あらすじ ――負け犬たちの牙篇――
魂の向くままに駆けろ、負け犬どもーー。
西暦三〇〇〇年。
日本は死刑制度を撤廃した。
その代わりに導入されたのは島流し。
東京湾の沖合いに建造された『歪曲島』
囚人たちはそこで一生を終える……はずだった。
しかしその監獄はいつからか、
罪人たちの無法地帯へと変わっていた!
そんな中で、この国を窮地に陥らせた青年、
囚人ID『R1N12A』――通称、リンダ。
彼が地獄の楽園へと投獄された。
リンダは地下迷宮に築かれた文化に驚きつつも、
『青い鴉』のタトゥーを入れた男を探すことに。
しかし、それもまた一筋縄ではいかないようで……!?
一方そのころ、本土でも事件が起こっていた。
右手首だけを持ち去る殺人鬼を追うのは、
捜査一課、立花 アリサ。
連続する事件の先に見たものとは――。
両腕を大猩々のものに改造された男。
監獄チルドレンの少女。
ギャングに服従を誓った青年。
陰を隠した無邪気な双剣士。
ひと癖も二癖もある負け犬たちとの出会い。
謎めいた研究をするラボラトリー。
ハーフ・ビーストという未知なる存在。
死と隣り合わせの中華飯店。
命で遊ぶ闇医者。
情報屋は顔を隠して舌を出す。
愛を探してさまようサイコパス。
さらには各階に存在するギャングたち……。
様々な大罪人がリンダの前に立ちはだかる!
――これは誇り高き、負け犬たちの物語。