さて、モンスター共を蹴散らすか
最近のオンライン以外のRPGで、攻略本無しでイベントをフルコンプリートするには何時間掛かるのだろう?
3日間の休日が終わり、俺達とセリオ達はリデシャリス王国の郊外に立っていて前方の3km先にはモンスターの群れが見えている。
そして、俺達の遥か後方にはリデシャリス王国の騎士達が王都の正門前で防衛線を張っている。
「さて、モンスター共を蹴散らすか」
「ディーン……」
「前も言ったが、こういう時は裏方の方が良いんだよ。
表に出れば、リスクとデメリットしかないからな」
「……分かった」
「まあ、魔族が見付かるまでは、体力を温存していろ」
「……すまない」
「さて、行くか」
「「「「「「はい!」」」」」」
勿論、リン達の戦闘力を爆上げる「裏装備」をしている。
だから、蹂躙! 鏖殺! 無双! 状態な訳だ。
それでも3時間掛かったが、全滅させた。
そして……
「あはははは……」
「誰だ?」
討伐したモンスターの「影」から魔族が現れた。
外見は、転スラの道化の太っていた奴が一番近いかな?
「ボクぅ? ボクはね、魔王様の四天王の1人ビスト」
「つまり、今回はお前が引き起こしたんだな?」
「そうだよぅ。でも君達に全て壊されたから仕返しをしないとねぇ。」
俺は、右手を天に掲げ空中に火球を放ち、爆裂させ合図を送る。
勿論、合図の受け手は言うまでも無いだろう?
「……何をした!」
「さあな」
こいつも大した事ないな。
この程度で、仮面を外すようじゃあ駄目だな。
さて、俺も時間稼ぎの道化をするか。
「……さて、やろうか」
「君程度が、相手になるのかなぁ?」
多少は冷静になれたみたいだが……
「行くぞ」
「どうぞぅ」
こうして、俺は「主人公」が来るまでの時間稼ぎを始めた訳だが、……弱いな。
確かに、影に潜り、違う影から現れ攻撃するのは脅威だが、気配察知や魔力感知が出来るのなら反撃や迎撃は容易い。
俺は、小さな傷を与えながら時間稼ぎをしていると、どうやら待ち人の「主人公」が到着したみたいだ。
「ディーン!」
「早い到着だな。あいつが、今回の黒幕の魔族で魔王四天王の1人らしい」
「……誰ぇ?」
「魔王四天王の1人!」
「ああ」
「そうか。こいつを倒せば……」
「ボクを無視するなぁ!」
「……お前は、この勇者セリオと皆で倒す!」
「……勇者ぁ? そうかぁ。君が勇者かぁ」
「セリオ、不意打ちに気をつけろ」
「分かった」
「君を倒して、魔王様に誉めて貰うんだぁ」
「行くぞ!」
その後は、セリオの掛け声が合図で予め唱え終わった魔法を放つリアナ達。
……卑怯?
何故だ?
これは、国王陛下の前でやる騎士達の御前試合とかじゃないんだから、勝つ事が最優先。
まだ、セリオの掛け声が有るだけ紳士的だ。
「……くくく……え!? 動けない! ま、待て~……ぎゃあああーーー……」
粉塵が収まり、粉塵の中心部の魔王四天王を見ると立っているのがやっとの様に見えた。
「止めだ……覇刃雷皇剣!」
「ぐ、ぎゃあああーーー……」
「……僕達の勝ちだ!」
この後、残務処理を済まして、今はリデシャリス王国の俺達に用意された部屋でゆっくりしている。
「ディーン様」
「どうした、リン」
「あの時の魔王四天王の動きに疑問があります。もしかして……」
「あ、ああ。俺が意味も無く浅い傷で終わらせる訳がないだろう。アレは傷を利用した呪縛だ」
「……やはり」
「まあ、効くかどうか分からないから、一応はアドバイスもしたがな」
「ディーン様は、意外と甘いな」
「リーナ!」
「だって、そうでしょう、リン」
「まあまあ」
「ネイ……」
「ディーン様が甘いからこそ、私達が今、此処に存在るんだから、ね」
「分かったわ、ソアラ」
勇者セリオside
「なあ、レイラ」
「何、セリオ」
「あの時、魔王四天王の動きが止まっていたよな?」
「きちんと気付いていたのね」
「当たり前だよ。気付かなかったら、日頃の鍛練で何回死んでいるか、分からないよ」
「つまりは?」
「リアナ、ディーンだよ」
「やっぱり」
「そうよ、ルシア」
「ファナも気付いていたのか」
「当たり前よ! あんな分かり易い動きをされたら、バカでも気付くわよ!」
「……全く、ディーンのやつ」
ディーンside
さて。
この国での前半は終了して、此処からは、インペリアル王国の筆頭侯爵家次期後継者にして、大使代行の俺のターンだ。
と、言ってもある程度は終わらせており、細かい所を調整するだけで終わった。
残りの日数は自由時間な訳だ。
事務処理を終わらせた事を報せる手紙を我が王国に送ったし、セリオ達勇者御一行は帰った。
俺は、正式な大使が来るまで待機の状態だ。
まあ、実際は帰ってから引き継ぎも出来るのだが、残った理由は、このリデシャリス王国には5年に一度だけ咲く幻の花がある。
そして、都合良く、その花が咲く時期が今な訳だ。
当然、このリデシャリス王国の王都にも、俺の個人所有している屋敷がある。
つまりは、「花見」だ!
3日後に、クリス達と一面に拡がる美しい花を見ながらピクニックをした。
この情報は、10周目でやっと知る事が出来るヤツで、ゲームでは、偶然見合わせたリアナ達が感嘆の声を出し、その笑顔にセリオがリアナ達を異性として意識するシーンとして使っていた。
まあ、リアルで見ると本当に綺麗で、クリス達も顔を紅潮していた。
……俺は、この笑顔を見れただけで充分だ。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




