=フォン=リーガルが、インペリアル王国の国王陛下にお尋ねいたします。どの様な御裁断をされますか?」
「……フールハングには、厳重注意をし、2週間の謹慎を言い渡す。」
「申し訳ありません。私はフールハング殿下の父親としての言葉ではなく、インペリアル王国の国王陛下としての、御裁断を伺っているのですが?」
「……ぐっ……」
「私の家の代々の当主は、『全ての仕事』を全うしております。今代の国王陛下は、その意味を正確に理解されておられますか?」
「それは……」
「私は、既に当主の仕事を共にしております事を付け加えさせて頂きます。」
「なっ!?」
「国王陛下、御裁断を。」
誰がお茶を濁してやるものか!
絶対ぇ、逃がさねぇからな!
そして、新品の音声録音の魔道具を起動。
「……フールハングには、……」
「国王陛下、身分が抜けております。」
「……ぐぅ。……インペリアル王国の第3王子フールハングには、……イ、インペリアル王国国王として、た、只今を以て、み、身分を剥奪の上、国外への追放を命……じる。」
「国王陛下、続きを。」
「……ま、また第3王子フールハングを教育した第4側妃には、同じく身分を剥奪の上、実家のザタワー子爵の領地に永久謹慎を言い渡す。」
俺は、魔道具を止めた。
「流石は国王陛下です。素晴らしい英断でした。」
「……ちょっと待て! その胸の物は何だ?」
今頃、気付いたのか。
「ああ。音声録音が出来る魔道具です。」
「……そんなに小さかったのか。」
「はい。先程の御言葉も録音しました。王国に忠誠を誓う私としても、納得する内容でした。今後も王国に忠誠を誓わせて頂きます。」
……ん。
何か品位の無い足音が、近付いているな。
「パパ!」
「フールハング!」
「パパ、聞いたよ! あの憎たらしいリーガル家のガキが来ているって。」
「……」
「……! ちょうど良い。今度こそは、パパの前だ。きちんと聞こえるだろう。もう一度言う。お前の婚約者と侍女と侍女候補を寄越して、お前は僕の部下にな……ぶげぁ……」
俺は、目の前の平民が不敬な事を言った為、王国を支える侯爵家の者として、制裁を加えた。
ただ、拳を使うと、汚物を素手で触る様な嫌悪感がする為に靴底で蹴る事にした。
序でに、勢いに流された振りをして、何度も靴底で顔面を蹴りながら、更に股関の内臓も潰した。
「な、何をしておる! 王子を蹴るなど、厳罰に処す事になるぞ!」
「おや、国王陛下、何故、私に注意が? 私は、あそこに居る平民が、侯爵家の私に対して不敬を働いたので制裁を加えただけですが。」
「……平民だと?」
「はい。この国王陛下の音声を録音した魔道具には、しっかりと録音されていますよ。国王陛下が『只今を以て、身分を剥奪の上、国外への追放を命じる。』と。」
「なっ!?」
「はっきりと、『只今を以て』と録音されております。そして、この魔道具は、何時起動したのか、分かる様になっていますから、国王陛下の御言葉で、あの者は、既に身分を持たぬ平民でございます。しかも、国外追放が決定している者です。」
「そんな……」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




