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君のいない灰色と//異世界  作者: シマミ
DISC 1 前編〜灰色の世界〜
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第46話〜宣戦布告//朝寝坊〜


「…学院内での私闘はしちゃいけないんじゃないのか?えぇ!」


 いくら無類の剣聖であっても、純粋な力比べではまだ齢二十歳にもいかない少年に負ける道夫では無かった。

 火花散る鍔迫り合いが暫く続き、競り勝った道夫が押し込んでクラウとの距離を取らせた。


「…明らかに構えが変わっている。俺の剣筋も理解していただろう?一体あの時何をした。そして何故、あの天使製を斬れた?」


 クラウは剣先をこちらに向けたまま、敵意と共に問い掛ける。


「話してもいいが、到底信じられる物じゃない。それにここは人目を惹く」


 既に周りは野次馬で一杯になろうとしている。彼は話に納得してくれたのか、持っていた剣を鞘にしまう。


「幾日か待つ、時が来たら第二会場に来い」


「第二…?」「今のって決闘の申し込み?」「クラウとミチオの決闘だぁ!賭け表の用意だオラァン!」


 それだけ残して彼はそのまま姿を消してしまった。2人の戦いが見れると集まっていた野次馬達は足早に解散して行った。


「…元々そういう予定だったけど、こりゃあ不味い事になりそうだ」


 早速、メニライの力を借りなければならないだろう。否、彼女だけではダメだ。頼れるツテを当たれるだけ当たってみる必要がある。

 クラウ・イルリアとは、それだけの才を持つ傑物であると道夫は思う事にした。

 先ず足早に向かったのは『端末室』要はパソコン室であり、早速そこに頼れるツテの一つがあった。


「ミチオさん。まさか来て頂けるなんて」


「元気そうで良かったよリリテ。早速で悪いんだけど、クラウの戦闘記録って無いかな」


 第一試験以降、リリテはまた勉学に戻って行った。最近では戦闘についても学ぶ様になり、こうして戦闘記録を見ているのだとか。

 しかし実際に見ているのは『道夫が映っている箇所』ばかりらしいが…。


「はい。これが昨日やってたクラウとクライスの…今更だけど2人って名前似てますわね」


 確かに、と頷きながら記録に注目する。戦闘が始まった瞬間にクライスが姿を消した。

 相変わらずの加速を見せる中、クラウは全く動かずたった一つの抜剣で彼を弾き止め、その上攻撃を加えていた。

 抜いた瞬間なんてとても見えず、気付けば剣が抜かれていた。そして居合の動き的に上へ振られる筈の剣が振り下ろされている。


(…さっきの所、もっと遅く)


 スロー再生とコマ送りを駆使して先程の瞬間を何度も見直す。クライスが鍵剣を振り下ろしたその時、たった一瞬だけ()()()()()()に阻まれた。


「な、なんだ…?」


 理屈はまだ不明だが、この見えない何かについても探る必要がある。

 その日はひたすら彼の戦いを観察して費やす事になる程、道夫は目の前の映像に夢中になるのであった。



「あぁ…目使い過ぎた」


 すっかり夜中になり、帰宅した個室の中で使い過ぎた目を暖めながら呟く。

 だがその分得るものはあり、見えない何かの正体も何となく掴む事が出来た。

 

「後は、()()()()()()()()()()()()()()……」


 『明視(センナ)』であれば、ただ透明になった程度なら簡単に看破する。しかし、誰でも出来るその魔法で誰も『透明の剣』を捉えられなかった。

 『明視』では分からない事があるとは正直思っていなかった道夫は頭を悩ませていたが、その糸口を掴んだらしい人物を映像の中で見つけた。


「『水軍師スディリ』かぁ。果たして会えるかどうか」


 スディリ・ザハ。通称水軍師と呼ばれてるだけあって、類稀な『水属』の使い手であり豊富な戦術を内包している。

 次の特等候補とされた彼はクラウとの戦いに挑み、透明の剣を見つけ出していた。

 

「無理に考えても仕方ないよなぁ…寝よ」


 ニホンにいた頃、灰色に染まった世界はどう言う訳かとても寝辛かった。幾ら休んでも疲れは余り取れず、心のモヤも晴れなかった。

 しかしこの世界に来てからは夜更かしする理由も余り無く、朝は大変スッキリする様になった。極め付けは、睡眠の魔法を自分に掛ける事である。

 

「やべ掛けすぎ。ぐぅ」


 急な眠気と共に眠りにつく道夫、時間は大体9時から10時位に眠りにつく様になったがただ早寝マンになったのでは無く、これはメニライの時にも見た『夢』を狙っての事でもある。

 あの僅かな間であれだけの効果があったならと期待を込めての作戦だったが、結果はただ清々しい朝を迎え…。


「やべ寝過ぎた!」


 大事な成績発表に寝坊するだけであった。

〜寝る魔法カーピス


 名前の通り、自然な眠気を誘い睡眠を促す魔法。夜眠れない、端末の明かりを見過ぎた、ムラムラして寝れないといった問題を解決する第二陣魔法。


 相手を無理矢理寝かせる様な力は無く、せいぜいが欠伸をさせる程度である。睡眠薬等と違い乱用しても命に影響は無いが、必要以上にぐっすり眠る為何か予定があれば寝坊確定である。

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