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挨拶はしません

ここで吐き出そう。


きっかけはなんだったのか、はっきり意識したのは12月頃の奥様ランチ会。


乾杯の第一声の前に、いきなり、上司夫人に研修資料を提示しながら、

「社長の奥様に伺いたいんですけど、婦人研修ではこのように、協力するようにと書かれているのに、婦人会の役員はしない方がいいって言うのはどういうことなんですか?」と地方訛の標準語で聞いてきた。


またそれか。

婦人会というのは、主人たちの会社の奥様同士の集まりで、これには様々な部署の奥様が所属する上、

そのヒエラルキーで考えると、うちは下の方の部署だから、

役員をするなどという、あまりでしゃばった真似はしない方が良いし、

過去にその暗黙のルールを破って役員をした夫人の良い評判は聞かれなかった為、

やらない方が良いと言う慣習が受け継がれているのだ。

と、彼女が赴任してきた時の世話係の関係上、私が話をした。はずだ。

いや、むしろ何度も聞いてくるから、何度も話したのだ。

「どんなことがあったんですか?具体的には何があったんですか?誰がそれを言ったんですか?」など

私に憤られたこともあった。

狭い社内の移動では、この時期にこの赴任地にいた人の名前などすぐに調べがついてしまう。

個人名など言えないのは当然なのだが、彼女に執拗に個人名を尋ねられたこともあった。


先月の11月の奥様会でも、その話を持ち出していた。

もう一人の先輩奥さんとも一緒に、

「やりたかったらやっていいんだけど、基本はやらない方がいいと思うし、やらないでほしいかな。」

と言ったのだが、

あの時も非常にしつこくて、何度言っても納得いかない顔をしてたので、

結局最後までその話の説明を延々とさせられた。

聞いている間中彼女は、ずっと口をとがらせたままだった。


私も先輩奥さんAも、同じようにまたその先輩奥さんから言われ、それを

「はいそうですか、わかりました。」

と、何も疑問を持たずに受け入れていたので、彼女がなぜその問題に執拗にこだわるのか分からなかった。


そしてまた今日だ。


注文したビールの泡がどんどん消えていく。

スパークリングワインの泡が細く細くなっていく。


今日の会の目的はそこじゃない。個人的に会って話せばよい事ではないか?

何のためにこの会を設けているのか目的が分からないのか?

この集まりは、楽しく世間話でもしながら、日頃の苦労をねぎらう会で、

そもそも、その話に関係のない人もいる。

今ここでその話題を出す無神経さを、彼女はどう考えているんだろうか?


上司夫人も、全くタッチしないことだから、結局私に聞かれ、私が答えることとなったのだが、

「社長の奥様のご意見を聞いてみたくて」とそれでも執拗に食いついてくる。


上司夫人も、なぜ自分にそういうことを聞くのか、

こういう系統の説明はあなたの仕事じゃなかったのか?と

怪訝な顔でわたしを見る。

上司夫人はこういう件に対して、ノータッチというか、ご自分の意見など差し挟まず、

「以前の流れのままでよろしければそれで。」という人だ。

困惑した表情がお気の毒ですらあった。


私の面目も丸つぶれだ。

もしも、今日、聞きたいのであれば、私、もしくはAさんに、一言、

「少し納得いかないので、上司夫人にも聞いてみてもいいですか?」と言うべきじゃないだろうか?

11月の会でも一緒に話をしてくれたAさんが、また、一緒にフォローしてくれて、

なんとか食事を始めることができたが、結局その後も彼女は不満顔のまま。

冷めた食事とぎこちない会話。全く会は盛り上がらなかった。

彼女は他者の存在を無視できる人種なのだろうか・・・。

まるで、一人で家にいて駄々をこねている子供のようだ。


そういえば、今日は来た時から私と目を合わそうとしてなかった。

挨拶したら、聞こえないふりをしてそっぽを向いたから(隣にいた彼女と同期の奥さんはすぐに気付いて対応したけれど彼女には私の声も、隣であいさつする同期の奥さんの姿も届かなかったらしい)

何かおかしいなとは思っていた。


彼女の行動に対しての感情は、腹立ちと驚きしかない。





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