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私の異世界花記録  作者: 立花柚月
六章 異世界花屋とメッセージ
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第九十九話

その日、私はお店の前を雪かきしていた。…んだけど、これ以上どこに、雪かきした雪を積めばいいと言うのだろうか…?これ以上雪を積んだら、雪崩が起きて最初からやり直しすることになりそうなんだよね…。うーん…、やっぱり、雪だるまを作って雪を消費した方がいいのかな?でも、前にお店の前に雪だるまを作ることを提案したらルイに反対されちゃったし。本当にどうしようかな、と考えていると、誰かが声をかけてきた。この声は、アケビさんかな?そう思ってそっちを見ると、そこにはやっぱり、アケビさんがいた。スイさんも一緒。

「こんにちは。あのね、ルイにこの前借りた書類を返しに来たんだけど。今、ルイいるかな?それと結花ちゃん、雪かきしてるなんて偉すぎない?わたしだったら、頼まれても絶対にやらないな…。まさか、ルイに押し付けられたとかそんなんじゃないよね!?」

「全然!むしろ、自主的にやってます。ルイは寒いからやめた方がいいって言ってたんですけど、私が半分無理矢理お願いして雪かきさせてもらってるんです。…あ、ルイは中にいるので、どうぞ」

そう言って私はお店の扉を開けた。アケビさんたちが来たから、一旦雪かきは中断することにする。雪は、とりあえず端っこの方に寄せておき、後でどうするか考えることにした。ルイにも聞いてみようかな。そう考えつつ私が中に入ると、ちょうどアケビさんがルイに書類を返しているところだった。大量。もしかして、この前二人が一緒に探していた書類かな…?この前借りた、って言ってたからたぶんそうだと思う。

「そういえばね、この前管理人さんに、ルイの様子を聞かれたよ!元気かどうか、って。だから、いつも通りです、って答えておいたよ。…けど、ルイってしばらく管理人さんに会ってないよね?今度、植物屋に来た時にでも会いに行ったら?たぶん、ルイが来るのを待ってると思うよ」

すると、何故かルイは非常に暗い表情になった。…?!何があったんだろう…。下手すると、ロディル卿のことを話すときと同じくらい、もしくはそれ以上に嫌そうな表情をしているような…?でも、アケビさんとスイさんはその理由を知っているらしく、微妙な表情を浮かべていた。本当に何があったんだろう?すごく謎なんだけど、聞いてもいいのかな?私はとりあえず、近くにいたスイさんに聞いてみることにした。

「スイさん。ルイと管理人さんの間に何かあったんですか?すごい不穏な空気なんですけど…」

すると、スイさんは少し何かを考えた。そして、ちらっとルイの方を見る。すると、何の会話もしていないはずなのに、意志疎通ができたのかルイの方が絶対ダメ、というように首を振った。…!?何で?というか、何で会話できてるの?超能力みたいな?私が相当不思議そうな表情をしていたのか、スイさんが言った。

「すみません、ルイ様は結花さまに知られたくないみたいなので、私からは何も言えません。…本当は言いたいのですが。それと、さっきのは、超能力などではなく、言ってもいいですか、という意味でルイ様の方を見ただけです。不思議な力を使ったわけではないですよ。恐らく、そういう状況になれば分かるものだと思いますよ」

そういうものなのかな??微妙に不思議に思ったけれどそれよりもルイと管理人さんの関係が気になる!本当に何があったんだろう…。ルイの表情からすると、あまり関係が上手くいってなさそうだけど。もしかして、ルイが煽ったとか?何故だか簡単に想像できる。想像できすぎて逆に怖い。もし煽ったとすると、何についてなんだろう…。とか色々と想像していると、ルイに言われた。

「…結花?何か色々と考えてるみたいだけど、勝手に変なこと想像するなよ?」

何でばれた!?私、何も言ってないんですけど!やっぱりルイって超能力を持っているんじゃないの?勝手に人の心を読まないでほしい…。すると、再びルイが心の中を読んだかのように言った。

「お前、俺が今まで会った人の中で一番分かりやすいんだよ。だから、何となく考えてることが分かる。もう少し顔に感情を表さないように練習した方がいいんじゃないか?」

わ、分かりやすいって…。それに、何で練習??どうやって練習したら感情って顔に出ないようになるんだろう…。四六時中、鏡を持っているわけにもいかないし…。近くに窓があるとも限らないし…。一体どうすれば??というか私、元の世界では誰かに心の中を読まれたかのような言動をされたこと、なかったんだけど…。気になったので、私はルイに聞いた。

「でも、それってやっぱりルイの特殊能力なんじゃないの?だって私、今までそんな風に心を読まれたような発言されたことないよ?どう考えても超能力でしょ」

「俺は逆に、今まで結花が誰にも分かりやすい、って言われたことがないことに驚いてる」

と、私とルイが超能力か超能力じゃないか問題(?)について話していると、アケビさんが間に割ってきて私たちの会話を無理矢理止めた。

「はいはいはい、二人が仲いいのは知ってるから一旦ストップ!喧嘩はわたしたちが帰った後で、二人が飽きるまでやっていいから止まって!!それと、わたしたちの存在を忘れないでほしい!」

スイさんも苦笑いしている。も、申し訳ない…。私は反省した。ルイも多少、反省しているみたいだった。しかし、ふと怪訝そうにアケビさんに尋ねた。

「存在忘れてたのは悪かったけど、何で仲がいいって思ったんだ?今の感じだと、どう考えても関係が良好そうには見えなかっただろ?」

…確かに。けっこう意見が食い違ってたし。それに、どちらかというと、今の雰囲気ってけっこう険悪だったような気がする。そんな自覚がある。すると、アケビさんは何故か何かを迷っているように考えた。…?何を考えてるんだろう?しかし、それは一瞬のことで、すぐに元の表情に戻って言った。

「だって、喧嘩するほど仲がいい、って言うから!だから二人も仲がいいのかな、って。というか、それは事実でしょ?…あ、でも、喧嘩しすぎるのも良くないよね…。二人とも、ほどほどにね!」

その言葉自体は知ってるけど…。どうなんだろう?少なくとも私は、ルイと仲がいい方だと思っている。でも、ルイはどう思ってるんだろう…?ただの手がかかる人物だとしか思われてなさそうな気がする…。直接聞いたことはないけど…。とか考えていると、何だか複雑な気持ちになってきたので、私は深く考えるのを止めることにした。そして、アケビさんにこう答えた。

「はい、気をつけますね。ルイは私にこの世界での居場所をくれましたし。だから、仲が悪くなっちゃうのは避けたいですね…」

すると、ルイがちょっと驚いたように私を見た。そしてアケビさんがちょっと楽しそうな表情で言った。

「そうだよねー。それに、結花ちゃんはルイのことが……」

「わーーー!?ちょ…っ、アケビさん!!それは言っちゃダメですよ!?」

私は途中でアケビさんが何を言おうとしたのか分かって慌てて止めた。び、びっくりした…!もし気付いてなかったら今頃、大変なことになってたと思う。スイさんもアケビさんがそんな事を言い始めるとは思っていなかったらしく、ものすごく驚いたような、そしてどこか申し訳なさそうな表情をしている。本当に、何で突然そんなことを…。私はとりあえず、アケビさんを小屋のところまで引っ張って行った。ものすごく不思議そうな表情をしているルイは、一旦無視する。ルイ、ごめん、でも私は今それどころじゃない…!!私は小屋の中にアケビさんを案内し、鍵を閉めた。…よし、これでここには他には誰も入れないから大丈夫!そして、アケビさんに尋ねる。

「アケビさん、何でさっき、さりげなく暴露しようとしてたんですか…!私の寿命、さっきので少し縮んだような気がします…」

「ごめんごめん。ちょっと気になっちゃって!それに、見てるこっちがじれったいし…。でも、さっきの反応を見た限り、結花ちゃんはまだ告白してないんだ?別に、タイミングはそれぞれだと思うけど、大丈夫かちょっと心配なんだよね…。『期限』まであと少しなんでしょ?」

私はちょっとびっくりした。まさかアケビさんがそのことを知っているとは思っていなかったから。どうやらアケビさんはルイから直接聞いたらしい。もし、「期限」に間に合わなかったら…、という話をされたのだと言う。ちなみにアケビさんはその時、とあるお願いをされたみたい。それが何かは教えてくれなかったけど…。私はその内容を後々知ることになるが、今はとりあえず置いておこう。

「確かに、そうですね…。でも、最後の最後で振られたら私の精神が持たないような気がするので。それに、ルイはきっと真剣にあのお花のことを考えています。それなのに、私のことで悩ませるわけにもいかないというか…」

「…なるほど。まあ、確かに結花ちゃんの言うことにも一理あると思う。…でも、思いを伝えないままお別れになっちゃったら寂しくないかな、って思って、ちょっと気になっちゃって…。まあ、ルイが期限に間に合わないなんて想像できないんだけどね。自分でもよく分からないんだけど、無性に気になって。…とにかく、わたしが言いたいのは人のことを優先するのもいいけど、たまには自分優先でもいいと思うよ、ってこと!」

自分優先…。な、なかなか難しい…。私が考えていたその時だった。急にコンコンと扉が叩かれた。…もしかしてルイかな?たぶん、そうだよね。そう思いつつ、扉を開ける。お話は終わったし、いいかな、と思ったので。そこには案の定ルイがいた。どうやら、スイさんがそろそろ書類整理をしたい、と思っているらしく、アケビさんを連れて帰りたいのだそう。それを聞いた瞬間、アケビさんの表情は一気に暗くなったけれど…。小屋からお店へと戻る途中でルイに聞かれた。

「そういえばさっき、アケビが何か言いかけて結花が慌ててたけど、あれ何だったんだ?スイに聞いてもはぐらかされるし…。正直、すごく気になる」

……。私はアケビさんの方を見たが、知らないふりをされた。仕方なく、自分で言い訳を考えることにする。えーと…。何か納得してもらえそうな言い訳を…。

「えっと……、よく分からないけど、嫌な予感がしたから何となく止めたというか…」

「おい、絶対嘘だろ。それにしては、すごく焦ってたし必死だったよな?それに今、必死で言い訳考えてたみたいだったし…。何で教えてくれないんだよ?」

「秘密!少なくとも今は教えないから!スイさんが待ってるし早く行こう」

私は思いっきり話題を変えて、早足でお店へと向かった。これ以上はごまかせなさそう…。アケビさんは後ろで他人事のように笑ってるし…。こんな感じで大丈夫なのかな?と色々な意味で心配になってしまった。

読んで下さり、ありがとうございました。

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