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第7首

第7首をお届けできました。

本文でも書いていますが、少しグロい表現がありますので、苦手な人は読まないで下さい。

第7首


目の前で

ニャアと鳴いてる

黒い影

頭の横に

潰れたかたまり


短歌解説

 私自身の実話です。

 少しグロい表現がありますので、苦手な人は読まないで下さい。

 大学の3年生の時だったと思います。

 他の大学のサークルも一緒に、合同の新歓コンパが開かれることになりました。

 (ピー)オネ荘という変な名前の公民館みたいな場所を借り切って、酒や食料を持ち寄って行うという企画でした。(ピ-)オネ荘は海岸のすぐ側にあって、近くに人家がなく、いくら騒いでも大丈夫ということなので酒好きの私は楽しみにしていました。

 しかし、(ピー)オネ荘に行くためには、大通りから横道に入り、車一台がやっと通れるくらいの街灯もない道を、海に向かって200メートル近くも歩かなければならないのでした。

 私は下りるバス停を間違えて友人との待ち合わせ時間に大幅に遅れてしまい、待ち合わせ場所に着いたときは友人たちはもういませんでした。当時は携帯電話などない時代ですから仕方がありません。

 私は(ピー)オネ荘に一人で向かいました。街灯もなく、行く手は真っ暗ですから、持っていた小型の懐中電灯(道が暗いので持参するように言われていた)で道を照らしながらゆっくり歩いて行きました。

 すると100メートルほど進んだとき、道の真ん中に光るものが見えました。

 光るものの形状から、それが猫の目らしいと気付きました。近づくと、ニャアと聞こえました。

 普通の猫なら人が近づくと逃げていくと思うのですが、人間慣れしているのか、光る目は動こうとしません。その時、私は違和感を覚えました。猫にしては頭の位置が地面から近すぎるのです。這いつくばっているのでしょうか。

 私は、その猫に光を当てました。そして直ぐに、頭が地面に異様に近い理由が分かりました。頭部が直接地面に立っていたのです。そして、その横には首がちぎれてしまった猫の胴体らしきものが、潰れた状態で血だまりの中にありました。おそらく車にひかれてしまったのでしょう。

 ニャアと聞こえたのは霊の声なのか、それともまだ意識があって最後の力を振り絞って鳴いたものなのか。

 いずれにしても、私を恨んでもらったら困るので、「俺じゃないよ。きみをひき殺したのは俺じゃないからね」と大きな声で言いながら、猫だったものの横を通り抜けました。

 (ピー)オネ荘までの残り100メートルの距離が、とてつもなく長く感じられました。


追記 場所が特定できないように(ピー)をいれさせてもらいました。


残り93本

しばらくの間、猫の鳴き声が聞こえるとビクッとなっていました。にゃあ

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