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私の異世界花記録  作者: 立花柚月
四章 異世界花屋とお祭り ー当日編ー
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第六十七話

昨日、投稿できず、すみませんでした…。六十七話です。

どうにかこうにかお花を選んでネネに渡した後、私はかなり疲れていた。こんなに緊張したの、初めてかもしれない…。ちなみに、サーニャ様の方はルイが担当していた。その包装の美しさがすごすぎて、かなり驚いたけど…。そして、選んだ花の色のバランスも綺麗だった。私の方も頑張ったけど、もしも同時に渡されたら、たぶん、ルイの作った方に目が行きそうな気がする。うう…、作り直したい…。ネネに申し訳ない…。と、私が落ち込んでいると、ネネがはげましてくれた。

「まあ、ルイの方がお店歴が長いんだし、大丈夫だよ。それに、結花は真剣に選んでくれたし。だからありがとね、結花!」

その言葉で少し持ち直した私だった。もしかして私…、意外と単純なのかな?でも、喜んでくれたことは素直に嬉しいな、と思う。ネネとサーニャ様はその後、少ししてからお店を出て行った。どうやら、他のお店にも行くらしい。サーニャ様は、ものすごく楽しそうな表情をされていた。一方、ネネは、お店を出る直前に、急に何かを思い出したような表情になって、ルイへと近付いた。そして、何か一言、こそこそと話していた。何を言っていたのか、少し気になったけど、もっと気になったのは、その後のルイの反応だった。何故かものすごく不機嫌そうな表情になっていた。一体、何を言われたんだか…。でも、ネネはルイと会うたび、言い合い(?)をしているので、そんな感じになるのは珍しいことではないと思うんだけど…。すると、サーニャ様がネネに声をかけられた。

「ネネ、そろそろ行きましょうか。確か、この先に、ネネが行きたいと言っていたお店があったはずよ」

「はーい、今行きます!それじゃあね、結花、ルイ!」

ネネは手を大きく振って、サーニャ様と共に、人ごみの中へと消えていった。どうやら、二人ともお祭りを楽しんでいるみたい。それに、ネネがぎゅっと花束を大事そうに持っているのが嬉しかった。…茎が折れそうで少し怖いけど。私はネネたちが去っていった方向を眺めていたが、少しして、ルイの方に振り返った。しかし、ルイはどこかぐったりしていた。もしかして、サーニャ様がいらっしゃったから緊張したのかな?私がそう聞くと、こう返事が返ってきた。

「確かにそれもあるけど…、一番の要因はネネだな…。今日はサーニャ様と一緒だったから大人しくしてるかと思ったら、あいつ、最後の最後で変なこと言ってきたんだよ。それで一気に疲れた」

お疲れ様です。でも、変なこととは一体…。大丈夫かな、持ち直すかな…。と少し心配していたが、しばらくしたらいつもの感じに戻ったので、安心した。


それから、一時間くらいが経った。店番をしていた私は、一つ不思議なことを発見した。それは、何故か今日は、お花を買いに来る人が多い、という点だ。しかも、自分の恋人、夫、もしくは妻へのプレゼントとして買いに来る人が多い。両親や兄弟へ、という人もいたけれど、そっちの方が少なかった。何でだろう???ただ単に、昨日はここにお花屋さんがあるって知らなかったけど、今日気付いたから買おうかな?って思った人が多いだけなのかな?…でも、たぶん植物屋さんはもっと大変なんだろうな。アケビさんとスイさん、大丈夫かな?午前中も、ものすごく忙しそうだったし…。少し心配になった。

「…こんにちは。お久しぶりね。元気にしていたかしら?」

不意に声をかけられた。あ、メアリさんだ!そういえば、ルイが、メアリさんがお祭りに来る、っていう内容の手紙をくれた、とか言っていた気がする。ルイは驚いたらしく、目を丸くしていた。

「メアリさん!?来てくれて嬉しいんですけど、あの人が来たらどうすれば…」

そう言われれば、確かにそうかもしれない…。ロディル卿と、その家のメイドさんが鉢合わせする、って面倒な状況になるような…。それに、ここでルイとロディル卿が会っちゃったら大変なことになる気がする。お店どころじゃなくなりそう…。何か、こっちまで不安になってきたんだけど。

「大丈夫ですよ。そのことも伝えようと思ってここに来たの。あの方が来るのは、明日みたいよ。そのせいで、今、お屋敷中がバタバタしていて…。休みをとるのが大変だったわ。今日、ここに来られて本当に良かった…。もし、明日だったら、あの方と鉢合わせしていたでしょうね」

メアリさんはそう言って苦笑した。ルイは、明日ロディル卿が来る、ということを聞いて、少し緊張したような表情になった。明日、か…。まさか、最後の最後に来るなんて…。大丈夫かな…?

「そうなんですか…。何か、俺に関することとか言ってましたか?」

「ええ。確か、あなたが屋敷に戻ってくるよう、説得するとか。絶対に連れ戻す、と息巻いていたわ。ああいうところを見ると、あの方もまだまだ子供っぽいところがあると思ってしまうわね…。すぐにむきになるところとか…」

「そう、ですか…。色々、厄介なことになりそうですね…」

私は一人、ぐるぐる考えていた。メアリさんの話からすると、ロディル卿は、かなり本気みたい。ということは、明日、どうなるかが本当に分からない。もし、明日、ルイが連れ戻されることになってしまったら?そしたら、私はどうすればいいんだろう…?悪い想像ばかりが頭の中に浮かぶ。そうとは限らない、と分かっているのに、私はとても怖かった。

「…結花?大丈夫か?何か、顔色悪い気がする。そこの椅子に座っといた方がいいんじゃないか」

「たぶん、大丈夫。ちょこっと考え事してただけだから…。…あ、私、ちょっと外に行ってくるね!」

私は、その返事も聞かずに外へと飛び出した。その後で少し後悔する。何やってるんだろう、私。お店中なのに勝手に外に行くとか、職務怠慢だよ…。しかも、全くルイの反応を着にせずに出てきちゃったし。つい、衝動的に出てきてしまった。当てもなく、ふらふらと街を歩く。すぐ近くで、誰かが騒いでいるはずなのに、それがどこか、遠くで響いているように感じる…。私は、あまり人がいないところで立ち止まった。そこは、どこかの広場で、ベンチがいくつかあったので、適当に近くのベンチに腰かけた。

「いつ、戻ろうかな…。ちょっと戻りづらいかも…」

一人つぶやいた。そして、飛び出してきたことを更に後悔した。ただ、私は、心の中がぐちゃぐちゃになっていて、どうすればいいか、分からなくて…。私はうつむいた。

「あ、やっぱり結花だ!さっき声かけたのに、全然反応しなかったから、他人の空似かと思ったよー」

その声に顔をあげると、そこには何故かジェシカがいた。ジェシカは、そのまま私の隣に座った。そして、私の顔を見て、心配そうな表情になった。

「ちょっと、どうしたの?すごく泣きそうになってるよ?何か嫌なことでもあった?もし良かったら相談にのるよ?…いいアドバイスができるかは分からないけど」

「…ジェシカって優しいね」

「今さら!?そうだよ、わたしは優しいの!だから、もし、言いたくなかったら別に言わなくてもいいし、いなくなってほしいなら、どこかに行くけど。…あ、でも、ここ、人が少ないから、ちょこっと離れたところで待機することになるけど。泣いてる女の子を騙そうとする人だっているだろうしね!そしたら、遠慮なく追い払ってあげるから!」

「…私、泣きそうかもしれないけど、まだ泣いてないよ?」

「細かいことはいいの!そういうのは気にしないのが一番!…まあ、とりあえず、わたしはしばらくここにいるね。静かにしてるから、わたしのことはそこら辺の石だと思って!」

普通の町中にある石にしては、大きい気がするんだけど…?でも、ジェシカは大まじめにそう言っていた。それがちょっと面白くて、私はつい笑ってしまった。

「ありがとう、ジェシカ。少ししたら、ちゃんとお店に戻るから」

「結花こそ、そう言ってくれるなんて優しい…。前に、ゼンが何かで落ち込んでた時に同じことを言ったら、そんなにおしゃべりな石なんて、どこにも存在してないと思う、って言われて、逃げられたんだよね!ひどくない!?わたしはわたしなりに励まそうと思ったのに」

ゼンさんが言いそうなセリフだな…。私はまた笑ってしまった。

「…って、そんな話はどうでも良くて、結花、本当に大丈夫なの?別に無理には聞かないけど、今の結花、すごく無理してます、って感じだよ?」

私は再びうつむいた。相談するだけでも楽になることはあるみたいだし、相談してみようかな…。そう思った私は、さっきの話をかいつまんでジェシカに説明した。ジェシカは、最後までゆっくりと話を聞いてくれた。私が話し終わると、ジェシカは少し考えた後で言った。

「それは不安だね…。というか、怖い。でも、たぶんだけど…、ルイも同じくらい不安なんじゃないの?今の生活が変わってしまうんじゃないか、って…。ルイって、口は悪いけど、何だかんだ言って優しいところもあるし、たぶん、想像は全然できないけど、繊細なところとかもあるんじゃないのかな?それに、相手はじつの父親なわけだし、色々複雑なんだと思うよ。…まあ、そこら辺の本心は、本人から聞くのが一番良いと思うけどね」

ふわふわと、風が吹いた。その風は、どこか物悲しくその場を吹き抜けていく…。

「…前に、約束したことがあったの。何も言わずに、急にヴェリエ国に戻らない、って。でも…、本当に大丈夫なのかな、って心配になっちゃった。…ルイのことを信用してないわけじゃないんだけど。でも、それはいつどうなるか、分からないわけで…。だから、私は…」

「そっか。確かに、約束って絶対なわけじゃないよね。…でも、心配しまくってたら、人間不信に陥っちゃうよ?…だから、約束が続いている間は、その約束を信じればいいんじゃないかな?そうじゃないと、楽しいことも楽しめなくなっちゃうよ?」

私は、何も言えなかった。しばらくして、急にジェシカは立ち上がった。そして、私に告げた。

「それじゃ、わたしはそろそろ行くね。ルイも来たことだし」

…!?私は固まった。でも、向こうからやって来ているのは、確かにルイで…。え、え、どうしよう!心の中でそう繰り返している間に、ルイが近くまで来てしまった。それとは逆に、ジェシカはどこかに行ってしまった。「頑張ってー」と口パクで言いながら…。何をどう頑張れば…?

雲行きが怪しくなってきたかも?です。

読んで下さり、ありがとうございました。

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