表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君のいない灰色と//異世界  作者: シマミ
DISC 1 前編〜灰色の世界〜
30/205

第29話〜魔法戦//光の剣〜


 数日に渡る筆記試験が終わり、魔法戦当日。にも関わらず、生徒達はいつも通り各々の好きに行動している。

 道夫も試験終わりの空気という物を感じながら、試験の出来具合とこれから始まる魔法戦(アセント)の事を考えていた。


 筆記は余り良い手応えを感じられなかった。イミュリーズの言語にも慣れては来たがそれでも文章一つ一つを訳していく必要があったからだ。


(今思えば、ほんとギリギリだったなぁ…)


 その時校舎内にチャイムが鳴り渡り、スピーカー代わりの陣が教室へと入っていく。

 学長のレイルスが操作しているらしいのだが、時々入り口にぶつかって落下する事があるお茶目な奴だと生徒に少し人気となっている。


『え〜、もうすぐ魔法戦第一回目の準備が完了します。生徒たちはそれぞれ振り分けられた番号の場所へ移動して下さいぃ!?』


 突然レイルスの声が上ずったと共に陣も消えてしまう。どうやら何処かの陣が壁にぶつかったらしい。


「学長相変わらずだな〜」「可愛かったー」「あぁ言う時の声ホント女の子だよなぁ…うへへ」「おいこいつを連れてけ」「はっ。さぁ来ぉい」ソイヤッソイヤッ


(なるほど、それで5番って訳…)


 生徒1人が大勢の男に囲まれてどこかに運ばれる姿を尻目に、道夫は指定された場所へと向かう事にした。



〜魔法戦第一会場〜


 少し余裕を持って会場に来た道夫だが、そこには既に多くの生徒が開始の時を待っていた。

 一人一人がかなり真剣な表情をしているのだが、このいかにもなグラウンドで本当に戦ったりするのだろうか。


「は〜い皆せいれーつ」


 会場の上空から壇上へ現れたのは、教師の1人であるヴィアン・アジェ。

 元軍師という経歴からか主に訓練指導を受け持つ女性教師だ。ある理由から生徒の人気もかなり高い。と言うのも…。


「先生ちゃん今日も可愛い〜」「先生ちゃん背足りてないですよ」「年上なのにちっちゃいなんてずるいのでは」


「あいっかわらず貴様らは〜…」


 彼女、凄い背が小さい。小学生後半位しかなく、声も見た目相応だ。本人曰く一種の呪いらしいが、そんな呪いを掛けた奴はどんな神経しているのか…。


「こほん…ではこれより、魔法戦第一回を開始する。各員、油断せず全力を持って挑む事。」


 話の後、道夫たちがいた場所が巨大な陣によって輝き始める。その規模もしかいに収まりきらない程だ。遠くでも同じ光が昇っているのが見える。


「これが魔法戦だ。たのしみたまえよ?」


 生徒を見送る彼女の言葉は、まるで道夫に向けて掛けた言葉の様だった。


〜魔法戦場『森』〜


 陣の光に目を瞑っていた道夫。次に目を開けた時に映る光景を彼は信じられなかった。辺り一面樹に覆われ、日の当たる場所以外は樹々の影で非常に暗い。


「おーミチオとリリテ。今回はこの3人って訳」


「え…?あぁ、確か…ラクリオ?」


「そーそー。よろしく」


 ラクリオ・ワーカ。道夫と同じだった初等級の生徒で、一部を除き特筆する所も無い至って普通の若者である。


「ちょっと、男2人で無視しないで頂ける?…ってあぁミチオさん。まさか貴方とご一緒だなんてぇ…」


 彼女はリリテ・コレト。中等級の生徒で、右目には包帯が巻かれてある。貴族の娘であり、最近良く先々で出会い何となしに知り合いになっていた。


「それでラクリオ…魔法戦って実際どう…」


 聞こうとしたその時、森に響く爆発音がその言葉を切り上げる。それに続く様に放たれる魔法の炸裂音が静かだった森を一瞬で戦場へと変えていく。


「その説明はもう少し後で。今はとにかくここを移動する」


 彼が指差した先には、高く聳え立つ岩山があった。視界の悪い中戦わされるよりは良いのだろうが、それは恐らく誰もが思いついているだろう。


「確かに、どちらをとっても危険である事は変わりません。でも…」


「あぁ、毎回恒例だが、今回もまた時間を掛けられない」


 強化した視界で森を駆け抜けながら、道夫を置いてけぼりに会話を進める2人。道夫も魔法戦とは何か位は事前の説明で理解した。

 3人組のチームで最後まで残る。非常に単純なルールなのだが、彼らの焦りはルールがそれだけでは無いという事を表していた。


「っ!ミチオさん危ない!」


 そんな声を聞いた彼は、既に目の前で弾かれた光の剣に気付く。戻りだす光の先には、左手に煌びやかな装飾を施したレイピアを持つ生徒がいた。


「最悪…『レイソード伯』だ」


「レイソード…」


「妙だね…今のは確実に仕留めたのだけど。今日は星に見放されてる様だ」


 レイソード・リューブレント。学城院きっての大貴族『リューブレント』の次期当主となる高等級生徒だ。

 はっきり言って道夫達では勝ち目が限りなくゼロに近い存在である。


「君たち初等には悪いが、()()は私が頂く。カーラ、レンア、手を出すな」


 後ろに控えていた女生徒2人は言葉も無しに消え、後に残ったのは魔力を高めた彼と道夫達だけだった。


「さぁ余興だ。楽しませたまえよ!」

〜レイソード・リューブレント〜


大貴族である『リューブレント』の次期当主。常人を超える魔力と、彼の一族が受け継いできた『星属』を持って学城院の高等級として入学した。


お付きの従者ことカーラとレンアを従え、戦いの際は援護に回らせている。尚援護無しでも鋭い剣術は鈍る事なく、自らの魔法との合わせ技で更に切れ味を増す。


趣味は縫いぐるみ作り。それ故か初等部の子ども達には人気。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ