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サイラス兄さん、お幸せに

アッサリですが、多分最後の出番です。

 あれから3週間経つが、マリーナの弁当屋はすっかり周りに馴染み繁盛しているみたいだ。


 さて、今、俺は何をしているかと言うと、王都の神殿に居る訳だが、別に何かして捕まったとかじゃないからな。

 実は、サイラスの結婚式が執り行われている。

 相手は、予定通りと言うと聞こえが悪いが、婚約者のアマリアだ。

 正直、サイラスには勿体ないが、両思いな上に彼女の方がよりサイラスを好きなので祝福するのは(やぶさ)かではない。


 ……まあ、あの笑顔を見たら、そういう毒気は消えた。


 サイラスの弟として、また侯爵家リーガルの後継者として、またルミナスローズのオーナーとして、サイラスの婚約者「アマリア・タガル・アシーマレ」に、ルミナスクラウドのフルオーダーメイドのウェディングドレスを贈った。

 最初に話を持って行った時は、両親と一緒に遠慮していたが、最後はリーガル家の威光を使った。

 更に、彼女の領地で金策が間に合わずに頓挫している公共事業を代わりに代金を払ったりした。

 他にも、金で解決する事を2つ程したら、ギブアップしてルミナスクラウドのフルオーダーメイドのウェディングドレスを受け入れた。

 全く、善人が遠慮すると、口説き落とすのは大変だ。


 ……あ、言っておくが、リーガル家の威光と言っても、脅迫や暴力じゃないからな。

 しかし、ある意味「脅迫」かな?

 結婚したら、リーガル家からの追加の援助内容を教えたからな。

 全て「裏」無しの善意の申し出だぞ。

 道路の整備や周辺の街道整備や、浮浪者への仕事の斡旋とか色々と、な。

 そして、フルオーダーメイドのウェディングドレスを断ると、これ()をしないぞ、言ったりした。

 結果、受け取ってくれた。


 ……それと、アーロンの件があるから、警備態勢は万全を期している。

 牧師役の司教には、ほぼ万能の毒消しのポーションを3本を隠し持たせているし、暗器が無いかを俺が確認した。

 まあ、アイテムボックス系のスキルや魔法を持っていたらアウトだけどな。


 そして、問題なく神殿での結婚式は終了した。

 この後は、会場が王城に移り披露宴となるのだが、この移動の隙を突き、リーガル家に恨みを持つ貴族がアマリアの暗殺を狙っていた。

 そんな事を俺が許す訳もなく、リーガル家の暗部を使いあっさり捕縛し、一時保管場所に置くように指示をした。

 因みに、その場所からマイダンジョンを往復出来る様にしてあって、リリスを中心に実行犯の心を折っている最中だ。

 そして、今日のリーガル家としての権限を全て俺が一時的に受け取り、無事に終われば、リーガル家の裏表の権限を全て俺が引き継ぐ事になっている。

 まあ要するに、卒業試験だな。


 さて、王城にて、披露宴の開始時間まで一時解散をして、俺はサイラスの部屋に入った。


「結婚おめでとう、サイラス兄さん」

「あ、ああ……」

「どうしたの、サイラス兄さん」

「いや、アーロン兄さんの事を思い出してな」

「大丈夫だよ。流石に、王城であんな事は出来ないよ」

「……」

「サイラス兄さん?」

「ディーンは、祝福してくれるのか?」

「勿論だよ。アマリア義姉さんを大切にしてあげてね」

「それは勿論だ!」

「それなら良いんだ。それじゃあ、僕も失礼するよ」

「……ディーン」

「何、サイラス兄さん」

「ありがとう」

「サイラス兄さん、お幸せに」


 まあ、中身の合計年齢は軽く30超えているし、まあ良いかなっと思って祝福の言葉を贈った。

 次は、今日から正式に義理の姉となったアマリアの陣中見舞いをするか。

 普通の義理の弟としてなら、このタイミングで行く必要は無いけど、今回の警備の最高責任者で、筆頭侯爵リーガル家の次期後継者としては挨拶をしないといけない。

 それと、恋愛感情は無いけど純粋に気に入っている女性の結婚だから、祝福を贈りたいと思っているしな。

 正直、サイラスと無関係の貴族と結婚しても、俺は何らかのお祝いをしているだろう。


 そして、部屋の前に到着してノックする。


「どうぞ」

「アマリア義姉さん、サイラス兄さんとの結婚おめでとうございます」

「ありがとうございます、ディーン様」

「義理とはいえ、姉弟(してい)になるのですから、『様』は付けなくて良いですよ」

「……分かりました、ディーン君」

「敬語も付けなくて良いですよ」

「……分かったわ、ディーン君」

「それと遅れましたが、とても似合っていますよ」

「ありがとう。それにしても、まさか、あのルミナスクラウドのウェディングドレスで、しかも、フルオーダーメイドだなんて夢みたいだわ!」

「……まさか、ウェディングドレスだけと思っているのですか、アマリア義姉さん?」

「え、違うの?」

「勿論ですよ。最低でも、普段着用と、夏と冬の社交界にそれぞれ6着は毎年、送ります」

「……え!?」

「本当ですか?」


 空気になっていたアマリアの両親が割って入った。


「当然です。義理とはいえ、僕の姉となるのですから、リーガル家の次期後継者として、またルミナスローズのオーナーとして、きちんとやるつもりです」

「……」

「……ディーン様、ありがとうございます」


 父親は固まり、何とか、母親がお礼の言葉を発した事で、場が和らいだ。


 ……ちょっと罪悪感がする。

 ルミナスシリーズは、俺から見て、原価千円を一億円で売っている様なもんだからな。

 ぼったくりにも限度が有るが、まあ異世界だし、地球だって昔は、胡椒と黄金が同じ重さで取引していたから、文句言われる筋は無いな。


 この後、軽く雑談して退室した。


 因みに、警備は見える所は騎士団を配置して、見えない所はマイダンジョンの人化したモンスターを配置している。

 当然、新郎新婦の護衛はマイダンジョンモンスターだ。


 そして、披露宴は盛大にして和やかに終了した。








 ???side


「進軍せよ!」

「ははあ! デスヘル様」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


サイラスは、アーロンとの死別を経て、より実直に、より誠実に公私を過ごしていました。

その報告はディーンも聞いていました。

だから、サイラスに対しては丸くなっています。

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