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ビジョン・コントローラー  作者: ☆夢愛
第1章 コントローラー拾ったぜい
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第8話 ビワのリーダー

 俺が起きると、 何やらエレベーターの前が騒がしい……ので、 どうしたのかココアに聞いてみた。


「ん? ああ、 この国のリーダーがもうすぐ帰って来るんだ」


 レインが帰って来た時のピリピリとした雰囲気ではなく、 皆がソイツの帰りを楽しみにしてる様だ。

 ココアもあのクールな表情から女顔負けの可愛い笑顔を見せ、 ソワソワしている。

 しかし、 たまに嫌がる様な言葉が聞こえて来るし、 それは全て女から発せられていた。


「リーダーか……アノムスかと思ってた」


「アレは参謀みたいなモノだ。 まあ、 リーダーと古い付き合いだがな」


 へぇ、 そうなんだ……てかさ、 ココ何百年も前からあるにしては、 今の所30越えの人達に会ってないんだよね。

 ……もしかしたら皆死んじまったのか……?


 俺が考え込んでると、 エレベーターが到着音の少し後に開く。

 中には、 両手を腰に当て仁王立ちをし笑顔でこちら側を見る俺と同じくらいの長さの黄色い髪をした男が居た。

 身長は恐らく180㎝以上、 そして細身な方ではあるが確実に全身に筋肉が平均以上についている。


「お前ら、 1ヶ月振りだな。 元気にしてたか? 」


 彼はそう言うと、 1人ずつ抱き締め始めた。

 こ、 これがリーダー? 何か予想と殆ど違うの来たな……何かもっと威厳とかありそうなのかと。


「レイン久し振り! 」


「触るな」


 抱き締められそうになったら珍しく冷たい喋り方になったレインは、 リーダーとやらから離れた。

 もしかして嫌いなのか?


「んじゃ、 シルフォ~! 」


「来るな」


 シルフォもかよ……コイツらリーダーともあろうお方を嫌ってるのか……。

 シルフォもレイン同様リーダーから離れた。


「ユーニ! 」


「イェイリーダー久し振り! 」


 おぉ、 流石ユーニだな。

 お前はちゃんと抱き締められてあげるのか、 優しい奴だな。

 リーダーは、 その後アノムスとエリナさん、 そして他を抱き締めたが、 何故かココアの元には行かなかった……あ、 コイツが睨んでてビビってるのか。


「ココアヤキモチ妬くなって、 後でギュってしてやるからさ」


「……! 」


 ん? 何か2人でコソコソ話してるな……てかココアの顔が赤い、 風邪か大丈夫か?

 ────────────────────

「ひ、 必要無い! それより見ろ、 新入りのアウドラだ」


「新入り? 」


 リーダーさんは俺の方をじっくりと見ている……何か気持ち悪いからやめてくれ。

 そして少しニヤけると、 俺の方に手を差し出し握手をするように求めた。


「よろしくなアウドラ! 俺はここ、 ビワのリーダー、 アグリシード・モス・ロプトだ! 」


「あ、 ども。 俺はアウドラっス」


 ロプトって言うのか……てか俺ちょっと軽かった? 大丈夫かな……。

 俺をロプトがじっと見ていると、 レインが左腕に抱き付いて来た。


「どした? 」


 レインは何やら頬を膨らませてロプトを睨んでいる……あ、 これ何か可愛いな。


「あはははは! 大丈夫だってレイン、 俺は男に興味はねーよ! 」


 ロプトは何かを悟ったのか、 レインの頭を撫でて大声で笑い出す。

 いやうるせーな。


「触るな」


 レインはまたそう言うとロプトの手を弾いた。

 お前リーダー相手にヒデーなさっきから。

 ロプトはレインが去って行くと、 頭を左手で掻きながら俺に話しかけて来た。


「いやぁ、 レインに懐かれるの羨ましいなアウドラ。 アレ可愛いもんなぁ」


 は? 何言ってんだこの男は……確かにさっきのは小動物みたいで可愛かったけど、 コイツは目が違う、 変態の目だ。←どんな目だ。

 ロプトは俺が多少引いていると、 明るく笑いながら部屋中に聞こえるように言った。


「俺可愛い女の子大好きなんだよな! 」


「マジか」


 ロプトは可愛いと思ったら積極的に話しかけたりスキンシップをとったりするらしい……あ、 どうりでレインが嫌がる訳だよ、 気味悪りぃもん。

 てか気色悪りぃもん。


「ビワには可愛いコが多いぞ! ほら、 見てみろシルフォはクール系美少女って感じ……あれ!? 腕どした!? 」


 コイツうるせ……。

 その時俺とシルフォの胸の内はシンクロしていた。

 単にロプトがうるさいって思っていた。

 それにしても、 シルフォが美少女ねぇ……側からしたら確かにそうなんだろうが、 俺は日々喰らう鉄拳のせいでマウンテンゴリラにしか見えないんだが。

 俺はその直後宙を3回転して舞った。

 これだよコレ。


「他に美少女と言えばユーニだよな! 背は低いけど、 胸でけーし」

 ──────────────────

 ユーニが美少女? 考えもしなかったけど確かに顔は可愛いのか……でも胸は関係無くね?

 ロプトはユーニの方を見て、 いやらしいオーラを纏った瞳を向ける。


「その乳をいつかは揉みしだ……」


「エリナさーん」


「ちょ、 エリナ来るな来るな」


 ユーニが真顔で側に居たエリナさんの方へ行くと、 ロプトは焦りながらエリナさんに言ったが……。


「私30のオッサンに興味ないのよ」


 リーダー30歳なんすね……リーダーだもんそんくらい行っててもおかしくない……いや行ってなきゃおかしい気もする。


「お前は色々と度がすぎるぞ、 しっかりリーダーとして……うわぁっ!? 」


「相変わらず良いケツしてんなココア」


 おい、 何で男が男のケツ触って喜んでるんだ? いやでも見た目的には男が女のケツ触ってんだよな……女身長俺とほぼ変わんねーけど。


「ロプト~!」


 ココアは顔を真っ赤にして自分より身長が10㎝程上のロプトの顔を睨む。

 それを見てロプトも赤面し、 右手で顔を覆い震えている……てか悶えてる。


「可愛いだろコレ、 この反応がすっげぇ好きなの俺」


「まあ確かに」


「な!? 」


 あ、 思った事普通に口に出しちまった……てかだって顔だけ見たらマジで美少女だしなココアも。

 それより俺はロプトが変態なのが分かって嫌なんだけど──それと恐らくココアがロプトを好きなのも分かっちまった、 男同士は俺は好かないんだけど。


「いやぁ、 皆変わらねーのなぁ」


 ロプトは見渡しながらしみじみと優しい表情で言う。

 そういやさっき『1ヶ月振り』って言ってたもんな……そんな長い期間戦いに行ってたのか。


「旅行楽しかったぜ? ゲート繋いどくから『溶服温泉』後で皆で入ろーぜ! 特に女子! 」


 ダメだこりゃ……。

 俺とココアは同じ表情で変態丸出しのロプトを見つめていたが、 ココアはやはりロプトに好意を持っているのか切ない顔をしていた。

 俺は何となくココアの肩に手を置いてみた……ら、 予想外な展開が起きた。

 ロプトは俺の手を左目、 そして顔を右目で猫みたいな大きな目で見てきた。

 ……え? 何あれ怖、 そしてキモい。


「アウドラ……ちょーっと俺から提案があるんだけど……いいか? 」

 ─────────────────────

 良くない気がする。


「俺とひとまず腕試ししてみないか? ……ココアに触んなよ(ボソッ)」


 あー……やっぱり嫌な予感が……てか両想いじゃねーかよホモ共って言ったら殺される気がする。

 俺は拒否権も無く、 ロプトと戦う事になった。


 ────。

「あのぉ……仲間同士でやる意味あるんスかね」


「お前の実力をしっときたくてな」


 何かそれとは別のオーラを感じるのは俺だけなのか? 皆不安そうに俺を見つめてるけど、 絶対コイツココアの事独占したいだけだろ。


「勿論、 コントローラーは有りな」


 マジかよ……てかやっぱりコイツも何かのコントローラーを使うのか……。

 ロプトはポケットから注射器の様な物を出した……ボタンが5つ……間違いなくコントローラーだ。

 どんなのなんだ……?


「メディカル・クローズ オン! 」


 メディカル・コントローラー? あんだそりゃ……。


 ──『メディカル・クローズ』──


 アニメの女子キャラの様な明るい声と共にロプトの服装は変化して行く……白衣の様な戦闘服に変わり、 聴診器や全長2メートル程の巨大な注射器が現れた。

 何じゃこりゃ……そう思いながら俺もビジョン・コントローラーで 変身した。

 何か変身って言うと恥ずかしさがあるわ。


「おぁれ? それシルフォのじゃね? 」


「ちょっと色々とありまして」


 ロプトは気にしない様にテキトーに返事をし、 注射器を構えて突進して来る。


「おわっと! 」


 俺はそれを右側に躱し、 ロプトが横向きに振った注射器を大ジャンプで避けた。

 ──が、 俺が背後を見るとロプトが巨大注射器を振り上げて居た。


『動きが早ぇ!! 』


 そして俺は床に叩き落とされた。

 身体の前の部分に激痛と痺れが伝わるが、 俺は追撃を受けない様に瞬時に軽く跳び上がり、 ロプトと一旦距離をとる。


「痛ぇ……コントローラー装着しててもこの威力か……」


 ロプトは余裕そうに注射器を担いで俺を嘲笑うかの様に言った。


「おいおいこの程度か? よくミッション行けたな」


 知るかよ、 来て早々勝手に選ばれただけだし、 地味に活躍してやっただろうがよ! お前そんなに俺が気に入らねーのか!?

 ロプトは上の階から俺達が戦うホールを見る皆を見た。

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