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私の異世界花記録  作者: 立花柚月
五章 異世界花屋と思い出
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第七十七話

遅くなり、すみません…。

そして、その二日後。朝から道に馬車があってすごくびっくりした…。そして、用意が早い…。しかし、どこか重い感じの色だったので、街並みとの配色が全く合っていない。町の建物はどちらかというと、明るい色が多いので、非常に対比しているように思えた。恐らく、この通りに住んでいる人たちも驚いただろう。朝から謎の馬車がそこにあったから。ルイなんか、それを見て、

「ただの近所迷惑でしかないな、これ…」

とつぶやいていた。確かに、通行の邪魔になる気がするような…。元の世界―、つまり、今の日本では馬車が走っていないから、大きさとか全然知らなかったけど、実際に見てみると、意外と大きい。それに、そもそも前に馬がいるから、更にスペースをとってしまうのだ。ここら辺の道はすごく広いわけではないので、道の半分くらいが馬車に取られていた。そんな感じだったので、ルイは予定よりも早く出発することにしたようだ。もし、他の人からクレームが来たら大変だし。なので、私は朝早くから何もすることがなくて暇だった。なんとなくお店スペースでぼーっとしていたけれど、そもそもお店をやっていないので、人が誰もいないし、そもそも誰も来ない…。そのせいか、思考は自然と、ルイは今、何をしているのかな?という不安に移っていく。何を話してるのかな、とか、いつ帰ってこられるかな、とか…。そう考え始めると、キリがない。それは分かっているんだけど、心配なものは心配なのだ。そして、この前見たロディル卿を思い出す。ものすごく厳格そうな人だったな…。そして、かなり頭が切れそうな人物だった。…うーん、やっぱり、ルイが心配になってきた。不安な気持ちだけが強まっていくので、私はぶんぶん首を振って、一旦そのことを考えないようにすることにした。えーとえーと…、他の話題は…。あ、今日のお昼ごはん、何にしようかな?何か余っている物を使って自分で作ってもいいかもしれない。台所を使っちゃダメだ、とか特に言われてないし、別にいいよね。…ただ、問題は、一緒に食べる人がいない、ってことなんだよね…。一人で食べるの、寂しいな…。とすると、誰かのところに行く…、とか?どうしようかな…、と考えていると、突然、お店の扉がコンコン、と叩かれた。…?誰だろう?今日、お休みなんだけどな…。もしかしたら、そのことを知らないお客さんが来たのかも。そう思いつつ扉を開けると、そこにいたのは何とアケビさんとスイさんだった!びっくり。…というか、植物屋さんの方はどうしたの?抜け出しちゃって大丈夫なのかな?

「こんにちは、結花ちゃん!実はね、この前、ルイと会ったとき、お昼の時間だけでもいいから結花ちゃんと一緒にいてほしい、って頼まれたの。だから、良かったら、植物屋でお昼にしない?」

アケビさんがそう言った。その内容に、再び驚く。ルイ、いつの間に、そんなことを…。というか、一言くらい言って欲しいんだけど…?すると、スイさんもにこっと笑った。

「私たちの仕事に関しては、気にしなくて大丈夫ですよ。昨日の内に、書類整理はしっかり終わらせましたので。なので、比較的ゆっくりと食事をすることができるはずです。色々お話ししたいですし、どうでしょうか?」

「ああー…、昨日、すごく大変だったなー…」

アケビさんが昨日のことを思い出したらしく、力のない笑みを浮かべた。

「お邪魔じゃないなら、是非!一人で食べるのは寂しいな、とちょうど思っていたところなので」

…ということで、私はアケビさんとスイさんと一緒にお昼ごはんにすることにした。…もしかして、ルイ、私が一人で食べるの寂しいな、とか思うのを見越して、アケビさんたちにお願いしたのかな?そうとしか思えないんだけど…。だって、そうじゃなければ、そういうこと頼まなさそうだし…。帰ってきたら、聞いてみよう。あと、ちゃんとお礼を言おう。そう思いつつ、私はお店の鍵をしっかりと閉めた。この前、うるさく言われたので、しっかりと鍵がかかっているか確認する。…うん、大丈夫そう!私はアケビさんたちと植物屋さんに向かった。


今まで知らなかったけど、植物屋さんには軽食を取れるような場所があるらしい。便利だし、メニューも豊富なので、けっこう人気なのだそう。私たちがそのフードコートに着いたときには、既にたくさんの人たちがテーブルに陣取っていた。なので、まず、空いている席を探すのが大変だった…。奥の方に一つテーブルが空いているのをスイさんが見つけ、そこのテーブルに決めた。というか、他に選択肢がなかったのだ…。そして、まず最初にスイさんと私で食べ物探しに行くことにした。アケビさんは、テーブルを他の人に取られないよう、待機している。日本とかだと荷物を置いていったりして席を取ってたけど、こっちでは、その行動は危ないんだろうな…。

「結花さまは何が食べたいですか?色々ありますよ。あそこには麺類があって、あちらは確か、パン系統の…、例えばサンドイッチとか売っています」

個人的に麺類が気になったので、私は麺類コーナーに行くことにした。そこに行って、私は衝撃を受けた。西洋風の街だから、てっきり、あるのはパスタだけかな…、と思っていたら、何故かお蕎麦があった!衝撃的すぎて、一瞬目を疑った。でも、そこにあるのは確かにお蕎麦。私は迷わずそれにした。この世界に来てから、私は一度もお蕎麦を食べていなかったのだ。しかも、本格的…!お蕎麦を注文して受け取った後、私はスイさんと共にテーブルに戻った。それからアケビさんがお昼ごはんを買って戻ってきてから、ようやくいただきますだった。ちょっと伸びちゃったけど、まあいいか。熱すぎると食べづらいので、ちょうど良い。ちなみに、アケビさんはグラタンみたいな物を、スイさんはサンドイッチを食べていた。

「…あ、そうだ、私、アケビさんに聞きたいことがあったんですけど、質問していいですか?」

アケビさんがうなずいてくれたので、私は早速、質問することにした。

「お祭り最終日の夜、アケビさんは私たちを踊る場所に案内してくれましたよね?それってどうしてですか?スイさんからその理由は聞きましたが、念のため本人からも聞いてみようと思って…」

すると、アケビさんはあっさりと、スイさんが言っていたことと同じことを言った。

「それは、まあ、少しでも二人が仲良くなればいいなー、って思って?だって、全然進展がないから…」

やっぱり、そうだったのか…。うーん、この前から不思議に思っていることが一向に解決しない…!もやもやする…。すると、アケビさんが言った。

「何か気になることがあるなら、相談に乗るよ?的確なアドバイスができるかは分からないんだけど…」

私は迷った末、詳細は伝えず、ぼんやりとした感じで、この前から違和感を感じていることを話した。

「何て言うか…。この前から気になっていることがあるんですけど、私、もしかしたらそれについて勘違いしていたかもしれないんです。でも、もし本当に私が勘違いしていたとすると、かなりおかしい話になってしまうので、どうすればいいか分からなくて…。でも、ちゃんと確認していないから、それが勘違いだったのかどうかも不明で」

アケビさんとスイさんは顔を見合わせた。もしかして、私の話、分かりにくかったかも…?もうちょっと言葉を整理してから話した方が良かったかな…。すると、アケビさんが答えた。

「それは、難しい話だね…。要するに、もし結花ちゃんがそれについて勘違いしていたとしたら、その話が今までの認識とは全然違うものになっちゃうかもしれない、ってことだよね?」

私はうなずいた。正にその通りだと思ったから。そして、自分の説明がちゃんと伝わっていたことにほっとする。すると、アケビさんとスイさんは考え始めた。その表情がどこか似ていて、やっぱり二人は師匠と弟子なんだな…、と思った。しばらくして、スイさんが言った。

「そうですね、一番いいのは、それに関連している人とかに直接確認すること…、でしょうか?そうじゃないと、自分の考えが合っているか間違っているかも分かりませんし…。でも、もし聞けないのであれば、あまり気にしないのが一番だと思います。考えすぎてその人との関係がぎくしゃくするのも良くありませんし…」

すると、アケビさんが興味津々という風に私を見て、こう言った。

「わたしも、スイちゃんと同意見!…ねえねえ、ところで、そのことってもしかして、ルイとのことに関連してたりする?その前の質問の内容的に、そんな気がするんだけど…、違う?」

「…!!?い、いや、そんなことありませんよ?!」

私は慌ててそう言った。でも、私のその反応の仕方が分かりやすかったのか、アケビさんは当たった!というような表情をした。ばれちゃった…。スイさんも何だか納得しているような様子。別に、納得するような話じゃないはずなんだけどな…?こうなるなら、最初から素直に言っていた方が良かったような気がする…。すると、アケビさんに詳しい説明を頼まれたので、私はお祭りの日を振り返りつつ、簡潔に説明した。私が話し終わると、アケビさんもスイさんも複雑な表情をしていた。そして、二人でこそこそと相談を始めた。その声は周りの人の声に掻き消されて聞こえなかった。

「…これって、どうすればいい?!もしもここで、わたしたちが結花ちゃんの誤解を解いちゃったら大変なことになるよね!?スイちゃん、どうする?」

「とりあえず、私たちも何も知らないふりをした方がいい気がします。それが一番無難です!!」

しばらく何かを話しあった後、アケビさんが言った。

「…確かにそれは、ルイの捉え方がどうだったのかで、大きく変わってくるね。というか、事態が思っていたよりも複雑になってるんだけど…。何でそうなっちゃったかな…」

複雑…?そんなに??もしかして、私が複雑に考えすぎてる、ってことかな?…確かに、そうかもしれない。私が深刻に考えすぎちゃってるだけなのかも。ということは、あまり深く考えすぎない方がいいってことなのかな?…うん、きっとそういうことだね!そんな結論に至った私は、二人に言った。

「でも、大丈夫です。深く考えなければ、そこまで気にならないはずですし!すみません、お騒がせしました。今の話は、気にしないでください!」

私のその言葉に、アケビさんとスイさんは再び顔を見合わせた。そして、目線で何か会話する。その後でスイさんが言った。

「そうですか…。あの、でも、くれぐれも自分の気持ちには素直でいて下さいね?自分の気持ちを我慢していると、後悔してしまいますから…」

私はその意味がよく分からないながらも、うなずいた。自分の気持ちに素直に…、か…。お祭りの時、メアリさんにも言われたな…。素直に、って一体、どうすればいいんだろう?その時の私は、その意味がちゃんと分かっていなかったのだった。

読んで下さり、ありがとうございました。

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