衝撃
学校の屋上に飛んでからどれくらい時間が経っただろうか。
現実逃避するために、今は何時だろうとか友達はみんな何をしているのだろうなどと考えていた。
さっき、美咲さんから放たれた発言はそれほど衝撃的な話だった。
僕が問い詰めると、美咲さんはしぶしぶ話し始めた。
「渉、お化けや怪異などを信じるか?」
「はい…」
「簡単に言うとあいつらはそういう部類の物だな。」
「簡単に言わないでくださいよ!!」
「まぁ、落ち着けよ。私だって焦っているんだ。」
確かに、イヤホンから聴こえてくる美咲さんの声は少し震えているような気がした。
「神様は、私を含め3人いる。天国の神、地獄の神、そして私だ。」
「私達は生まれた時から神であった訳ではない。」
「えっ、えぇええええええええええ」
「うるさいなぁ、耳に響くぞ」
この人はさらっとなんということを言っているのだろうか。ということはもしかすると…
「あのぅ…もしかして元は人間だったりします?…」
「あぁ!3人ともそうだ。」
「はは…」
急展開すぎて正直ついていけなかった。
「続けてください。」
「む…わかった。」
「それでだ、その神様になるのにもいろいろと試練があった訳でだな。」
「その中の一つ、神様に必要な強さを持っているかという試練があったんだが…えーっと…その…」
「なんですか!早く言ってくださいよ」
「怒るなよ?」
「内容によりますね。」
「その試練で私は自分の力を試したくて、500万人殺した。さっきの女は殺した奴の中にいたような…いなかったような…」
「どっちですか!」
「いました…」
「ということは、美咲さんに殺された人が美咲さんを怨んで悪霊になったってわけですね?」
「そういうことになるな。」
「ということは、あと499万9999人いるんですか!?」
「…はい。」
僕は屋上でぼーっとしながら、この絶望的な状況をどうしようかと考えていた。
「美咲さん。」
イヤホンにむかって呼びかける。
「ん…なんだ?」
「だいたい、なんで僕が狙われるんですか?僕は美咲さんじゃないですよ!!」
「それはそうだ!」と美咲さんは笑っている。
「何がおかしいんですか?」
「お前は私じゃない、けど、人間界に飛ぶ時に私の力を少し与えただろ?だから霊気は私のものなんだよ」
「あ、」
思い出した、ここへ来る時に美咲さんの力を少しもらっていたのだった。
「僕はこれからどうしたらいいんでしょうか…」
もう半泣きだった。とても怖かった。すがるような思いで美咲さんに聞いた。すると…
「はぁ…しょうがない。」
「こんなことは異例だが1度お前をこちらの世界に引き戻すことにする。お前も最低限、自分の身が守れる位の力は欲しいだろ?」
「もちろんです!!」
「よし!そうと決まれば、とりあえず飛ぶ時と同じ感じで目を閉じて祈れ。こっちから引き上げてやる。」
「はい!」
深く深呼吸をして、目を閉じて祈る前に
顔をパンパンと叩き気合いを入れた。
「よし!やるか!」
ゆっくりと目を閉じ強く祈った。
「おかえり!」
目を開けると、最低の神様が僕を出迎えてくれた。




