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思考のデジタル・タトゥー

作者: エンゲブラ

デジタル・タトゥー=電子的刻印。


個人情報に類するデジタル情報が検索エンジンを介し、不特定多数に永遠に見続けられるという悪夢。元データを削除したとしても、デジタルな記号は容易に複製されるため、すべての人類が飽きるまで、それは永続的な呪いとなる。


過去に自分の写真を掲載し、ツイッターをしていた身としては今更ながらであるわけだが、当時はみんなガバガバな自己ガバナンスであったため、やりとりをしていた相手たちもみな自分の写真をアップしていた(しかも無加工で!)。である程度、かわいい女の子たちとも楽しんだが、身辺が忙しくなり、いつのまにかフェードアウト。DMなどを掘り起こされると恐ろしいわけだが、一番恐ろしいのは当時どんなやりとりをしていたのか「まったく記憶にない(政治家か)」というところだ。アカウントのログインパスワードなどもとっくに消失しているのでどんなスクショを提示されても、完全否定は出来ないという恐ろしさがある(たとえそれが改ざんされたコラージュであっても)。


そういえばブログもしていた。こちらもほぼほぼ記憶にない。

その時々の自分の考えを述べていたのだが、当時の自分がどのくらいの深さまで物事を考えていたのかなども含め、今更ながらである。


有名人は大変だ。

何か物議を醸しだすようなことがあると、その度に何年前のとも知れない恥ずかしい刻印が掘り起こされ、揶揄される。他人に対しては「一貫性のないことを言うな!」などと文句もいえるが、こと自己弁護する側となると「変わり続けるのが人間だ!」と。


もちろん「考え続けながら生きる」というスタイルを選択する者は、わずかな期間にもまったく違った思考の領域へと到達することがある。変わってしまった後は、過去の自分は他人に等しい。だが、こと他人のこととなると脳の負荷を軽減するために「あいつは永遠に昔のまま」という処理を下す。


いつだって人間は他人を過小評価し、自己を過大評価する。


このくらいブレた基準で生きている以上、自分の過去の考えなどというものにはフタを閉めたいわけだが、それを許さないのがインターネット上に眠るデジタル・タトゥーの存在である。恐ろしい時代になったものだ。

この投稿もまた、私の思考のデジタル・タトゥーとなるのでしょう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 確かに私も過去の投稿内容なんて記憶にありません。何かで訴えられても否定できない可能性がありますね。 [一言] 私はなろうで 狂った内容ばかり書いているので、身バレしないように細心の注意を払…
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