表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/17

女子会②(友人視点)

「あー!!!もうほんっっっと許せない!!!」


悠里が、酔いも手伝ってか、興奮が収まらなくなってきた。

悠里と華は生まれたときからの付き合いで、姉妹のように育ってきたというから、仕方がないことだろうけど。


「はーい、悠里落ち着いて~。ここ一応住宅街だからね?」

「う~……ごめん……我慢できなくなってきて……。」

「気持ちは分かるから大丈夫。」


そう、悠里ほどではないとはいえ、物心つくかつかないかの頃からの大事な親友。

私だって十分怒っているのだ。




「はい、悠里、水飲んでちょっと落ち着こうか。で、夏帆の話聞こ。夏帆だって何かしたんでしょ?」


「だって、腹立ったし。」

「うん、それは分かる。」


「だから、ちょーっと、あの女の散財っぷりを副頭取の耳に入るようにしただけだよ。なーんか、華の話と整合性がとれなかったのよね。経理なんてやってると、職員の給料が丸見えなんだけどさ、貰う金額と明らかに釣り合いとれてないからさ。

もちろん頭取なんだから、世間一般の給料を遥かに超えてるわよ?

でも、頭取のお家って、世田谷の一等地なのね?

しかも受け継いだものとかじゃなくて、自分で建てたもの。

散々自慢してたんだから、こんなの職員全員が知ってるわよ。

まあ、それでも、お家が代々の資産家とか、奥さんの実家が資産家とか、その線かなって思ってた。

でも、華の婚約者だったあのバカ男を取っていったバカ女が、頭取の娘で、ブランド物やらエステやらサロンやら、贅沢三昧してるって聞いて、違和感感じたんだよね。

頭取の給料と暮らしぶりが一致しないんだもん。

ただでさえ、バカ女が迷惑をかけた慰謝料で大変なはずなのに。

でも、だからって、一職員が頭取に何かできる訳ないじゃん?

だから、ダメ元で、頭取派と反発しあっている副頭取派の秘書に世間話で話しただけ。

「私の友達に、頭取のお嬢さんと同じ会社に勤めてる子いるんだけど、頭取のお父さんがいると、毎日エステやらサロンに通ったり、ブランド物買ったりできるんだねー。羨ましいな~。私最近二の腕が気になってさ、エステとか行きたいけど厳しいもんねー。」

ってね。

その程度の話を聞いたからって、その話が副頭取の耳に入る保証もなければ、実際に副頭取が動く保証だってほぼ0じゃん?」

「まあ、そうだよね。」

「でも、今日の新聞に載ってたってことは調べてくれたってこと?」



「……ここからは、トップシークレットだからね?あんたたちだから言うんだから。

もともと、あのバカ女の父親の不正の証拠って、かなり集まってたみたいなのよ。

ただ、細々したものばかりで、どれも逮捕や辞任に追い込むには少し足りなかったみたいなのよ。

もちろん、不正は不正だから公表すべきだし、そしたらかなりのダメージを受けるわ。

でも、そんな奴が万が一ダメージが軽すぎて銀行に居残ることになったら困るでしょ?」

「あー……何だかんだいって、力のある家って、少しぐらいのことだったら揉み消しちゃうことあるもんね。」


「でしょ?

だから、証拠集めに躍起になってたんだって。

今でもまだ足りていなかったみたいなんだけど、三日前に、政治家の献金問題あったじゃない?

あれで世論が、不正は絶対許さないムードになったから、これを機に公表したんだって。

だから、私が何かできたわけじゃないのよ。

ちょっとぐらいは情報の足しにはなったそうだけど。

でも、あのバカ女の家が報いを受けてちょっとすっきりしたわー。

もともと、不正なんてしてた頭取が悪いんだしね?

もちろん、退職金なんかも、不正働いた分と相殺で、むしろマイナスになるぐらいよ!」


「……ちょっと待ってね。頭取が悪いのは同感だけど……夏帆、何でそんな内部情報知ってるの?一行員が知ってるような情報じゃないよね?」

「えっ!?」


思いもよらぬ突っ込みに、顔が真っ赤に染まる。


「その反応は!何かあったね!」

「あったけど……」

「なーにー!…話しにくいこと?」

「……恥ずかしいけど話しにくい訳じゃない。ただ、華も一緒のときでいいかな、と思ってただけで……。あのね……婚約した!……その人って同僚なんだけど、副頭取の息子さんでね……。そこからの情報……。」

「は!?………………おめでとう!!!え!?いきなり何があった!?」

「えっと……あの秘書に話したことがもとで…あからさまだったみたいで、副頭取派に話が通ったみたいでね……最初は牽制のつもりで話しかけてきたみたいなんだけど…話をするうちにいつの間にか……。」



華が残念なことになったから、少し言いづらかったけど、二人とも祝福してくれて嬉しかった。

でも、あんまりつっこまないで~!

恋ばなは聞くのは楽しいけど、話すのは照れくさいんだから~!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ