表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

暴れる龍

新章だー!!!いつもより結構長いよ☆

アータムと旅を続けて1ヶ月ほど。

いろいろわかった事がある。


まずは意外とノリがいい。

最初の妖しいキャラとは正反対にボケたりツッコんだりしてくれる。

ま、ときたまだが。


次に、五感が鋭い。

暗闇の中でもはっきり物を見えたり、

匂いで毒草とかわかったり、

袋の中の通貨の音でどれだけ入ってるか正確に当てたり。


最後に、プライベートをあまり見せない。

宿必ず離して2部屋とって、こちらから用があって扉をたたいても

「後でこっちから尋ねるから部屋で待ってて」か無反応かどちらかである。


まあ、別に不満なわけではない。

むしろ居心地がいい。

今は下手に近づかれるより、こういうある程度の距離感の仲間のほうがいい。

つまり、結構相性が良かった。


揺れる荷台には若い男女女女の談笑とアータムの寝息が聞こえている。


今向かっていて、もうすぐ着きそうなのが『龍の町』ドラゴラ。

僕がよく倒していたワイバーンの祖先、上位竜と言われる「飛龍 ドラゴ・ラーフレイア」が古来より生息している。

ここはその龍と友好関係を結べたおかげで安全に堅実に発展してこれたらしい。



ちなみにドラゴラは僕らが目指す港町と王都のちょうど半分ほどの場所にあり、貿易品の重要な中継地点でもある。なので物が集まり、僕らみたいなのが物資補給として寄りに行くわけだ。


まあでだから、本来なら馬車でもっと道がごった返しているはずなのだ。だが、今は違う。

整備された広い道に馬車は僕らの乗る簡素な屋根のないものだけだった。


おかしく思って考えていると、いつの間にか目を覚ましたアータムに肩をたたかれた。

「…逃げれる準備をしときなさい」

「ん?どうした?」


「4時の方角から翼の音。…もうすぐ追いつかれる」


まるで獅子のような、猛々しい咆哮が空から降り注いだ。

運転手が手早く荷台から馬を切り離しながら、早く降りろとかき消されないように叫ぶ。


飛び降りた。

先程まで乗っていた台車は、落ちてきた大爪により木端微塵の木材となる。


鋭い赤の鱗、力強い四肢、空を覆う発達した巨大な翼。

間違いなく、上位竜『ドラゴ・ラーフレイア』。


本来温厚な性質のはずだが、今はそうと思えない。

ぎらつく瞳は紫に輝き、狂気を放っている。


…あかんね、勝てるはずがない。

この間のイオなんかより断然格上。


だが、この二ヶ月で少しはできるようになった。

アータムが逃げれる程度はやれるだろう。


自殺願望?

何割かアタリだから言わないでほしいね。


剣を抜いて、疾走する。翼ぐらいは落としてやらねば。

体に青い炎が駆け昇っていく。


龍はグガァグガァと五月蠅い声を立て爪を振り回す。単調で、わかりやすい。

軽くかわして力強い足元に潜り込む。詠唱する。

「風よ 弾け ソニックインパクト」


自分の背中に空気の輪が生じ、弾ける。

ソニックインパクトは風を打ち出す魔法。

それを加速に利用する。


体は高速で打ちあがり、翼へ一直線。

何とか一閃食らわせる。


だがさすがは上位、少し切れ込みが入った程度。

僕の着地は満点。龍の注意は一点。これで奴らは逃げ出せる。


龍が煩わしそうに爪や尾をやたらめったら振り回す。どれも当たれば致命だが、乱暴でまっすぐ。

だからおかしい。上位竜はこんな頭の悪い獣のような闘いをしない。

本来であれば『ラーフレイア』は地上に降りることなく上空から高火力の炎を吐いてくるはずなのだ。


さあなんでこんなになってんだ?

あまつさえの上位竜はオークに並ぶていたらく。

竜なんだからブレスの一つでも…


ちょうどよく、龍が口を開いて魔力をためる。

だが、これもおかしい。

魔力が全然収束されちゃいない。

膨れ上がるのを無理やり押さえつけている。

こんなの撃たれたら…


「風よ 弾け ソニックインパクト!」

早口で詠唱する。後ろ方向に吹き飛ぶ。


そして、目の前は光に変わった。

このトカゲ、無理やり魔力を開放しやがった。

だから、大爆発。

幸い、僕しかいない方向に向けたからセーフ。


これでわかった。こいつ、『魔力暴走』起こしてやがる。

魔力暴走とは…精神に深く根付いているらしい魔力が制御できる範疇を大幅に上回ると暴走してしまう。

そして魔力が暴走すると、精神も暴走も始める…って現象。


それならそれで、あのバカみたいな爪と尾ブンブンもブレス爆発も説明がつく。

まあ、なら楽だ。獲物がバカなら戦いやすい。


少し焦げた龍の頭がこちらへ向き直す。

さ、どんどんブレス撃って自分で防御力削いでくれ。

後は消耗戦。いけるかも。


すると、龍の胴体に雷撃が走る。

撃ったのは…先程の馬車の若い黒髪黒目の男性。ハーレム作ってた奴。

手には青色のマスケット銃のような物を持っている。雷撃はこれか?

「大丈夫ですか!?後は俺に任せて!」

あー、爆撃食らって吹っ飛んだと思われたか?

「いや、大丈夫っす。もう消耗戦入ったんで」

「?」


てか、後ろにまだハーレムつれとるやん。

メイドらしき女と、騎士らしき女と、竜人らしき女。

まったく、こんなラノベ主人公みてえな奴に龍殺しの実績漁夫られそうだ。


てかてか、お前らがいる方向…思いっきし町の方向じゃん!

僕ちょっと意識して立ち回ってたのに!


グガァァァァと狂った咆哮。

あ!ほらーブレス溜め始めたじゃん!多分町の壁まで届くよこの魔力量!

「マズイ!また爆発が!」

割とお前のせいだろ!あーもうしょうがねえ!


「風よ 弾け ソニックインパクト!」

青い熱風が線を描いた。

頭に吹っ飛び、見事な飛び蹴りを食らわせ、ブレスを中断させた。


あー…もう魔力空っぽ気味だよソニックインパクト結構燃費食うんだよ。

で、僕がまた龍の後ろに吹っ飛べたから、取り敢えず町方向へ攻撃はいかない!と思う!


龍の目は危険な紫色から黄色に変わり、鱗が剝がれて無残な惨状。

はは、バカトカゲめ。せっかくのカッコイイ顔が台無しだぜ!


そして、また町方向からの龍への攻撃。今度は雷撃でもない。

門に備えてある大砲による射撃。つまり、ドラコラの兵隊が動いてくれた。


するとラーフレイアは自分が飛龍であることを思い出したように翼を広げ、砲弾を受けながらも空へ飛び去って行く。


…なんだったんだ?本当に?


まあ、何はともあれやっと町に入れる。

疲れたわー。


「オイ!お前!そこの白い髪の!」

白い髪…ああ僕か。変色させたこと忘れちゃうんだよなー…


で、なんだい仮称ラノベの主人公クン。

「キミ…『勇者』だろう?」


は?


「それともこういうべきかな…『転生者』」


は?


…どうやら、この町で一悶着、いや三悶着ぐらいありそうだ。

読んでくれてありがとうございます!

面白かったと思ったら、続きもぜひ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ