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君のいない灰色と//異世界  作者: シマミ
DISC 1 前編〜灰色の世界〜
27/205

第26話〜新しい繋がり//全員年下〜


 あんな力が出せる様になって一週間位。道夫は昨日と同じ時間で目を覚ました。以前はアラームに頼りっきりだったのが嘘みたいだ。

 少し名残惜しくベッドを離れ、顔を洗う。そしてほんの少し伸びて来た髭を剃っていく。

 髭剃りの道具は美容院で使う様な直刃の物というしか無い。最初は恐ろしかったがもう慣れた。


「…次は着替え」


 手入れを済ませた後は制服に着替え、必要な道具を揃えて部屋を後にする。既に食堂には多くの生徒達がそれぞれの食事を楽しんでいた。


「ミチオ〜。こっちこっち!」


 そんな中、道夫を呼ぶ声がした。ここに来てから直ぐに出来た、道夫の友人達であった。


「おはよう、クライス。今日はわざわざこっちにきたのか?」


「オハヨウって言葉もなんだか慣れたなぁ。そうそう、こっち来たのはアレだ。アレ」


「そういえば、もうすぐだったか」


 学城院に来た日、レイルスが言っていた「試験」が間近に迫りつつあった。彼はその後もあたふたとしていたが、そんな姿を、道夫は懐かしく思うのだった。


「だからお願いミチオ。今日も『調整』に付き合ってくれないか?」


「またやるのか?構わないがアレ使うのだってタダじゃないんだろう?」


「そこはホントにあと少しで完成なんだ。後で何か用意してやるから、それじゃ」


 それだけ言ってクライスは足早に食堂を後にした。調整はいつも昼過ぎの休み時間にやっている為、その間道夫はいつも学城院の様々な所を訪れて時間を潰していた。


(まぁ…試験も近いしここかな)


 道夫は『図書室』の扉を開ける。高校時代にも図書室はあったのだが、ここまで大きいのは初めてだ。

 最早図書館なのではないかと思う程の室内には、それこそあらゆる本が綺麗に保管されている。


「やぁミチオさん。貴方もここへ勉強に?」


 本を塔みたいに積み重ねながら筋骨隆々の年下少年であるムルチア・アウンスラーグ、通称マッチョインテリが声を掛けてきた。

 冗談抜きで年下とは思えない鍛え抜かれた筋肉を持ちながら、学城院きっての成績トップ保持者だ。

 色々理解しきってない道夫やその他生徒に合わせて分かり易く教えたりもしている。


「試験が近いからな。ムルチアも…まぁ勉強なんだろう?」


「えぇ。これから試験範囲も含め、色々と学び直しをする所です」


「毎回成績もトップなのに、そこまでやらなくても充分なんじゃ無いのか?」


「そうかもしれませんね。それでも、きっとそうしないと気が済まない性分なんでしょう。私という人は」


「…ほんと、凄い奴だよ。それじゃあ少し勉強に付き合ってくれないか?」


 ムルチアは心底嬉しそうな顔をして、親切に教えてくれた。そんな楽しそうな彼を見て、道夫は少し元気を貰えた気がした。

 図書室を後にした道夫は、工房の方へと向かう。魔法の研究を主に、これまで多くの物が開発され活用されている。


「メニライ、メニラーイ。生きてるか〜?」


 色んな機械、道具、本でごちゃごちゃし過ぎな工房の一室に彼女はいた。

 綺麗な金髪と群青色の瞳は色んな奴を虜にし、特徴的な尖った耳は彼女が本物のエルフである事を証明している。


「…貴方はどうして挨拶代わりに、私の生存確認をするのかしら。まぁ約束の時間通りに来てくれたのは感心するけどね」


「こんな雑多な場所で、自分の身を顧みない人がいれば誰だって心配するって」


 メニライ・ユ・ラシェンナ。大樹の花から産まれるというエルフの一族…という事なのだが、本の記述によると、里の外へ基本的に出る事はない種族だとか。

 そんな一族の1人がここにいる事について、道夫は踏み込むべき事ではないと思い、聞かないままにしていた。


「ほら、完成品はそこにあるわ。妖精のコリン(コピー)化に少し悩んだけど、動作は問題ないはずよ」


 箱の上に置かれているのは、小さなハンドベルだった。取手の所にピンが差し込まれている以外には見た目通りの道具である。


「留め具を抜いて鳴らせば、内蔵された魔法で妖精を呼び出して使役できるの。コリンだから言うこと聞かないなんてことも無い」


「これなら使えそうかも。それで…もう一つの方はどうだ?」


「あっちはまだ無理ね。渡せるのは前日になると思うわ…。(ガグ)って結構貴重なのね…」


「まぁ…当日までに作ってくれるならそれでいいんだ。ありがとうメニライ、無理はしないでくれよ?」


 彼女は返事の代わりに手を振って応え、目の前の研究に取り組み始める。その後は工房を出て午前の授業に出席し、丁度昼頃の時間に授業は終了した。


「クライスの約束には、間に合うか。よしっと…」


 簡単に昼食を済ませ、道夫はクライスが寝泊まりしている寮の方へと進み出した。

〜新しい友人達〜


 クライス

 「誰とでも友達になる」を体現したかのような底抜けの明るさとコミュ力を持ったいいヤツ(詰めは甘い)。彼に名字と呼べるものは無く、本人からも「自分はクライス。ただそれだけ」と言うだけだった。


 ムルチア・アウンスラーグ

 かなりのゴリマッチョでありながら、学城院筆記成績トップ保持者。掛けているメガネは勉強用で「替え」があるが余り使いたく無いと本人は言う。勉強するのも教えるのも好きで、教え方が上手いと評判だ。


 メニライ・ユ・ラシェンナ

 ファンタジーにありがちな金髪美少女エルフ…と最初は思ったもんだ。名前の「ユ」とは、エルフの里にある「ユ」の大樹から産まれた。と言う意味だとか。かなりの美少女だが、その中身はかなり独特。


〜(柊友人帳より抜粋)〜

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