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女子会③(友人②視点)

華のことで落ち込みまくっていた私たちだったが、夏帆の思わぬお祝い話で、その場が盛り上がる。

やっぱり、親友の幸せな報告を聞くと、こっちまで幸せになってくる。


だが、どれだけ幸せな話をしてても、話題は、華のところへ戻っていった。

だって、誰も納得なんてしていないのだ。

大好きな親友の幸せ話なら嬉しいし幸せになれるけど、大好きな華を傷つけた大嫌いなあいつらの幸せ話なんてイラつくだけ。寧ろ、不幸話に喜びを感じてしまう。

自分でも性格悪いんじゃないかとは思うんだけどね……でも嫌いな人の不幸話ってすっきりするし…それにざまぁって嘲笑いたいんだよね。


「で?友は?」

「ん~?私も大したことはできてないよ?

本当はそれこそもいでやりたかったんだけどね?

二人と違って、直接つながりもなかったし。

もう、つて探すの大変だったよ~。

でも、探したら見つかるもんだね。

灯台もと暗し、世間って案外狭いって本当だね。

あの女が通っている料理教室に、遥が通ってたんだ。」

「妹ちゃんが?」

「うん、あの子結婚控えてるからね。ここら辺で、一番人気の料理教室っていったらそこなんだってさ。」

「結婚か~!おめでとう~!」

「ありがと。伝えておくね。……でもさ、妹に先越されるとは思ってなかったから地味にショックだよ。」

「友の方は、彼氏さんと話進んでないの?」

「全然その気配なし。いっそのこと逆プロポーズするべきかな~。」


一通り、彼氏の愚痴と相談とのろけを言い終わると、話はまた元に戻っていく。



「ああ、そうだった。それで、私がしたのは、ただ、遥に毎回違ったブランド物のバッグとか小物とか持って通わせただけだよ。

あの女、料理教室にブランド物ぞろいで通ってたらしいのよ?

で、そのブランド物自慢、自分の家の自慢、お父さん自慢、婚約者自慢、自分の美貌自慢、はては婚約者を寝とった自分の魅力自慢、もー、どんな話してても必ず自分の自慢話にするんだってさ。

遥が、今までいい雰囲気だった教室がぎすぎすしだしたって愚痴言うから聞いてたら、余りにもあの女っぽくってさ。聞いてみたらビンゴ!

試しに、一度遥にブランド物持たせて行かせたらさ、自分の持ち物自慢できなくて、プライドが傷付いたみたくって、遥にかなりつっかかってきたんだって。

もー、それ聞いてから、身内のブランド物総動員させて遥に持たせたよ。あと、私最近はまってるんだけど、ブランド物のレンタルあってさ。そこでいろいろ借りて使ってるのよ。そんなに高くないし、同じものばかり使ってるのも嫌だから結構いいんだけどね。

そこで借りて使ってるのも、フル活用させてもらったよ~。

あとは、同じ教室の人と、協力して、あの女のブランド物は無視して、お互いのものだけ誉めあったんだって。

同じ教室の人も、あの自慢話ばっかりの女を快く思ってなかったみたいでさ。

あの女もバカよね。

女子社会では、『自慢話をしたら、必ず相手の自慢話も聞く』『誉められたら誉め返す』なんて当たり前なのに。それをしないなんて。」

「だよね。会社みたいに男性もいるとか仕事の場とかならそうでもないけど、完全プライベートの女子だけの世界なんて、ただでさえ難しいのに。」

「何も遮るものなかったら感情だけで動いちゃうこと多いよね。そういうとこ分かってなかったのかな?」

「女の武器を使うのは上手くても、女子に溶け込むのは苦手だったんじゃない。」


「それ当たりかも。なんか、どうも友達作ろうとしてた節があった…って遥が。」

「……そんな態度で?」

「うん。今までも友達は少なかったみたいなんだけど、華の件で完全に切れたみたい。でも、あの女としては、女の子の中心にもなりたかったみたい。」

「え~…?よく分かんない。女の子の中心って言われても、女子からしたら、人の男寝とるような女なんて、近くにいて欲しくないよね。同類だと思われたり、自分の彼氏や旦那寝とろうとされたりするかもしれないもんね。」

「確かに。同じ職場だったら我慢するけど、退職するんだったら、そっとフェードアウトするな。」

「私も。」


確かに、私も自分でいっておきながら、あの女の思考回路が全く読めないし理解できなかった。

だが、妹に『あの人はプリンセス思考なんだよ』と言われて、少しだけ分かったきがする。

要するに、自分が大好きで、いつでも周りにプリンセスみたいに大事にされたいのだ。

それなのに、周りにちやほやされない状況は、あの女にしたら我慢ならなかったみたい。

でも、遥に勝手に対抗心もやして、一度しか使わないブランド物買いまくるなんて、バカとしかいいようがない。


それでも、流石に人のカードに手を出そうとするなんて想像もしていなかった。

結局、結構いいところのお嬢さんたちが通う料理教室だったのと、手にしていただけで未遂だったので、警察沙汰にはしなかった。

本当は、警察沙汰にして、あの女を貶めてやりたかったが、それをすると、妹も、警察に事情を聞かれるのは避けきれない。

自分が被害者でも、警察沙汰になったりすると悪評がたってしまうことだってあるのだ。

結婚前の妹に、万が一のことがあってはいけないと、しぶしぶ我慢した。

だが、公にはされなかったとはいえ、人の口には戸はたてられない。

もうあの女の評判は地の底だろう。

ただでさえ、いろいろな騒動をおこして低空飛行だったのに。

当初は、ちょっとプライド傷付いて、悔しがらせたい、ぐらいの気持ちだったのに、予想外に大事になってビックリした。

でも、すごいスッキリしたし、高笑いしたい感じに嬉しい。


……やっぱり私って、性格悪すぎるかも。

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