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愛よ咲け  作者: Lilly
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最終話 愛の花、咲いてるよ

 あれから、数年が経ち私と悠介は大学生になり、今でも恋人関係は続いていた。

 口先だけにさせないでという私の願いを、言葉を、悠介は忘れずに私と一緒にいてくれている。


「瑠璃」


 そう呼ばれて振り返れば、大学の校舎を背景に私服姿の悠介がいた。ちょうど、講義が終わったのだろうか。

 私と悠介は大学は同じだが、学部は違う。高校の時のようにずっと一緒というわけにはいかないが、二人での時間を大事にしている。


「何?悠介」

「今日、なんの日だっけ?」


 悠介は爽やかな笑顔でそう聞いてくる。

 分かっている、今日は付き合って二周年の記念日。この日のために、プレゼントだって買っている。


「付き合って二周年の記念日」


 私が恥ずかしげもなく言うと、逆に悠介が恥ずかしそうにした。


「そんな大声で言わないでよ、恥ずかしい」

「聞いてきたのは、悠介じゃん」

「そうだけど」

 恥ずかしそうに頬を赤らめた悠介は咳払いをすると恥ずかしそうな表情から、いつもどおりの表情になった。


「今日はもう講義が終わったんだ。瑠璃は?」

「私も講義終わったよ」

「良かった。じゃあ、行こうか」

「どこに?」

「内緒」

 ニヤッといたずらっぽく笑った悠介は私の手を引き、駅の方向へと歩き出す。

 「大学の近くは同級生に見られたとき恥ずかしいから」という理由で、大学の最寄り駅で遊ぶのは控えていた。だから、今日も私達の最寄りとか、大学の最寄り駅から一駅先ぐらいの場所に行くんだろうなぁ。二周年なのに、いつも通りはちょっと残念。


 ついた場所は、大学の駅から二駅先の繁華街。観覧車や、ちょっと高めのホテル。ショッピングモールと、きらびやかな世界が広がっていた。

 一度駅を出れば広がるきらびやかな街の風景に目を取られていると、視界に悠介が映り込んできた。

「今日は一緒に晩ごはん食べない?」

「もちろん!」


 訪れた場所は観覧車が見えるところにある小さなレストランで、価格も高くもなく安くもなく、つまり大学生にピッタリと言えるような場所であった。

「じゃあ、付き合って二周年を祝って乾杯」

 二人でまだ飲み慣れていないワインを飲み、二周年を祝った。


 温かくて優しくて、幸せな時間が二人の間に流れていた。


「そうだ、プレゼントあるの」

 晩ごはんを食べ終わったあと、私は悠介にそう告げた。

「プレゼント?」

「うん」

 はにかみながら、私はラッピングされたプレゼントを渡す。

「開けていい?」

「もちろん」


 悠介は丁寧な手つきで梱包を解いてゆく。

 梱包を解き終わった悠介の手元には、桔梗柄のマグカップが現れた。

「桔梗?」

 悠介の問に私は頷く。

「うん、桔梗柄」

「なんで桔梗柄?」

「ふふ、内緒」


 私は桔梗柄の意味をわざと伏せておいた。


 それから悠介と私はレストランを出て帰り道を歩いた。

 移ろいゆく周りの景色を楽しみながら、ゆったりと歩く時間はどこか格別で、楽しい時間だった。





 悠介は知ってるかな。

 桔梗柄の意味。

 私が込めた、桔梗の意味。


 桔梗の花言葉は『永遠の愛』


 花言葉って怖い意味とかもあるけど、そんなのは全部無視して私にとって都合の良い意味だけを選んだよ。

 何が言いたいのかって言うと、口先だけにしないでくれてありがとうっていうこと。


 私との約束を守ってくれて

 高校生が抱くような

 物語にすら書けないような

 そんなトラウマをずっと覚えていてくれて

 傷つけないでくれて


 

 ありがとう



 だから私もずっと、

 ずっとずっと、


 悠介のことを愛してるよ。







 愛の花、咲いてるよ


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