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バイク乗りの歌  作者: Gie
3/6

ライダーズカフェ

ライダーズカフェ



オレ:「こんにちわ〜」

店員:「いらっしゃいませ〜」

オレが店の中に入ると、既に数人のお客さんがテーブルやカウンターでコーヒー

を飲みながらバイク談義をしていた。

......今日はオレの知ってる人はいないか......

そう思いながら、オレはいつもの席に座わり、店員にコーヒーを頼んだ。

店員:「おまたせしました〜......

    今日は何処かに行かれたんですか?」

オレ:「ん? いや......ホントは昨日行くつもりだったんだけど、

    昨日は雨だったでしょ?

    で、今日も天気は何とも分からない感じだから、どうしようかなぁ......

    とか思いながら、ここまで来た感じですよ。」

店員:「そうでしたか......

    あっ、そうそう、先週のレースは見ました?」

オレ:「あっ、そういえば先週のは見てないなぁ......」

店員:「じゃぁ、録画を再生しますね。」

オレ:「よろしく〜」

店員はカウンターに戻ると、壁に掛けられた液晶テレビのリモコンを操作し、

録画されていた先週のバイクレースを再生させたので、オレはコーヒーを飲みながら

レースを見始めた。



A男:「だからさ、バイクに乗るって事は、危険を伴う事だから、

    いつかは降りる覚悟は決めておかないといかんべ。」

ふと、そんな声が少し離れた席から聞こえた。

声の方を見ると、知らない男が2人で話をしていた。

オレはコーヒーを持ってその2人の近くの席に移動する。

B男:「でもなぁ......確かに事故って親に泣かれたりしたけどさ......

    やっぱりバイクは好きで、また乗りたいって考えちゃったんだよね......」

オレ:「気持ちは分かるよ。オレの仲間にも懲りないヤツはいるし、

    オレも死ぬまでバイクは乗り続けるだろうなぁ......って普通に考えてるし。」

B男:「だろだろ?!」

オレ:「でも、周りでバイクを降りたヤツとかを見ても、それはそれで一つの決断だよな。」

A男:「そうそう、そこなのよ。

    要はさ、五体満足じゃないのにバイクにしがみ付いたって、

    それは意地でしかなくて、楽しくもなんともないじゃん?

    楽しんでこそバイクだよ!」

B男:「そうかぁ...... やっぱりそうなんだろうなぁ......」

オレ:「でもまぁ、誰にも迷惑かける事なく乗れるなら乗ったっていいじゃん?

    その辺りはもう大人なんだから、自分で判断できるべさ。」

A男:「そうだね。自分で判断できなきゃ、バイクは乗ってなれない乗り物だものな。」

B男:「だよね〜......」

......という感じに、オレは全く知らないバイク乗り達の会話に入っていく。


そして、話題はいつの間にかバイクから人生観に変化していた。

B男:「やっぱ若いうちじゃないと冒険はできないっしよ!」

A男:「まぁな〜...... でも、自分の背丈に見合ったことにしないと、

    後々大変になるだろ?」

B男:「そこはだから若さでカバー!

    やれるうちはやってみるのが一番でしょ!」

オレ:「オレはどちらかというと冒険しない方だったなぁ......

    何ていうか......後々まで考えないと行動できなかったから、

    ある意味臆病なんだろうね。」

そこで、別のバイク乗りが会話に入ってきた。

C男:「臆病でいいじゃん! 何事も平和が一番よ?」

A男:「やっ、それが普通よ?

    コイツはちょっとネジが飛んでるだけだから!」

ハッハッハ〜!と笑いながらA男はB男の肩を叩く。

B男:「そんな事言っておきながら、Aさんだって昔は色々無茶したって聞いてますよ〜?」

オレ:「......まぁ、雰囲気的にはそんな感じあるよね......」

B男:「へっへ〜! 言れてやんの!」

A男:「何を〜?!」

そう言いながら、A男はB男の頭をヘッドロックする。

オレ:「んで、どんな無茶したんですかい?」

C男:「あぁ、オレも聞きたい。」

オレとC男は少々ニヤケながらA男に聞いてみた。

A男はオレとC男の顔を見て、少し照れて頭を掻きながら話し始めた。

A男:「ん〜......実はな、昔.......」



色々なバイク乗りが集まり、色々な話をして、色々な経験を積み重ねる。

乗っているバイクも違えば服装も年齢も仕事も違う。

でも、バイク乗りはバイクに乗っているという事だけで、昔からの仲間のように会話をする。

バイクの話だけではない。自分の人生観も、自分の価値観も言い合う。

他の集まりではこうはいかないだろう。でも、バイク乗りはそれが普通だ。

だからこそ、バイク乗りはライダーズカフェに集まるのかもしれない。

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