10. とても幸せな共依存
ウィン様は、私との過去を話してくれた
「あのときの……ウィン様、だったんだ……」
「うん。俺はあの日から、きみのために生きてる。」
どうしよう、すごく、嬉しい…
嬉しいなんて言葉じゃ、足りないくらい、
心がいっぱいになる
「白状すると、あの日から君にずっと護衛をつけてるんだ。だからミラのことは、なにひとつ見逃してない。」
「…え、護衛?! 私に…?
もしかして、ポートマードン令嬢様とのこと、全部知ってたのも、それで……?」
「まぁ、そうだね
それに彼女、虚言癖と思い込みが凄いから。
あんな女に君が傷つけられることが本当嫌で……
ミラの心を軽くしたり、悪意から守れたらなって、手紙とかで忠告してたんだけど……」
そ、そういうこと……?!
本当に手紙はあのままの意味で、
遠回しの牽制とかではなかったってこと……?!
しかも、贈り物とかも全て、
ただ私の心を軽くするためのものって……!
なんていうイケメンなの…
そんなイケメンがいるなんて思うわけないじゃないか…!
「でも、俺避けられてるなって」
「ご、ごめんなさい……
私がこの世界にくる前の世界では、
私みたいなのとポートマードン令嬢様みたいな方が出てくる物語が流行してて……」
そして私は、ここが乙女ゲームの世界だとか、
悪役令嬢がヒロインを ぎゃふん させる漫画の流れだとか、アダリンとのひと悶着だとか、
全て丁寧に説明した。
「ふふっ、ポートマードン令嬢、殺しちゃおうかなっ」
くすくすって笑いながらそういうウィン様から
禍々しい殺意を感じとり、必死になだめたり
「ミラが他の男子と距離を置いてるのを知る度、
俺は毎回きみへの愛を深めてたよ。」
と優しく微笑んだり……
……ん? あっ!
だからフラグを折ればおるほど、
私に甘々になってたの?!
それを、私を ざまぁヒロインとして釣るためだなんて考えて……本当にごめんなさい、ウィン様…。
「あ、そうそう。ギルベルトのことは、心配しないで」
ニコッと笑うそのお顔が、美しく、恐ろしい
「……どうしましょう」
「そもそも、俺が嫌って言った時点で、破談だよ」
「それに、俺、ミラじゃないと死んじゃうし!」
あはは、と笑うウィン様をみて、確信する
「も、もしかして、わかってて……?」
「もちろん、ミラへの告白が1番の目的だよ?
加えて、周りに俺とミラを認めさせる最強の武器にもなるなんて、俺にとって都合のよぎる魔法だ 」
跡継ぎつくるにも、ほかの女なんてあてがおうものなら、俺死ぬしね!はは!
これに関しては、呪いがなくても、
そんなことされたら全然死ぬよ俺!
と楽しそうに笑うウィン様をみて
もっと自分を大切にしてください!呪いなんですよ!
とか言わないといけないと思いつつも、
あまりの愛おしさに、思考がにぶる
「……えぇ、すき。」
とろけた表情でウィン様にうっとりしているであろう私をみて、一瞬 驚いたあと、すぐに幸せそうに顔をほころばせるウィン様
「ほんっと、最高。
俺の重い愛、喜んじゃうなんて。」
ちゅっ
口付けをして、もう一度微笑む
「かぁーわいい」
幸せすぎて、きゅぅぅっと胸がしめつけられる
「ウィン様……今までのウィン様も、私だけ、です?」
溺愛だとかなんだとかは、
アダリンの思い込みや虚言だといってくれたけど、
その……本当に……なにもなかったのかな
と、ヤキモチを妬いてしまう
「俺ね、ミラに贈り物おくるとき、俺の婚約者なんて書き方したかもしれないけど、なんとしても、ミラに贈り物をする理由が欲しくて。避けられてたし。」
「…うん」
「そのためのカモフラージュみたいのもののために、そうは言ったけど、一度も婚約者と認識したこともなければ、あれっきり、そんな風にすら表現したこともない。父上や宰相からの申し出も、全て断ってるんだ。」
「……」
「ふたりきりになったこともなければ、
話しかけられても聞こえないふりして逃げてたし、
その辺の他人より関わりないよ?」
「…ウィン様がそんなこと、する?」
少し不安そうに、赤い顔のままそう尋ねる
う、私、うざいかも……
「みんなが知ってる俺は、すんごい冷たいの!はは!
ミラしかしらない俺は、ミラへの愛で溢れてるから、
そうはみえないかもね?」
愛おしいって顔がいってくれてる
そんな甘い甘い表情で、両頬を包み、うにうにしつつ、かわいいなぁーと唇にキスをくれる
「てゆーか、ミラさん?
俺の台詞でもあるから、それ」
…ん?と首をかしげる私に、
ウィン様が拗ねた顔で可愛く尋ねる
「ギルベルト」
にこっと笑うウィン様
ウィン様のための、国のための、
そばにいたいがゆえの、婚約だということは説明した
ということは……?
「私も誓ってなにも……!」
「へーぇ?」
頬を包む両手うちの片方の親指を唇にもってきて、
ぷにぷにとつつかれる
「こーれ、されそうになってたけど?」
「あ、あれは…! 助けてくれたので、未遂です。
きてくれたの、嬉しすぎたんですよ。ありがとう、ウィン様。
あと、あったとしても、頭にぽんって手を置かれたくらいです、よ?」
「……は?なにそれ?」
「2回…!当たっちゃっただけとしかいえないものです…!あとは接触なんてないです…!
ついでに白状しますけど、私、どんなにイケメンと騒がれる人でも、ウィン様以外の人に、ときめいたこと、ないんですよ…」
恥ずかしい……
絶対顔あつい……
「……んんっ……!」
ぐっと強く唇に唇が重なる
「はぁー、かぁーいい。
ねぇ俺、お互いが他の人にときめいたら2人ともしんじゃう呪法、つくっちゃおっかなぁぁ…」
「……ありかも。」
それをきいて、
少し驚いたように、心底幸せそうに、
ウィン様がふにゃりと笑う
そうやって、愛を確かめ合って、
自分の重い愛をぶつけてみる
それを軽々こえてくる相手の愛に、
少し驚いて、幸せを噛み締める
そんなやり取りが、沢山沢山、続いていった
あぁ、好き。
愛おしいなぁ、ウィン様。
だいすきです。




