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2/12

~主人公育成系ラブコメの始まりは死から突然に(2)~

「私も、今、ここで働いていますけど、少し前までブラックだったんですよー。」


だからお気持ち、分かります。

と、先ほどまで私の対応を面倒そうにしていたのに、その人はいつの間にか、私に話してくれた。


そこからは、ブラック企業トークで盛り上がった。


「あ、でも、ここも今は定時があったりするんですよー。なーのーで、」


急にパソコンを向けられた。


「こちら、ご本人様の情報で間違いございませんか?ご確認お願いします。」


「清水季美子、生年月日......一通り、あっています。」


「よかったです。あっ、あと、転生手続き、どうしますか?」


「転生手続き?」


「あなた、お若いですし、転生が認められるんですよー。」


どうやら、大半の若くして亡くなった者は様々な転生制度があるらしい。


目の前のその人は「えーとどこだっけな...」などと呟きながら、机をごそごそと漁った。そして、旅行パンフレットのようなものを机の上に雑に置いた。


「こちらの世界なんてどうです?景色は美しいし、まぁ働く形態は今まであなたのいらっしゃった世界とは異なりますが...」


「わぁ、綺麗...」


ここでなら、別の人生が歩めるのだろうか。


「あの、それって、私の見た目も変わるんですか?」


「変わります。まぁ、どうしてもとおっしゃるなら、変えませんがね。」


私は誰がどう見ても、地味子。

それを変える努力をしたのかって言われるとしていないのだけれど。


次こそはできれば、こんな地味な女じゃなく、キラキラとした美少女になりたい。なんて。


そして、なにより、私は彼氏が欲しい!!!

ずっと憧れてた青春!

地味子じゃできない恋愛!

ここから人生楽しめるかもしれない!!


思い出したかのように、目の前に座る役員が「あ」と一言発して、話し始める。


「そうそう、見た目は変わるのですが、ある程度、今の姿も反映されるのですよ。」


「といいますと?」


「女性の方ですと、今までしてきたような服装やお化粧によって転生する際の見た目が変わったりします。でもこれは今の見た目が綺麗だと有利だとか、そういうものではないので、まぁ、ある意味運ゲーですね。とは言っても、醜くなる、なんてことはありませんから。」


お話しながら証明写真の機械のような場所に案内され、全身を写された。


役員はなんやら機械をいじって、驚いた顔をして手を止めた。


「...これは、珍しい。」


「?珍しい?」


「あなた、お化粧したこと、ありますか?」


「実は...一度も...」


「このスマホが普及したこのご時世にメイクしたことのない大人がいるとは!!!!!今は小学生でもしてますよー!!」


そんなこと言われてもーーー。


「でも、これは、運がいいかもしれないですね。」


どうやら、お化粧バージン?は聖女のように美しくなる確率が高いらしい。

なんだか、複雑な気分。


「おっと季美子さん、目を開けないでくださいね、転生します...」


「えっそんな急に!!!」


「ケミィさん!どうか、次の世界ではお幸せに...」


するととたんに目を閉じてても分かるくらい、眩しい光に包まれた...。

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