11月22日
この日記ももう終わりにしようと思う。
だって、読み合うはずだった、こんなこともあったねって笑い合うはずだった君は
もうこの世界のどこにも居ないのだと分かってしまったのだから。
今日はようやく君の墓に花を贈ることが出来たんだ。
プロポーズも、したけど
ちゃんと、聞こえてたかな?
今日は世間ではいい夫婦の日らしいんだ。
指輪、はめてあげようと思ったんだけど
素人の僕じゃどれが君の左手の薬指が分からないからはめてあげられないのがとても残念でならなかった。
小さくなってしまった君の眠る場所は水浸しになっていて寒かっただろうし、苦しかったかもしれない。
もっと早く君の場所に会いに行くべきだったね、ごめんね。
今は綺麗にしたし、君の浸かっていた水を
君が好きだった桜の木で始めた盆栽への水やり用に持ち帰って今日から桜与えていこうと思うよ。
君と僕には子供が出来なかったから、代わりとしてめいいっぱい愛情を注いで育てて行こうと思う。
次からは桜と一緒に毎週末に顔を見せに行くよ。
綺麗な花が咲いたらきっと君も喜んでくれるだろう。
僕達はまだ誰一人救われていないけれど、時は確かに確実に流れて行くのだと分かってしまった。
残酷だと思う。
君を殺した人間はまだ、司法で裁かれない。
悔しくて君もゆったり眠れないだろうけど君の分も僕が戦うから君はゆっくり休んでいて。
恨み続ける事は、疲れるだろう?
優しい君は、もしかしたらもう、犯人を許しているのかもしれないけど
僕は、僕が死ぬまで恨み続けるよ。
朝起きて、家に戻って、寝る時も、君を思い出す度に君の分まで、あいつを恨み、憎み続けるだろう。
その事で君が奪われた事実を忘れない為に。
でも君と過ごした鮮やかな輝くような優しいあの日々も忘れないよ、僕の最愛の人。
最後の愛を送る人。
ゆっくりとおやすみ。