PAGE:1 店長もハシゴから落ちる
僕は、本をこよなく愛する21歳、大東書店の店長の真野涼である。
憧れの本屋で働いてはや3年。
きっと今まで7000冊は読んできただろう。
最近は異世界転生ものにハマっていて、いままさに大量に入荷したものをハシゴに登って並べていーーー
グラッ
「あっ」
ガシャアアアンッ!
「!!?いまの音何…って、店長おおおおおお!!?」
「だめだ目を覚まさない!!誰か救急車を!!」
みんなが集まってくれている中、僕は、本棚ごと倒れなくてよかった、と思いながら目を閉じた…。
「おかあさん!あのえほんがほしい!」
「いいわよ〜、どれ?」
そんな声が聞こえるなかで僕は目を覚ました。
『んっ…あれ、体が動かない…』
「これ!これほしい!」
前に子供の手が見え、僕をつかんで…
『っておい!!どーいうことだぁっ!!?』
まさかこれって…転生ってやつか?じゃあ僕は何になったんだ?
「あら〜面白そうな本ね〜」
『おい待って待ってこれ…』
周りには大量の本棚。
自分の体が動かせない理由。
声が出せない理由。
理解した。
『本に…なってる…?』
つづく
初連載、いきあたりばったりで書いていくのでどうぞよろしくお願いします。