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私の異世界花記録  作者: 立花柚月
六章 異世界花屋とメッセージ
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第九十七話

最近、毎日投稿ができず、本当に申し訳ないです…。

数日後。期限まで残り一か月を切った。私はその日、ずっと植物置き場の部屋に引きこもっていた。外は雪。普段の私なら絶対にはしゃぐところだけど、今日は雪だるまを作りたい、とか全く考えずにじっとそこで、小屋にあった千智さんのノートとにらめっこしていた。しかし、お昼になる頃には集中力が切れてしまい、私はその場にノートを置き、外を眺めた。本当に疲れた…。ちらっと横を見ると、そこには大量のノートの山。全部で二つあって、一つは既に見終わった物。そしてもう一つは、まだ読み終わってない物。そして、後者の方が断然量が多い。まだまだ読み終わるには時間がかかりそう…。今日中に終わるかな…?私が何をしていたのかというと、ノートに描いてある植物の図と、ここにある植物の芽で同じ形のものがないか探していたのだ。諦めが悪いのは自分でも分かってるんだけど、どうしても気になったため。けれど、今のところ見つからない…。一応、似ている物はあったけど、微妙に違ったり、そもそも、その花自体なかなか存在していなかったり、などの理由で、違うみたいだった。もしかして、新種の花だったりするのかな?などと色々考えつつ、降り続く雪を見る。気分転換に雪だるまでも作ろうかな、なんて思っているとルイがやって来た。心なしか、少し心配そうな表情だ。もしかしたら、私がずっとこの部屋から出てこないから心配になったのかもしれない。まあ、雪が降ったら必ずと言っていいほどはしゃいでいる私がこんなに大人しくしてるから、ちょっと変に思われているかも?と考えていると、ルイが言った。

「ここでずっと何やってるんだ?寒いだろ、風邪ひいても知らないからな」

ルイはそう言いつつも温かそうな布を私の頭にかぶせてきた。ありがたいけど、渡し方が雑な気が…。まあ、投げてこなかったからいいかな。ここでもし投げられた上に受け取れなかったら植物に被害が及ぶところだった。たぶん、ルイもそれは考えているんだと思う。その証拠に、私の近くでかぶせてきたし。でも、何でかぶせるかな…。静電気がすごそうだし、そのせいで髪がぐしゃぐしゃになるんですけど?一瞬むっとしたけど、少し寒かったのは事実なので、素直に布を肩から羽織ることにした。温かい、と思っているといつの間にか近くに来ていたルイが床に置いてあったノートを取ってじっくりと中身を見ていた。だけど、中身は時々日本語が混ざっているので読みづらいらしく、所々飛ばしていた。一通り見終わってそのノートを閉じた後で、尋ねてくる。

「これ、母さんのだよな?何でここに?…ってか、本当に何やってたんだ?」

なので、私はルイに、千智さんの記録で、この花に関するものがないか探していたことを伝えた。そして、今のところ全く何も見つかっていない、ということも…。するとルイは私の隣に座って、短く「手伝う」と言ってきた。私はそのことに驚きつつ、言った。

「え、大丈夫だよ。私が勝手にやり始めたことだし。それに、ルイ、日本語の部分読めないでしょ?」

「そうだけど、とりあえず絵の部分を見るだけでいいなら俺にもできる。それに、結花はずっとこの作業を続けてやってただろ。この部屋に入ったきり、一回も外に出てないんじゃないか?雪が降ってるんだし、雪だるまとか作って遊んで来たらどうだ?」

何か、微妙に子ども扱いされた…??遊んで来たらどうだ、って追い払う方法が何だか…。少し複雑な気持ちになる。なので私は、ルイからノートを取り返し、続きのページを開いた。そして、開いたままの状態で私とルイの真ん中にそれを置いて言った。

「だったら、一緒にやろうよ。そしたらきっと、早く終わるよね?効率も良さそうだし。…けど、ルイ、寒くない?私はルイが持ってきてくれたのがあるから大丈夫だけど…。何だったら、ルイも使う?これ、けっこう大きいし二人で使っても余裕だと思うけど?」

すると、ルイが固まった。しかも、なかなかその状態から抜け出さない。…?何でだろう?私は自分の言動をよくよく思い出してみた。えっと、一緒にやろう、って言った後、私は………、あ。そこでようやく気付いた。何言ってるんだろう、私?!!普通にさらっと言っちゃったけど、かなり自分でもすごいことを言ってしまった気がする。そして、その言葉に後悔した。そりゃ、固まるに決まってるよね!!あー…。ルイにすごく申し訳ない。私は自分の発言を撤回することにした。

「ごめん、ルイ、今の速攻で忘れて!変なこと言っちゃって本当にごめんね。ただ、それならルイも寒くなくて済むかな、って思っただけで!本当にそれだけだから!!」

か、顔が熱い…。そして、恥ずかしい。私はばさっと布を頭からかぶって顔を隠した。こうすれば、ルイから私の顔は見られないはずだ。しかし、少しすると固まっていたはずのルイが復活して私がかぶっていた布を思いっきり取り払った。あっさりと保護してくれるものがなくなってしまい動揺していると、ルイは私から取った布を微妙に自分の方へ引っ張って言った。

「……三分の一くらい、借りる。ちょっと寒いのは事実だし。…ありがとう」

「…!いや、そんな…。こちらこそ、これを持ってきてくれてありがとう。というか、さっきの私の発言、本当に忘れていいから!遅くても今日中には忘れて、お願いだから!」

「…まあ、努力はする。けど、自由自在に記憶を操れないし、保証はできないけどな」

た、確かにそうだよね…。それができたら本当にすごいと思う。できるだけ、ってことで。…というか、まだ顔が熱い気がする…。私はとりあえず前を向いた。今、ルイの方を見ちゃったらどうすればいいか分からなくなりそうな、そんな気がして…。私は混乱しつつ、続きをすることにした。ルイもまだ見ていない方のノートを取って見始めた。しばらく、二人とも何も話さなかった。静か。集中できるけど、ちょっと気まずいような気がしなくもない…。かと言って、何を話せばいいのか分からない…。これ以上何か言うと、また変なことを言っちゃいそうで怖い。なので、私は結局何も言わないままだった。しかし、少ししてからルイが話しかけてきた。

「…ってか、一人でこれをやってたのかよ?悪い。俺も何か手伝えば良かった。その方が絶対に早く終わってるよな。そしたら、早いうちから何かできたかもしれなかったのに…」

「そんなことないよ!私が勝手にやってたことだし、そもそも、ルイに何も言ってなかったから。だから全然気にしなくて大丈夫だよ!それに、前も言ったけど私、ルイがヴェリエ国に帰っちゃうのが嫌だから……。だから、そのためにも何か見つからないかな、って…」

言った後で気付く。私、何だかんだ言って正直に自分の思ってることを言っちゃってるんだけど!前に私、ルイが最近素直だな、って思ったことがあった(今も割とそうかもしれない)けど、これじゃあ人のことを言えないような…?私は気を紛らわせようとノートの山に目を向けた。あとどれくらいやればこのノートの山がなくなるかな…、と考える。…あれ、でも待って。この感じだとしばらく、片っ端からノートを見ていくことになるけど、その間ずっとこの状態のまま、ってことになるかな!!?ちょっと待って…。さっきの私、そこまで深く考えてなかったけど、かなりすごいこと言ってたんだ?!改めて実感(?)する。というか、違うことを考えるつもりが結局そうなってないし…。意味がなかったような、むしろ逆効果だったような…?どうすればいいんだろう、この状況?!と、心の中であわあわしていると、全くそういうことを気にしていなさそうなルイが言った。

「…そうか。…でも、俺はいつも結花に助けてもらってるような気がするし、何か申し訳ないな。そもそも、結花がいなかったら、こんなにちゃんとこの花を育てよう、とか思ってなかったと思う。ただ、面倒なことを押し付けられたな、って思うくらいで。だから、そういう意味では、その……、感謝してる」

…!!そう言われて、更に動揺が私の心の中に広がった。最近、ちょっとしたことでも反応してしまっている私って一体…。あー、もう、ちょっと頭を冷やしてきた方がいいのかな?その方が落ち着くかな?と、謎の考えに至った私は立ち上がり、窓辺に近付いた。そして、思いっきり窓を開ける。冷たい風が部屋の中に吹き込んできた。ついでに雪も。言わずもがな、非常に寒い。そして、ルイに文句を言われた。

「おい、結花、急に立ち上がったと思ったら何で窓開けてるんだよ?!寒いだろ!さっさと閉めろ!ってか、何がしたいんだ…。凍えさせるつもりかよ!?」

「…あ。そっか、寒いから室内に植物を入れてるのに、窓を開けちゃったらその意味がなくなっちゃうね。確かに、ここでは窓を開けない方がいいかも。ルイ、教えてくれてありがとう」

「気にするの、植物の方かよ!別にいいけど、何で俺の方は全く心配しないんだ…。一応、この布があるとは言え、窓を開けられたら俺だって寒いに決まってる。あと、外の空気に当たりたいなら庭にでも行けよ…。…あ、でも、上着を着るのは絶対に忘れるなよ。風邪ひかないように」

「…あ、植物もそうだけど、ルイの方も心配だよ!今度からここの窓は開けないようにするね。それじゃあ、外に行ってこようかな」

「…ついでみたいに言われたような気がするのは気のせいか?それと、このノートの山はどうするんだよ?ここにずっと置いておかれても水やりの時とか困る。外から戻ってきた後、またやるなら別にいいけど、そうじゃないなら片付けろ」

私は少し考えた。終わった後、ちょこっとやろうかな?なので私は、このままにしておくように頼んでから外に出ることにした。そして、ルイに言われた通り上着を着てから外に出た。けど、寒い。これ以上寒くならないといいんだけど。そうじゃないと、植物の成長にも影響が出そう。…というか、本当に私、一回落ち着いた方がいいよね…!?ルイは真剣に手伝ってくれてるのに、私が浮ついてどうするんだ、と自分でつっこみたくなる。一応、あまり気にしないようにしよう、とは思っているんだけど、ふとした瞬間に気にしてしまうのだ。何か具体的な対応策が欲しい…!私はしばらくそのことを悩んでいたのだった。

読んで下さり、ありがとうございました。

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