止まない雨はない。だが、晴れるとは言っていない8
ノワール隊を見送った。
彼らの家族や恋人が見送りに来ていた。
魔力持ちを弱体化させる雨。そうでなくとも雨の影響がある。土砂崩れ、川の氾濫。彼らの道行きは前途多難に満ちているはずだ。
何よりも賊だ。給付金や食料が積まれているのだから狙われるだろう。
以前より賊として人に仇為す者ならば、あまり心を痛めない。けれどもし、いや、必ず救済されるべき者―― リストの中に記されている者が賊になってしまっている。
それを私は討てと命じている。
――私なんて所詮はその程度だ。救うと言ったその口で討てと、悪となった極少数をそうやって切り捨てるのだから……。
だが、ノワールの兵長なら―― ノワール隊のソルジャーならどう対応するのかな、と思う。
――リストに名が記されている者なら話を聞いて救済するのかしら?
それはそれで問題だ。ノワール隊は徹底的に調きょ――んん! 厳しい訓練の中で芽生えた美しい友情、努力、絆、そして勝利が結束を強くした。だから裏切りはない。
まぁ、中には訓練や規律が嫌で逃げ出した者も中にはいるけれど、基本私は去るものは殺すがもっとうだ。情報漏洩なんて許すはずがない。
まぁ、殺しはしない。精々飼い殺す程度だ。今頃夢現の中気持ちよく天井の染みでも数えているのではないかしら?
とまれ、私は見送りに来ていた家族や恋人たちのケアに当たる。そして彼らの任務を説明する。
脛に傷を持つ彼らを受け止めている女性たち。親の反対を押しきって、家を飛び出した彼女たちだからこそ、胸を張れるようにしてあげたい。自分の選んだ道が間違っていなかったのだと。
――例え初動が早くても、馬車だものね。
行きだけで数週間だ。
――戦艦が作れたのだから車とかバイクとか本気で考えて見ようかしら? とは言っても作るのは親方さんたちなのだけれど。
本当は誰かが思い至らないかと期待している。だが、一向にその兆しがない。
いや、実際は居るのかも知れないけれど周囲に異端扱いされて埋もれてるのかも。
私が邸に戻ると外にレナスとクロード、調薬士でクロードの奥方のカンナ、そしてセバスチャンとシアンが立っていた。




