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ビジョン・コントローラー  作者: ☆夢愛
第1章 コントローラー拾ったぜい
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第2話 ビワ国の戦士達

「おやすみ、 アウドラ」


「ん、あ、 ああ」


俺と母さんは、 今日起こった出来事により 家を修理しているため、 特に何もせずに泊まれる宿屋に泊まった。

……しかし、 何も言わなくて良いのだろうか。

今日家で何が有ったのか、 母さんは聞いてこない……恐らく怪力の持ち主である俺がやったとでも思い込んでるんだろう。


「母さん、 家をやったのは俺じゃない。 別の奴なんだ」


母さんは一瞬、 止まるとすぐに俺の顔を見て、 優しく微笑むと元の方向を向いた。


「お前以外に誰があんな事出来るのさ。 別にいいよ、 今に始まった事じゃないから」


ダメだ、 分かってたけど、分かってくれない。

自分が生まれ持った力が、 こんなにも強く嫌だと思う日が来るとはね……現実は本当に酷いものだ。


「……じゃあ、 信じなくてもいいよ。 俺は家に戻るな」


そう言って立ち上がった俺は、 持って来といた携帯電話を持って部屋から出ようとする。

すると母さんは俺に待つように言った。


「お前が何を考えて、 これから何をしに行くのかは分からないけど、 母さんはお前を恨んだりはしないからね。 アウドラ、 行ってらっしゃい」


優し過ぎる母さんの言葉は、 今の俺には苦しいものだった。

いつか、 帰って来たら全部話すから、 それまで待っててくれ。


「行ってきます」


そうして俺は、 宿屋を出、 暗い夜道を1人歩いていく。

数分後家に着いたが、 運がよくまだ修理工事は始まっていない。

これなら持ち物を準備できる。


「何が必要なんだかは分かんねーから、 とにかく食いもんと、 このコントローラーを持ってくか」


俺はリュックにお菓子を出来るだけ詰め込み、 内側のポケットの部分にコントローラー、 大部分に着替えを4着分入れて外に出た。


「覚悟は出来た様だな」


夕方みたくノ一が腕組みをして堂々と立っていた。


「いや、 むしろ何も覚悟なんて出来てねーのかもな」


俺は母さんの泊まっている宿がある方と、 壁と地面が大破した家に一礼をし、 くノ一の方を向く。


「さあ行こうぜ。 『ビワ国』 って所によ」


「ふん、 偉そうに言うな。 付いて来い、 このゲートから向かう」


くノ一が指差した先は、 黒い穴だった。

───────────────────

ゲートに入ると、 一瞬で全く別の場所に来ていた。

俺の国とは違い、 建物はそんな多くなく、 草木がかなり多い。

ここの中心辺りであろう場所に、 雲をも越えるであろう高さ、 太さを誇る幹の捻れた大樹が聳え立っていた。

ゲートに入るまで警戒しきり、 殺気を放っていたくノ一の殺気が無くなっているから、 ここが『ビワ国』 だというのが分かる。


「広い国だな、 カロインより圧倒的じゃねーか? 」


「ああ、 貴様のいた国は小さ過ぎる。 ここはその数十倍はあるぞ」


威張る様に説明されたが、 数十倍も有ったら他の国はどこに入るんだよ。

それにしても、 この国の空気は凄く綺麗で呼吸がしやすいーーあの大樹のお陰だろうか。


「ん? 」


ふと空を見上げると、 俺は目を疑った。

空には雲がないばかりか太陽も無い。

そう言えば思いっきりスルーしたけどあの『ゲート』 とか言うやつも何だか全く理解出来ない。


「すげぇ……」


現実に呆れていた俺は、 初めて見る薄緑色の空、 緑生い茂る巨大な大地、 一瞬で移動する穴などに感動していた。

この世界もまだ捨てたもんじゃないな、 俺の知らない事がまだまだある。

俺の感動し、 目を輝かせているのを見ると、 くノ一は鼻が高そうに腕組みをし、 俺に全く的外れな事を言ってきた。


「流石はコントローラーに選ばれただけはあるな。 そうだ、 ここが異世界、 『ビワ国』 だ!!」


「え、 マジで!?」


「分かってなかったんかい!!」


自分が勘違いしていただけだというのに、 理不尽な鉄拳がとび、 俺も3度目だが飛んだ。

それにしても、 ここは異世界か。

やっぱ現実はくだらないな……あれ? 俺も理不尽な事言ってね?


「とにかく来い、 ここから1時間は歩くぞ」


くノ一はそう言うと、 大樹のある方へ歩いていく。

俺は後を追ってると、 どうしても異世界というのがピンと来なかった……でも大体そうだよな。

急にここは異世界ですなんて言われても……あ、 そうなんですかってならないでしょ?


「何か、 ワクワクして来たな」


くノ一は振り返ると不敵な笑みを見せる。


「私は逆だ」


その一言を放ち振り返る。

……じゃあ何で笑ったんだよ……訳わかんねぇな……。

──────────────────

大樹の目の前に来ると、 くノ一は立ち止まった。

ここまで来ると大樹はもう幹しか見えない……てか前が壁にしか見えない。


「私だ。 開けてくれ。 昨日報告した人間を連れて来た。 ああ、 コードは『TAMA・NASHI』 だ」


大樹に取り付けられたインターホンの様な機械に何やら話しかけているが、 コードってのをローマ字で読んだらちょっと酷いからね、 そーゆー意味じゃないよね?

大樹にある扉が自動で開くと、 くノ一は指で『来い』 と合図した。

この大樹は機械仕掛けか……天然物じゃないんだな。

大樹に入ると、 そこはエレベーターだったらしく、 扉が閉まり上に上がっていく。


「なあ、 この後どうすんだ? 」


「今から本拠地に向かう。 コントローラーは持って来ているよな? まさか」


「ああ」


2分くらい経つと、 エレベーターは止まり扉が開いた。

最上階らしいが、 だとしたら結構進むの早いなこのエレベーター。

てかさっき言ってた本拠地って何の? 相変わらず説明の足りない女だな。

そんなことを考えていると、 7m? ほど先の廊下から足音が聞こえて来た。


「いやぁいやぁご苦労様ご苦労様。 君がアウドラ君だね? 初めまして」


一瞬焦ったぜ……目が漫画に出てくる奴みたいに線くらいにしか見えなくて狐かと思ったぞ。

それにしてもデカいな、 190センチくらいか?

出てきた男はとても長い黄土色に近い茶髪で、 くノ一同様ポニーテールだった。

しかも腰よりも下まで伸びている。


「ああ、 あんたは? てかそもそも俺くノ一の名前すら知らねーんだけど、 読者がくノ一で覚えちまう前に名前教えてくれよ」


「読者? 何の話をしているんだか分からないが、 そうだな、 これから共に過ごすんだ。 教えておこう」


「そうだね。 なるべく早くね」


共に過ごすって何? 俺家に帰れねーの? それともいつかは帰れるの?


「アノムス・ヒット・ロラ。 気軽にアノムスって呼んでね」


「ノーマット・シルフォ・ロンリィスだ。 私の事はロンリィスじゃなくシルフォと呼んでくれ」


成る程、 アノムスだな。

片方は頭にア〇〇って付けたら別物になるな。

そう思った直後俺は部屋中に打撃音を響かせ宙で舞っていた。

─────────────────

この大樹の中にある部屋の説明をされていた俺は、 情報を纏めるらしい部屋の中を覗いた。

白衣に、 内側の服に付いてある黒いフードを被って腕を大きく上下に動かし、 激しくパソコンのキーボードを叩く人物がいた。


「あれ、 マッドサイエンティストじゃないよな? 」


「な訳あるか」


俺が不思議そうに、 不気味そうに様子を伺っているとそいつは明らかに悪そうな奴みたいに笑い始めた。

ふふふって……。


「いよっしゃああああ!! 新作出来たー! 前のリメイクしただけだけどね! 」


「どわあああああ!! 」


急に椅子から立ち上がった変人が激突し、 俺は床に倒れた。

やっぱ変な奴だった……。


「ん? 君誰? 僕はユーニトロ・ボルフィネット。 『ユーニ』 って呼んでくれればいいよ」


俺の顎に激突した筈なのに全く気にしていない上に、 初めて会った奴にごく普通に名前を言ってきた。

……お前らの言う敵だったらどうすんだよ。


「彼はアウドラ・ロップ・ディーズって言うんだ。 今日から僕らの仲間としてコントローラーを守っていく。 『リェイブ版』のコントローラーのマスターだよ」


「へ!? リェイブの!? すご! あの異質な素材で出来たコントローラーのマスターになったんだ! じゃあこの子も変なのかな」


何かどんどん話進んで俺が仲間になるとか何とか言ってっけど俺何にも知らねーからな。

てか誰が変だこの野郎。

ユーニと言う奴は身長は150にも満たないくらいで、 肩にギリギリ届かないくらいに青髪。

ただし、 かなり薄い色だ。


「なあ、 ここってガキでも何かしてんのか? 」


その瞬間に腹を思いっきり殴られた……意外と力有って痛い。

ユーニは膝を地に付けてる俺を屈んで覗き、 鼻を人差し指で突っついて来た。


「こら! 誰がガキだ! 僕は21歳、 大人だよ! 」


嘘だろ!? 歳上!? 小っちゃ! ……めちゃめちゃビックリしたわ。

よく見ると、 背が低いだけで身体はちゃんと……。


「ヴっ」


後ろから対昆虫器具に正拳突きをされた。

何でお前がやってくんだよ、 とツッコもうとしたが、 心を読まれたのかもう一撃を顔面に食らった。

ふ、 ここに来てまだ大して経っていないのに何度殴られたことか。

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