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私の異世界花記録  作者: 立花柚月
五章 異世界花屋と思い出
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第八十五話

遅くなってしまい、すみません…。

◇以下は、ルイ視点になっています。

ロディル卿が来てから、一瞬間ほどが経った。その後はロディル卿には全く会っていない。その代わり、ロディル卿からルイ宛の手紙が来ていた。私は見ていないけど、どうやら、賭けの詳細について書いてあったみたい。変なところでしっかりしてる…、とルイがつぶやいていた。この前ルイが呼び出された時も、ちゃんと場所についての紙があったらしい。それを聞くと、確かにそんな感じがしなくもない。けれど、一つ疑問に思っていることがある。この前、ロディル卿は、どうして私とルイが付き合ってるかどうか、ってことを尋ねてきたんだろう?それがずっと気になってるんだよね…。私が何者なのか、って質問と全く関係ないし…。それが引っかかっている。何を考えていたんだろう…?そこが本当に不思議だ。…と考えていると、ルイが私の近くにやって来た。そして、何の前触れもなく、私の頭をはたいた!!痛いんですけど…?!たぶん、叩いた本人は軽い力でやったつもりなんだろうけど、角度とかのせいなのか、すごい痛く感じた。私はちょっとむっとしてルイを見た。

「ルイ、急にはたかないでくれる?びっくりするんですけど。あと、痛い」

「悪い。けど、最近、結花がぼーっとしまくってるから、………心配というか、何というか。まあ、そんな感じだ。今さっきだって、俺の話聞いてなかっただろ」

…そ、そのことについてはごめんなさい…。実はさっき、ルイに話しかけられたのに、その時全然気付いていなかった。何回か呼ばれてようやく気付き、ちょっと怒られた…。それに、今はお店番してるから、本当は考え事をしてちゃいけないんだよね…。ロディル卿の発言についても考えていたんだけど、他にも、千智さんのことや二つの種について色々と考えているせいで、どうやら最近、傍から見ると、ぼーっとしているように見えることが多いらしい。この前、お店に来たフィオナちゃんにもすごく心配されてしまった。私らしくない、って言われてしまった。…フィオナちゃんからすると、普段の私って、あまり何も考えていないように見えているのかな?と一瞬、気になってしまったけれど、何はともあれ心配をかけてしまったのは、事実。

「…で、結花がそんなにぼーっとしてるってことは、珍しく何か悩みでもあるのか?何だったら聞くけど?」

心配してくれてるみたいなのは嬉しいんだけど、一言余計!珍しく、って言わなくていいと思うんですけど。私だって一応、色々悩むことくらいあります!私ってそんなに、何も考えていないように見えるのかな?地味に傷つく一言を言われた気が…。そんなことを思いつつ、私は気になっていたことの一つを直球に聞いてみることにした。

「色々気になることはあるんだけど…。この前、私たち、ロディル卿に会ったよね?その時に、私たちが付き合っているかどうか、っていうのを聞かれたけど、何でそんなこと聞いたんだろう?」

「は…?それを気にしてたのかよ?たぶん、それは、もし俺がヴェリエ国に帰ることになったら、その時に面倒なことになると考えたからじゃないのか?…よく知らないけど。でも、もしこういう状況じゃなかったとしても、あの人は、そういうのにうるさそうだな…。…まあ、そこまで気にしなくていいんじゃないか?」

そう言いつつも、何故かルイは少し動揺しているように見えた。何でだろう?と一瞬、気になったけど、すぐにある可能性に思い当たった。…もしかして、あの時急に聞かれた時、かなり驚いたから、そのことを思い出したのかも?うん、きっとそうだ。

「…で、他にも何か気になることがあるみたいだな。難しい顔してるし、何となくそんな気がする。別に、言いたくないなら言わなくていいけど…。案外、話したら気が楽になることもあるし…」

確かに、そういうことあるかも…。うーん…、でも、今のところ、種や千智さんに関することは、まだ私の憶測でしかないんだよね。だから、言って間違ってたら申し訳ないし…。私は少し考えた。…んだけど、ちょっと待って。何か変なんだけど。何が変か、って、ルイがいつもより優しい…?気がするような?…?というか、たまに優しくなることがあるけど、何でだろう?もしかして、そんなに私の様子がいつもと違うのかな…。自覚があまりないんだけど。なので、私は言った。

「…ルイって、たまに優しくなるけど、何で?私、そんなにいつもと違う?ごめん、心配かけちゃって」

「たまに、って言葉、余計だと思う…。せめて、時々にしろよ?…あと、謝らなくていい。確かに心配してるけど、ヘルの時ほどじゃないしな。さすがにあれくらい心配かけさせられたらこっちの寿命が縮む気がするけど。それに、既に何回も心配させられてるし。だから気にしなくていい」

あー……。あの時は、私、そこまで重症ではなかったけど、怪我したしね。たぶん、あの時は心配かけただろうな…。…でも、それ以外って何かあったっけ???うーん…。よく分からない。特にない気がするんだけど……?それに、さりげなく話題を変えられたような?あ、もしかして、さっきの質問の文の、たまに、を時々に言いかえた方が良かったりするのかな??

「じゃあ、もう一回質問し直すね!ルイって、時々優しくなるけど、何で?」

「……。時々…。俺が普段は優しくないみたいで、あんまり嬉しくないんだが…」

「そう言われても…。時々は時々だもん。…あ、さっきはたまに、だったけど。まあいいか。というか、ルイ、時々の方がいいって言ってたよね?だから時々にしてみたんだけど…、ダメだった?」

「まあ、確かにそうだけど……。正確には、せめて時々、って言ったからな?せめてだからな!本当は時々も微妙だったけど…。…あー、もう面倒になってきたし、いいや。で、質問の答えだけど、心配だからに決まってるだろ。変に静かだとこっちも調子狂って、他のことに集中できなくなるし。あ、別に、責めてるわけじゃないからな!…それに、結花が一人で全部抱え込みそうで怖いし。…それが理由だ」

そう言ってルイは、少し恥ずかしそうに目を逸らした。……。私は私で、ルイがそういう風に思っていたということが意外に感じて、一瞬、何て言ったらいいか分からなくなってしまった。でも、私、かなりルイに心配かけてるんだな…。なので、話題を少し変えてみることにする。

「…ところで、ヘルさんの時に心配をかけた自覚はあるけど、他に心配かけたのっていつなの??何かあったっけ?さっきから考えてるんだけど、全然分からない」

と、私はルイに聞いてみた。あまり心配をかけないよう、今後に生かそうと思ったので。すると、何故かルイは、何とも言えないような微妙な表情になった。…もしかして、呆れられてる??ちょっと申し訳ない…。でも、何かあったっけな…。すると、ルイが言った。

「…まあ、色々あるけど、とりあえず一番心配なのは…、結花が無理すること、だな…。ヘルの時だって、ネネをかばおうとして怪我してただろ?確かに、ああしなかったら、たぶんネネの方が怪我してたと思うけど…、だからって無茶するなよ。そうじゃないと、……俺が困る」

最後の一言はとても小さい声だったので、聞きとりづらかったが、何とか聞けた。でも、ルイが困るって一体どういうことだろう??うーん、謎…。要するに、私が無茶したら心配になるってこと、なのかな?

「というか、ルイ、今日は優しい上に素直な気がするんだけど…?何か心境の変化でもあった?」

「特にないし、微妙にひどい発言するなよ…。その言い方だと、俺がいつも優しくなくて、素直でもないような気がする。しかも、さっきも同じようなことを言われたから、更に攻撃されたような気分…」

すみません…。でも、本当に本当に、今日のルイはびっくりするほど優しいのだ。発言だってそうだし、態度とかもいつもより丸くなっている。だから、正直私はびっくりしていたのだ。すると、ルイが不意に私の傍を離れ、お店の奥へと行ってしまった。急にどうしたんだろう?と私が困惑していると、後からルイが言ってきた。

「…ちょっと休憩してくるから、その間店番頼む。…何かあったら遠慮なく呼べよ」

「うん、分かった」

…??休憩してくるのは分かったけど、どうしたんだろう?疲れてるのかな?私はちょっとルイのことを心配しつつ、お店番を続けていたのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


結花に少し休んでくる、と伝えた俺は、一旦自室に戻ることにした。…何だか、今の会話ですごく体力を使ったような気がする。…恐らく、その原因は、結花がいつも以上にふわふわしているからだろう。普段からどちらかと言うと、ほわほわとしているような感じの結花が、最近はいつも以上、そんな雰囲気がする。確か、こんな感じになり始めたのって、結花が植物屋の近くであの人…、つまり、ロディル卿と会ってからだったと思う。俺が立ち去った後、どんな会話をしていたのかは知らないけど、その後から、いつも何か考えているような感じになってしまったような気がする。大丈夫か、あいつ…。一人で外に行かせたら、どこかで迷子になりそうでものすごく怖いのだが…。…ってか、あんな感じだと、こっちの調子まで狂うから、本当にやめてほしい。そのせいで、さっきも、言わないでおこうと思っていたこととか、普段の俺だったら絶対に言わないだろうな、と自分でも思うようなこととか色々と言ってしまった。その代わり、と言うべきなのか、結花にも、色々と心にぐさぐさ突き刺さるようなことを言われてしまったが…。たまに優しいって何なんだよ…。普段の態度が優しくないのは、何となく自分でも分かってるが、それにしたって、たまに、はひどくないか、と思う。けど、優しい、とは一体…?それがよく分からない。それに、今さら態度を変えたら、結花に戸惑われそうだし。…でも、最近の結花は本当におかしい。一応、気になっていることについて、聞いたけど、たぶん、さっき言っていたことだけではないだろう。

「…しばらく、様子を見ておくか」

…って、待て、何で俺、こんなに他人に気を遣ってるんだよ?!相手が結花だからか…?今まで全然そんなことなかったのにな…。そもそも、あまり人と関わってなかったし。俺は正直、そんな自分の変化に戸惑っていた。

読んで下さり、ありがとうございました。

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