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今度こそ疲れ過ぎないようにリベンジ!でも結局ハプニングだらけの2回目一人旅in松江・出雲  作者: 夏目 碧央


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帰りのフライト

 16時半頃にすなば珈琲を出て、保安検査を通った。待合室の椅子に座り、本を読んだ。待合室は最初からけっこう混んでいたが、時間と共に溢れ返り、立っている人もたくさんいた。

「混み合ってまいりました。どうぞお詰めになり、お席を譲り合ってご利用ください。」

というアナウンスまで流れた。でも、なかなか知らない人の隣には座りにくいらしく、私の隣には誰も座らなかった。

 先程カバンの中でスマホを充電器に繋いでおいたのだが、取り出してみると全く充電されていなかった。まだ2つ分の灯りが点いているというのに。もう一度充電開始ボタンを押したら、押した瞬間は充電中になるのに、すぐにそうでなくなってしまった。もう古いし、そろそろモバイルバッテリーがダメになったのだろう。最近、記念品などにモバイルバッテリーがよく使われるらしい。息子たちも卒業記念品だとか献血のご褒美品だとかでもらったようだ。今のやつは薄くていい。私のは部厚くて重たい。差込口が色々なものに対応していて便利なのだが。いやー、それにしても困った。スマホの充電が本当にあと少ししかないぞ。写真も撮れないではないか。

 遅延のアナウンスがもう一度あり、フライトは17:50に延期になった。行きにも思った事だが、飛行機の搭乗は本当にいつもギリギリだ。私が搭乗できたのは17:45くらいだった。あと5分で離陸だというのだから、大慌てだ。トイレに行って戻ってきたら隣の席の人が入ろうとしていて、私は窓際だったので、

「すみません。」

と言って手を合わせ、先に席に入らせてもらった。隣の人は若い女の子で、3人席のうち私意外の2人はお友達のようだった。

 しかし、残念だ。行きにはスマホで新聞を読んでいたが、帰りは飛行機の画面で映画でも観てみようと思っていたのに、帰りの飛行機には座席に画面はなかった。つまり、古い機体だったのだ。古いし、狭い。そんな時に隣も埋まっているなんて。

 すると、アナウンスで、

「本日、満席となっております。」

などと言っている。マジで?満席?1つも空きがないの?すごい。そうか、金曜日の夜、東京へ行く人は多いのだな。東京周辺に住んでいる人が、地方に行くのはよっぽどの旅行なのだが、地方の人は週末に東京に気軽に遊びに行くのではないか。隣の女の子たちも、そんな感じなのではないだろうかと思った。けど、それだと交通費が半端ないよな。私なんて、東京に住んでいても東京の街へ出る事なんて年に何度もないのに。交通費は200円とか300円とかで行かれるのに、だ。

 画面が見られないので、仕方なくイヤホンを座席のアームの所に差した。昔ながらのラジオみたいなやつを聴くしかない。だが、残念ながらあまり聴きたいものがなく、すぐに辞めてしまった。

 ああ、やはりどうも胃もたれが治らない。何となくムカムカしている。マスクをしてみたものの、よけいに気分が悪くなるのですぐに外した。しゃべらないからいいか。腕時計を外した。首などを揉んでみる。隣と近いので圧迫感がある。ずっと窓の方を向いていた。

 飛行機が動きだした。それにしても速い準備だった。バタバタとみんな荷物を上の棚に入れたりして、いつの間にか全員シートベルトを締めて座っている。私もトイレを済ませ、本とイヤホンとティッシュなど、必要なものを前ポケットに入れ、他の荷物は前の座席の下に入れて準備万端だ。これを5分でやってのけたのだから、やっぱり大人ってすごい。

 17:55、飛行機が離陸した。まだ外は明るい。雲の上に出ると、後ろに夕日が見えた。雲の下はずっと海だったようだ。しばらく日本海上空を飛んでいくのだろうか。なけなしの充電を使い、スマホで写真を撮った。この色の空を飛行機から眺める事はそうないだろう。少しすると暗くなってきて、雲の海原に太陽が沈んでいく様子が見られた。湖に沈む夕日は見られなかったけれど、同じようなものだろうか。というわけで、もう1枚パチリ。良かった、ここまで何とか充電がもってくれた。あとは使わずにしまっておこう。あ、でも帰りの電車も調べるだろうな。

 外は暗くなってきた。そうなると景色は何も見えない。翼に点いている灯りだけが、ずっと動かない星のように見えているだけだ。

 うーん、乗り物酔いのような感じがする。私は乗り物酔いをしない方なのだが。でも、昔から空腹の時には少し酔い気味になる。今、胃もたれしているようでありながら、いつもの夕食時間が近づいているから、空腹なのだろうか。どちらなのか分からない。大したことはないのだが、ため息が出てしまうような感じ。本を読んでいれば多少気が紛れた。

 一度、飲み物が提供された。もう甘い物は要らないので、スープをもらった。飲み終わって、紙コップをCAさんに渡そうと、潰した状態で待っていたら、隣の女の子がニコッと笑って私の紙コップを受け取って、自分の分と一緒に隣へ回し、その隣の子がCAさんに渡してくれた。あら、なんていい子。隣が近くて閉塞感を感じてしまうけれど、そんな中でもこういうお隣さんだった事は、非常に幸運だった。一番良いお隣さんだったに違いない。まあ、ちょーイケメンだったらそれも当たりだったと思うが。


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