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皇帝になったブラック社員  作者: 田子猫
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怪しい招待状

「・・・と、これがギルリルの観察とミケの情報を合わせた分析なのだが」

「なるほど、理解いたしました」


メルミアは腕の中で真剣に考えこんでいる。

エルベレスの部屋で一緒に夕食をとり、タマが後宮に作ってくれたスーパー銭湯風の浴室で汗を流した後、メルミアの部屋に2人だけで引き籠った。

ベッドの上で全裸で抱き合っているのはいつもの事であるが、今日は侍女の立ち入りを禁じてあるので口さがない連中を気にして義理の行為をする必要もない。


メルミアがミケと似ているのは、ただこうして抱きしめているだけでも満足できるというところだろう。


「エルフの男ということは炭鉱出身者ですから、背後にいるのはそれぞれの鉱山に代官として配置されていた元下級貴族かしら」

「ああ、子弟を近衛に差し出していたこともあり、爵位を取り上げる見返りにそれぞれの鉱山の事業者にしてやった奴らか」

「それだと貴族繋がりという線も考えられますけど、おかしなことがあって」

「ん?」

「貴族の方から夜会への招待状が来まして」

「うん」

「手渡して来た学生は、親に渡すよう言われたとだけで、なぜ私を招待するのか不明です」

「メルミアが辺境伯夫人という地位にあったことを知る者はいない筈だからな」

「はい」

「元はとついても貴族が平民を夜会に呼ぶとは考えられない。まあ、部隊長は通常将校だから、貴族と見なすという事かも知れんが、怪しい事この上ないな」

「はい、かと言って無視すれば言いがかりつけてきそうですし」


招待状を直接渡すというのは相手を貴族と認識した行動に他ならない。

後宮の住人という事は隠していないので当然知られているが、後宮には貴族令嬢も平民も奴隷もおり、貴族のひも付きでないメルミアを貴族令嬢と誤解するはずがない。


特に公表はしていないが、メルミアは最近(ミケに気に入られて)正妻に昇格し、地位的にはミケ・タマ・エルベレスに次ぐ正妻なので王族というのが正しい。

今のところ正妻候補であるエリカとゾフィーであれば貴族待遇でも良いだろうが、王族に対する招待は元の世界でいう所の官房にあたる王宮府を通さなければならない。つまり王宮府長の第1王女が俺の決裁を受けた上でメルミアに話が行くという流れになる。

形式を何より重んじる貴族が王宮府を通さないという事は、メルミアを多くの妾の一人と認識しているという事になる。


だから部隊長を将校と見なしたのだろうという推測になるのである。


『タマ』

『なぁに?』

『ギルリルの件が終わったら、メルミアが招待された夜会について探ってくれ。お前の仕掛けが効いていないのが気になる』

『うん、確かに昨日の今日で夜会というのは変だね』

『姿を変えて行けよ』

『もちろん、今回はちょこっと魔物も使ってみるよ』

『任せる』


「今タマにその夜会とやらを探るよう依頼した」

「はい」

「タマの出番はまだなかったよな?」

「はい、今月はまだ魔物との戦闘実習には入りませんから」

「手探りの部分も多い所で、大変なことも多いと思うが、頼むぞ」

「はい、あなたの役に立てることを心から嬉しく感じます」


そう言うと、珍しくメルミアの方からキスをして来た。

キスのテクニックに関してはメルミアの右に出るものはいない。

眠りにつくため高ぶった神経を抑えるにはそれで十分なのである。

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