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君のいない灰色と//異世界  作者: シマミ
DISC 1 前編〜灰色の世界〜
22/205

第21話〜学園//新しい制服〜


〜翌日、学城院(アカリア)大広場〜


 グラウンドみたいな広場は今非常にざわついていた。前もって予定されていない急な集会が入ってきたからだ。

 既に道夫の事を気付いた生徒達があれは誰かと小声で話し合っている。程なくして、レイルスが壇上に上がって話し出した。


「遅れましたがただいま、そしておはようございます。急な集会になって申し訳ないですが、お伝えしなくてはならない事態が起きました」


 その声色は今までにない程真剣だ。聞いてた道夫は勿論、生徒達も静かに聞き入っている。


「イナランの地にて『兆し』が確認されました。そう遠くない日に彼が目覚める時が来ると思われます」


 生徒達だけでなく、教師と思われる人々も再びざわめき出す。道夫には全く事情が飲み込めない状態ではあったが、言葉や表情から尋常じゃない事態である事は理解出来た。


「だからと言って慌てる事はありません。みなさんは今後も日々の研鑽を重ねて生徒である事を満喫してください。あ〜そうそう、伝え忘れてましたがもうすぐ試験があるので頑張ってくださいね。では解散」


「うそだろ…」「そういうのもっと早くに言いなさいヨォ!」「またアレやるのかぁ…」「結局あの人誰よ…?」


 それを聞いて生徒達は色々呟きながら戻っていった。一部の慌て様からしてそんな話は聞かされていなかったらしい。なんと非道な行いだろうか。


「さぁミチオくん、君のお部屋まで案内しますよ」


「学長、あれは本当にあんまりなのでは…」


「いつもあんな感じですよ。さぁこれに乗って行きますよ〜」


 レイルスと一緒に魔力の流れに乗って移動する。道夫も特に問題なく流れに乗る。最初は戸惑いましたが、今では当たる風が心地良い。


「ほら着きました。やっぱり近いっていいですね」


「…嘘でしょ?」


 着いた先に建っていたのは、豪邸だ。広くて大きな門、めちゃくちゃに大きな屋敷に噴水に庭園まで付いている。


「我が学城院が誇る、完全個室型の学生寮の1つです。いやぁ当時の私頑張りましたねぇ」


 門を通り、そのまま屋敷内に向かう。中もこれまた豪華に出来ていて、見た事ないような装飾もそこら中にあった。


「今は授業で誰もいませんが、皆が帰ってくるとここもいっぱい賑わって楽しいんですよ?さぁここがミチオくんのお部屋です。これお部屋の鍵」


 鍵を受け取って中に入ると、1人用としては充分過ぎる程の内装だった。それらに浸るのは後にして、荷物を置いて受け取った制服に着替えてみる。

 一言で表すなら、良くあるブレザー系の制服で非常に動き易い。高校の時は昔ながらの学ラン系だったから新鮮な気持ちだ。


「うん、とっても似合ってますよ。年に見合わないのを除けばですが、ふふふ」


「それは言わないで欲しい…」



〜学城院、第一学舎〜


「学舎の中では、魔法を使う為の知識を学んでいきます。まぁここは実践の方が殆どって感じですが」


 レイルスの言う通り、外の方では魔法を発動させている生徒も見えた。人それぞれに、止まった的や動く的、現れては消える的等様々だ。


「ミチオくんも明日からはここの生徒です。焦る事も無いですし、ゆっくり学んで行ってくださいね」


「それもそうだけど、教室はどこになるんだ?」


「問題ありません。ミチオくんの実力に合わせた所ですから…せっかくだから伝えておきましょうか」


 廊下を抜けて、2人きりの広場に座る。この先どうなるかと思うと結構ドキドキしてしまう物だ。


「それで、どこなんですか学長…」


「…初等級です」


「…はい?」


 よく聞こえなかった。否、聞いてしまいたくなかった。今確かに初等級と言ったのか、レイルスは目を合わせず言葉を繰り返した。


「明日から初等級で、一からここの事を学んで下さい。大丈夫です、年齢の事を馬鹿にする様な子は居ませんから…」


「冗談…じゃ無さそうだな」


 正直、冗談じゃないと言いたくなる気持ちの裏に、確かにここ『イミュリーズ』の事を全部知ってはいないと納得してしまった。それに、


「…それで、初等級ってどんななんだ?」


「…えぇ、まずは何処にあるかからですね」


 進み続ければ、きっと彼女に届く。その為なら何て事もない。レイルスもその気持ちを汲んでくれたのか、その後も多くの事を教えてくれた。

 案内が終わったのは、丁度生徒達が帰路に着き、空もオレンジに色づき出す頃だった。その道すがら、道夫は何人もの生徒に声をかけられる。


「これからよろしく。そんで名前は?」「案内されてたけど、気に入った?」「困ったら頼っていいよ!」「学長とはどんな関係なんだ。場合によっては…」


 皆誰もが、近過ぎず遠過ぎずな距離感で話してくれる。寮の中でも、年齢や等級に関係なく多くの人々が一緒に食事したり話し合ったりしている。

 慣れない事で疲れたので、今日の所は早目に休む事にする。ベッドに横になって目を瞑れば、浮かんでくるのはずっと探して来た彼女の姿だった。


 伸ばした手も今は届かない。それでもきっとこの手は届く。根拠なんて何処にもないが、道夫にはそう思えた。


「きっと見つける。だから待ってて」


 そう言って、彼は深い眠りの中へ潜っていった。

〜学城院のクラス分け〜


 学城院では、初等、中等、高等、特等という妙に分かりやすい4つに学級が分けられている。これは年齢的な物ではなく、個人の実力によって決まる。

 そして、生徒の誰もが年齢差や実力差を気にせずに会話し、日々を楽しんでいる。

 学ぶ対象が魔法という事もあり、どちらかと言うと実践を重視している。その為、非常に広い敷地を使った訓練場も各所に配置されている。

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