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シリーズ(仮)

山名統也からの印象。

作者: 真那斗



例の事件があった世界にある惑星スティークタットで


科学的に超能力を研究している組織があった。


組織というには規模が小さいが、まぁ超能力を分析し、扱える形に持っていける。


その研究が成功した例は珍しくない、が。





この成功例、小出神楽は、面白くなりそうな気がする。





魔法を、教えてみる事にする。





思ったとおり、こいつはいけそうだ。




こいつなら、あの世界でやっていけるんじゃないか、と思った。


あの世界を…。現実と非現実とが入り混じったようなあの世界。




彼が行く事はできず、俺がいっても、変な影響しか与えられずに終わりそうだった、あの世界。


神楽なら、俺の思い通りか、それを超える結果をもたらしてくれる、そんな気が……する。




今まで、彼の作り出した世界の人物に魔法を教えた事など…無かったが。



魔力に触れさせて魔法を編み出させた事は有った、が。


直伝で魔法を教えるとは思っていなかった。




俺の影響は、あの世界に入った途端起きた、が…


あんな影響が出る世界では俺が活動してはまずいと、そう感じた。


彼自身がその世界に入れるなら、影響は全く無い、どころか影響の無い様に、


その世界を内部から作り変えてしまえるのだろうが。




俺は、元居た世界を『失った』。


それこそ、判断ミスで。




しかし、あの判断ミス自体彼に作られたものだとしたら。


…今は彼に感謝している。彼をどうにかしようとは思っていない。


彼の意識がたまに俺に流れ込んでくる。


俺は、彼と同化している時期がある。


失った、と言うのも誤りなのかもしれない。


作られるはずだった世界が作られずに、事故で失ったという『設定』だけなのかも知れない。




いずれ彼は俺の本来の物語を作り出し、世界を失わせるのかも知れない。




しかし、どうやって失ったのかは今は知らない俺だが、


避けられないほどのどうしようもない事態だったのだろうか。




今『世界』を旅しているのは、それをどうにか変えるための力をつけるためなんじゃないだろうか。


そんな気すらしてくる。




彼の物語の中に、幾つかの知り合いが、居る。


『時』を操る一族の者が居る。


『異世界』を渡る一族の者が居る。


異な縁で知り合うことになった知り合いが居る。


魔力に触れさせた彼らは、俺の力になってくれるのか、


それとも彼らと会って知る何かが俺に必要だったのか。


…あれらの世界もまた今は停滞していたな、そういえば。


神楽の居た世界にも知り合いができた。


神楽の行く世界には、奇妙な知り合いが『居る』。


向こうはこちらを知らないが、何かを感じているかも知れない。





彼自身、俺をどうするのかわかっていないようだ。


…彼自身が俺となっている時があるのだから。


俺には、後二人の『仲間』がいる。親友とも呼べる。


…あいつらもまた同じように考えてくれているのだろうか。




俺がこの世界に関わろうとして関われずに、神楽に託し、足止めを受けている間、


彼らは…何をし、何を考えているのだろうか。




同じ世界に具現することもある、違う世界に行っていることもある。




だからこそ、彼が語ってくれない彼らの話を


聞きたいと、知りたいと願う俺が、いる。




いつか、語ってくれるかい?




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